快適な住環境を整えるうえで、日当たりは重視されやすいポイントのひとつだといえます。

今回は日当たりのいい物件の特徴やメリット・デメリット、方角による影響について詳しく見ていきましょう。日当たりのいい立地の選び方についても解説します。
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日当たりのいい物件

どのような物件や土地が「日当たり良好」とされるかについては、明確な定義がありません。しかし、いくつかのポイントによって、ある程度日当たりの状態を判断することはできます。

 

ここでは、日当たり良好とされる条件や、メリット・デメリットについて見ていきましょう。

日当たりを左右するもっとも主要な指標となるのは、「日照時間」です。気象庁においては、「0.12kW/m2以上の直射日光」が地表に当たる時間と提示しています。

 

一方、不動産業界においては、晴天の日に日光が当たる時間を指しているのが一般的です。たとえば、「冬至の日照時間4時間」とされている場合には、晴れた冬至の日に直射日光が4時間当たる立地であると判断できます。

 

また、建築物の場合は、建物がつくる影を時間帯ごとに書き込んだ「日影図」も日当たりを示す情報のひとつです。

 

工務店や設計事務所などでは、一戸建て住宅の設計時に日影図を作成してくれることもあり、図面を通して日陰になる位置と時間帯を把握することができます。

日当たりのいい窓

主に以下の5つが挙げられます。

  • 体内リズムが整いやすい
  • 部屋全体が明るくなる
  • 冬場でも比較的に暖かい
  • 洗濯物がよく乾く
  • 湿気がこもりにくくなる

日当たりのいい面に、リビングやバルコニーが配置されるなどの工夫が凝らされているケースが多いのは、こういった理由からだといえます。

一方、日当たりがよすぎると、以下のようなデメリットを感じることもあります。

  • 夏は暑くなりすぎる
  • フローリングや家具などが日焼けしやすい

日当たりのいい物件は、夏場の直射日光によって、室温が上がりすぎてしまうことがあります。また、太陽の紫外線による影響で、内装やインテリアなどが傷みやすくなってしまう面もあります。

日当たりのいい物件

一般的に、日当たりにもっとも恵まれるのは南向きとされています。賃貸物件や土地では、南向きは人気が高いため、ほかの方角よりも価格が高く設定されることも少なくありません。

 

ここでは、方角ごとの特徴を詳しく見ていきましょう。

日当たりの面で南向きが人気とされる理由は、大きく分けて2点あります。ひとつ目は、「一日を通して日光が当たる」ことです。

 

南向きは日中の日照時間がもっとも長いため、午前中も午後も室内が明るく、洗濯物も乾きやすくなります。

 

もうひとつの特徴は、「夏の直射日光を防ぐことができる」点にあります。意外に思われるかもしれませんが、夏場の日中は日が高いため、直射日光が差し込みにくくなるのです。

 

一方で、冬場には日が低くなって日光が入りやすくなるため、どのシーズンでも快適に過ごせる点が大きなメリットとなります。

南向きに次いで人気が高いのが、東向きの立地です。その理由は、午前中の日当たりに恵まれやすい点にあります。

 

東向きは朝早くから洗濯物がよく乾き、冬場でも室内が暖まる時間帯が早くなるといったメリットもあります。一方、午後は日が陰るのが早いため、南向きよりも早い時間帯に照明が必要となります。

西日の当たる部屋

西向きの立地は、午後の日当たりに恵まれるため、昼以降の室温が高くなりやすいといえます。日照時間も比較的に長くなるため、洗濯物や布団なども干しやすい点が特徴です。

 

一方、夏場は西日によって室温が高くなり、夕方ごろまで熱がこもってしまうことも少なくありません。メリットもデメリットも東向きと正反対の特徴を持っているといえます。

日当たりの面から見れば、北向きはもっとも不利な側面が強い方角だといえます。一日を通して日光が差し込みにくく、採光性を高める工夫が必要となるのです。

 

