賃貸アパートを探していると、ときには物件の階数で迷ってしまう場面があります。
特に、同じ建物内で1階と2階の部屋がどちらも空いているときには、具体的な判断基準がないと選択するのが難しいと感じる人もいるでしょう。
今回はアパートの1階と2階のメリット・デメリットを挙げながら、特徴を比較していきます。
賃貸物件を探す2階以上の物件
アパート1階のメリット・デメリット

一般的には、アパートの1階よりも2階のほうが人気は集まりやすい傾向があります。しかし、1階にも2階にはないメリットがあるため、きちんと把握しておくことが大切なのです。
まずは、1階のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
1階のメリット
- 家賃が安くなりやすい
- 階段やエレベーターを使う必要がない
- 階下への足音を気にしなくて済む
- 専用庭が使える可能性がある
1階のメリットは、何といっても2階と比べて家賃が安い場合が多いところです。
物件によっては、同じ間取りや設備でも、2階と5,000円近くの差が出ることもあるため、見逃せない魅力のひとつだといえます。
また、階段やエレベーターを使わずに外へ出られるため、荷物の搬入や引越しが楽な点もメリットです。毎日の買い物やゴミ出しなど、1階の利便性を感じられる場面は少なくありません。
見落としがちなメリットとしては、階下への騒音を気にせずに済む点が挙げられます。足音も騒音トラブルの原因となる集合住宅においては、ほかの階にはない魅力となります。
1階のデメリット
- 日当たりや眺望に恵まれない
- 防犯性やプライバシーが気になりやすい
- 外からの騒音による影響を受けやすい
- 虫が侵入しやすい
1階はほかの建物の影に隠れてしまい、日当たりや眺望に恵まれないケースがあります。都心部などの住宅密集地では、冬場に太陽の光が入らず、寒いと感じられてしまうことも。
また、上階と比べると庭や窓側への侵入が容易であるため、防犯性やプライバシー面に不安を感じやすいといえます。
特に女性の場合は、室外に洗濯物を干しにくいなど、不便を感じる場面も少なくありません。
さらに、立地条件によっては、虫との遭遇リスクが高まったり、室外の音が聞こえやすく、車の通行音や人の声、物音などが不快に感じられたりすることもあります。
セキュリティ・防犯対策が充実した物件こんな人におすすめ! 1階に適している人の特徴

自分が1階に適しているかどうか、ここでは1階に向いている人の例を紹介します。
家賃を抑えたい男性
1階は防犯性などに不安を感じやすいことから、どちらかといえば男性のほうが向いているといえます。
虫などもあまり気にならないようであれば、1階は家賃を抑えながら好立地に住める魅力的な選択肢になり得ます。
自分の出す生活音を気にしたくない人
階下への足音を気にせずに済む点から、自分の出す生活音をあまり気にしたくない人にも適しています。
特に、部屋の中を走り回ってしまうような小さな子どもがいる世帯にとっては、むしろ住みやすいと感じるケースがあります。
庭を広く使いたい人
物件によっては、1階の入居者が専用庭を利用できるところもあります。
庭があれば、家庭菜園を楽しんだり、天気の良い日には椅子を置いてくつろげるスペースにしたりといったさまざまな活用が可能です。
ただ、専用庭といっても、室内とは違って共用部分にあたるため、制限なく自由に使用できるわけではありません。
災害時の避難経路として通れるようにしなければならないなど、物件によって許可される範囲は異なるため、管理規約を細かくチェックしておくことが大切です。
庭付き・庭のある物件 家賃・賃料7万円以下の物件アパート2階のメリット・デメリット

