年収400万円の手取り額

 

家賃や生活費といった家計の負担を考える場合には、年収とともに「手取り額」を意識しておくことが大切です。

 

手取り額は、収入から所得税や健康保険料などが差し引かれた金額のことであり、一般的には収入の75～80％程度とされています。

 

よって、年収400万円の手取り額は「300万～320万円」程度になり、ボーナスなどを計算しなければ「月々25万～27万円」程度といえます。

 

今回は、この手取り額を基準に、家賃の適正範囲や生活費のモデルケースを見ていきましょう。

家賃の適正な目安

 

一般的に、家賃の適正範囲は手取り額の3分の1以下とされていますが、「車を所持している」などの細かな条件によっても適正範囲は異なりますし、居住エリアによっても違いが生じます。

 

たとえば、都市部では地方と比べて家賃が高くなる傾向があるため、単に「3分の1以下」と設定すると、住まいの選択肢が大幅に狭まってしまうことになります。

 

そのため、より正確な目安を把握するためにも、毎月の生活費と固定費を明確にして、どのくらいの家賃を捻出できるかを計算・把握することが大切です。

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一人暮らしのモデルケース

 

ここでは、実際に一人暮らしの目安となる生活費から、無理なく支払っていける家賃の範囲をシミュレーションしてみましょう。

平均的な生活費

 

総務省統計局「家計調査報告」（2020年）では、「年収300万～400万円の単身世帯」の平均生活費が以下のように示されています。

 

下記のとおり、住居費を除いた毎月の平均的な生活費は「13万4,679円」程度です。

費用項目	金額
食費	4万653円
水道・光熱費	1万1,638円
家具・家事用品費	4,750円
被服費	4,343円
保険・医療費	6,380円
交通・通信費	1万8,671円
教養・娯楽費	2万992円
その他の費用	2万7,252円
合計	13万4,679円

年収400万円の単身世帯で支払える家賃の目安

 

この生活費を基準にして、先ほど紹介した手取り月額である「25万～27万円」から平均的な毎月の生活費「13万4,679円」を差し引くと、手元に残るのは毎月「約12万～14万円」です。

 

そして、毎月の貯蓄や予備費を考慮すると、月々「家賃9万円」を目安に設定すると、ある程度安定して生活を送れるといえるでしょう。

 

もちろん、今回のシミュレーションは平均的なデータに基づいて計算しているため、実際の数値はライフスタイルによっても異なります。実際に部屋探しを行ううえでは、データを基に普段の家計収支を明確にしながら、最適な賃料を計算しておくことが重要です。

一人暮らしで借りられる物件の目安

 

ここでは、家賃9万円と想定して、エリアごとに借りられる物件の特徴を見ていきましょう。

 

まず、LIFULL HOME’Sで東京都心部（千代田区・港区・中央区・文京区・渋谷区・新宿区）の物件を検索してみると、家賃9万円以下では「専有面積20～30平米のワンルームマンション」「1Kや1DKのアパート」が多く見つかりました。

 

単身世帯の場合、生活に必要不可欠な居住面積は「25平米」（※）とされているので、一人暮らしなら問題なく生活できる広さの物件を借りられるといえます。

 

一方、対象エリアを東京23区内に広げてみると「1LDKや2DKのマンション」「2LDK以上の広さを持つアパート」なども選択肢に入ってきます。

 

また、東京都23区外では「駅近や築浅の物件」や「設備が充実した物件」も十分に借りられる家賃範囲となります。一人暮らしでゆったりと過ごせる基準の「40平米」を超える物件も数多く見つかるので、広さにこだわりたい場合も対応できるでしょう。

 

※国土交通省「住生活基本計画における『水準』について」参照

二人暮らしのモデルケース

 

続いて、二人暮らしの家計モデルケースについても詳しく見ていきましょう。

二人世帯の平均的な生活費

 

先ほどと同じように「家計調査報告」（2020年）によると、二人暮らしの住居費を除いた生活費の平均値は「22万6,380円」です。

 

なお、費用項目と金額の内訳は以下の表のとおりです。

費用項目	金額
食費	6万6,543円
水道・光熱費	1万9,459円
家具・家事用品費	1万990円
被服費	6,474円
保険・医療費	1万4,821円
交通・通信費	3万3,976円
教養・娯楽費	2万1,387円
その他の費用	5万2,730円
合計	22万6,380円

二人暮らしなら節約が必要

 

毎月の生活費の平均値である「22万6,380円」を基に、月の手取り額である「25万～27万円」から差し引くと手元に残る金額は「約2万5,000～4万5,000円」であり、ここから家賃を捻出するのは困難です。

 

そのため、「食費を抑える」「交際費を節約する」といった工夫が必要になります。生活費全体を見直して月4万円を捻出できれば、「家賃7万～8万円」の物件は実現可能な範囲に入ってきます。普段の暮らしの中で、どの支出を節約できそうかチェックしてみましょう。

二人暮らしで借りられる物件の目安

 

ここでは、家賃の上限を「8万円」と設定して、二人暮らしで借りられる物件の特徴を見ていきましょう。

 

まず、東京都心で「二人入居可」の物件を検索してみると、数はそれほど多くないものの、専有面積25～30平米程度の1Kや1DKの物件もいくつか見つかりました。

 

ただ、二人暮らしの場合は少なくとも30平米以上の居住面積が必要とされているので、家賃8万円の物件ではやや手狭に感じられる場面が多いといえます。また、居室が1つになってしまうことから、お互いのプライベート空間を確保するのは難しいです。

 

一方、東京23区に範囲を広げると、やや駅からの距離は遠くなってしまうものの、「2DKや2LDK」の物件も見つかるようになります。また、23区以外であれば、駅から近くて十分な広さを持つ物件も探せるでしょう。

 

この結果から、家賃8万円は「都心以外」なら快適な住まいを見つけることも可能な範囲といえるでしょう。

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ライフスタイルに合わせて住まいを探そう

 

年収400万円の世帯であれば、東京都心などの地価の高いエリアでなければ物件の選択肢も比較的多いといえます。しかし、自分に合った住まいを見つけるには、条件を明確にしたうえで、複数の物件を比較することが大切です。

 

不動産情報ポータルサイトLIFULL HOME’Sでは、住みたいエリアからスムーズに物件を探せる仕組みが整えられています。また、賃貸物件に関する特集も豊富に組まれており、特定の条件を備えた物件だけに絞って部屋探しをすることも可能です。

 

特に、ペットを飼育したい場合や楽器を演奏したい場合などは、はじめから「ペット可（相談）物件」や「楽器可（相談）物件」の特集から探すほうがスムーズに最適な部屋を見つけられます。

 

また、家賃の価格帯についても、10万円までは1万円ごとに細かく特集が組まれているので、最初に上限を決めてから特集で探すのもひとつの方法です。理想の部屋探しにぜひご活用ください。

まとめ

• 年収400万円なら手取りは「300万～320万円程度」、月当たり「25万～27万円」が目安
• 家賃は手取りの3分の1以下が目安とされているが、正確な金額については生活費や固定費から考えることが大切
• 年収400万円の一人暮らしでは、家賃9万円以内が妥当といえる
• 二人暮らしなら、節約することを前提に家賃8万円程度なら捻出可能といえる
• 住みたいエリアによって家賃の相場が異なるため、条件を明確にしたら実際に検索してみよう

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