しかし、夏でも涼しい面や、比較的に価格が安くなりやすい点にメリットを感じる人も少なくありません。日当たりはあくまでも条件のひとつにすぎないため、総合的に判断することを意識しておきましょう。

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日当たりのいい物件

住まいを探したり建てたりする際には、方角ごとの特徴から間取りを考えてみるのもひとつです。ここでは、方角ごとに適した部屋の配置を見ていきましょう。

日中に明るく暖かな状態が保たれる南側は、リビングに最適な方角だといえます。特にお子さんやご年配の方など、日中に家で過ごす機会が多い人にとっては、快適に過ごせるスペースとなります。

 

また、リビングから南側に向かってバルコニーやテラスなどをつなげると、洗濯物を干すのにも打ってつけのスペースになります。

 

ただ、夏場には室温が高まりやすいため、通風性の高さを意識したり、エアコンの設置場所を考えたりする必要があります。

早い時間帯から日光が差し込む東側は、寝室やキッチンに適しているといえます。朝の太陽の光を浴びることで、スッキリと目が覚め、体内のリズムを整えることができるのです。

寝室

西側は夏場の西日が気になりやすいため、日中から夕方にかけてあまり使わない部屋にあてるのがいいといえます。

 

一方、午前中には日差しがやわらかく落ち着いた光が差し込むため、勉強などがはかどりやすい環境でもあるのです。そのため、子ども部屋などにあてるのもひとつの方法です。

直射日光が当たりにくい北側は、夏でも涼しく紫外線の影響を避けられるため、物品の保存に適した環境となります。そのため、蔵書を保管する書斎や趣味の部屋、パントリーなどに適した方角だといえます。

日当たりのいい物件

ここまで見てきたとおり、方角は日当たりに大きな影響を与える条件です。しかし、日当たりのよしあしを決めるのは方角だけではありません。

 

ここでは、日当たりに影響を与えるその他のポイントを見ていきましょう。

部屋のつくりにおいてまず目を向けるべきなのは、「窓の位置と大きさ」です。効率的に光を取り込める設計になっていれば、北側であっても一定以上の採光が期待できるのです。

 

また、バルコニーの広さも、室内の日当たりを左右するポイントとなります。広いバルコニーには、洗濯物が干しやすく、椅子やテーブルなども設置できるといったメリットがあります。

 

しかし、あまりにも奥行きがあると、バルコニーのある下の階は室内の奥まで光が届かなくなってしまうこともあるのです。庇(ひさし)や屋根のある室外スペースには特に注意しておきましょう。

住まいの日当たりは、周辺の環境によっても左右されます。窓の前に高い建物があると、どうしても日照が妨げられてしまうのです。

 

また、住み始めた時点では日当たりに恵まれていても、後から周辺環境が変化してしまうケースもあります。そのため、近隣の変化に詳しい不動産会社や地域の工務店に相談をしておくとよいでしょう。

 

また、将来的な変化は「用途地域」によってある程度予測することも可能です。用途地域を見れば、その土地に建てられるものの種類や大きさに関するルールが分かります。

 

たとえば、住宅街が該当する「第一種・第二種低層住居専用地域」では、建てられる建物の高さが10~12mに制限されています。

 

一方、ビルやマンションが集合する「商業地域」では、空き地があれば高い建物が建てられる可能性が十分に考えられます。また、日影規制の有無なども用途地域によって異なるのです。

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日当たりのいい物件

  • 日当たり良好な立地にはさまざまなメリットがあり、人気も集まりやすい
  • 南向きは日当たりに恵まれるとともに、夏の直射日光を防ぎやすいメリットもある
  • 方角ごとに日当たりの様子は異なるため、特徴を正しく知ることが重要
  • 方角によって適した部屋の配置も異なる
  • 部屋のつくりや周辺環境によっても日当たりは左右される
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