続いて、アパートの2階のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
2階のメリット
- 風通しや日当たりが良い
- 虫の侵入リスクが低い
- 防犯面の安心感がある
2階は1階と比べて風通しや日当たりが良いため、湿気がこもりにくく、洗濯物なども快適に干すことができます。
また、1階よりも虫の侵入リスクが低く、はって移動するようなアリやムカデといった虫に遭遇する場面が少なくなります。
防犯性については、高さがある分だけ1階よりも防犯性に優れています。ただ、侵入経路となるようなものがあれば簡単に入れてしまうなど、リスクがまったくないわけではありません。
そのため、1階に住むのと同じように、防犯対策は意識しておくことが大切です。
2階のデメリット
- 家賃が高くなりやすい
- 移動や搬入に手間がかかる
- 階下への配慮の必要性が生まれる
2階は快適な生活を送れるメリットが多いことから、人気が集まりやすく、1階よりも家賃が高い傾向にあります。
そのため、1階と同じ家賃に抑えるためには、立地や設備、間取りといった条件を妥協しなければならないケースもあります。
また、1階よりも移動や搬入が大変になってしまうところや、足音を気にしなければならない点はデメリットです。
物件の防音性能によっては、椅子を引きずる音にも気を配る必要があるなど、配慮すべきポイントは増えてしまいます。
2階以上の物件こんな人におすすめ! 2階に適している人の特徴

2階に適しているのは、家賃よりも優先したいポイントがある人だといえます。ここでは、2階に向いている人の例を見ていきましょう。
防犯性が気になる人
1階よりも安心感がある2階は、防犯性が気になる人に向いているといえます。
ただ、玄関側の侵入のしやすさを考慮すると、オートロックなどのセキュリティ設備が整った物件を選ぶことも重要です。
セキュリティ設備の充実した物件は、家賃が高くなりやすい傾向があるため、階数と設備のどちらを優先すべきかを判断しなければならないケースもあります。
荷物が少ない人
普段から荷物が少ない人は、2階のデメリットをそれほど感じることなく生活できます。買い物やゴミ出しなどもまとめて行うようにすれば、移動の不便さを感じる場面もあまりないでしょう。
虫が苦手な人
虫が苦手な人にとっては、1階よりも2階のほうが住みやすいと感じる可能性があります。ただ、下の階が飲食店などになっていると、2階でも害虫の被害を受けやすくなってしまいます。
そのため、周辺の立地にも目を向けたうえで部屋探しをすることが大切です。
セキュリティ・防犯対策が充実した物件どうしても2階がいい…費用を抑えて2階の部屋に住む方法

2階は1階よりも家賃が高いことが多いため、賃料を抑えようとすると理想的な物件が見つからない可能性もあります。
どうしてもコストを抑えたいに場合には、初期費用に目を向けてみるといいでしょう。
ここでは、初期費用を抑えられる物件とそうでない物件のコストについて、シミュレーションを行いながら比較していきます。
初期費用を抑えるメリットは大きい
今回比較するのは、以下のケースです。どちらも立地や設備・間取りなどの条件は同じで、階数の違いによって家賃の差が生まれていると考えてみましょう。
アパートA:1階(家賃6万5,000円で敷金・礼金・仲介手数料1ヶ月)
アパートB:2階(家賃7万円で敷金・礼金なし、仲介手数料0.5ヶ月)
なお、アパートBの場合は、敷金がかからない分、清掃費として4万円を計算に入れます。また、どちらも管理費や鍵の交換代、火災保険料などは考慮に入れません。
それぞれに2年間入居した場合で計算し、最終的にかかるコストを確認してみましょう。
アパートA | アパートB | |
|---|---|---|
家賃 | 6万5,000円×24ヶ月=156万円 | 7万円×24ヶ月=168万円 |
敷金 | 6万5,000円 | ― |
礼金 | 6万5,000円 | ― |
仲介手数料 | 6万5,000円×1.1(消費税)=7万1,500円 | 3万5,000円×1.1(消費税)=3万8,500円 |
清掃費 | ― | 4万円 |
合計 | 176万1,500円 | 175万8,500円 |
あくまで一例ではあるものの、2年間入居する費用を比較した場合には、家賃が高いはずのアパートBのほうが安く済むことが分かります。
そのため、単に家賃だけを比較するのではなく、初期費用や住む期間なども考慮し、トータルコストを計算してみることも重要なのです。
敷金礼金0(ゼロ・なし)物件1階と2階の違いを理解して自分に合った物件を見つけよう
- 1階は家賃の安さや移動のしやすさがメリットだが、防犯面の不安や虫が出やすいといったデメリットもある
- 2階は日当たりや風通しが良い一方で、階下への配慮や家賃が高くなりやすい点はデメリット
- 家賃だけではなく、トータルコストを考えて部屋探しをすることが大切
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