賃貸物件を探すとき、「オートロックが付いていること」が条件の一つである人もいるでしょう。しかし一言で「オートロック」といっても、いくつかの種類に分かれることをご存じでしょうか。

この記事では、オートロック設備が付いている賃貸物件について、オートロックの種類やメリット、注意点などをご紹介します。気に入った物件にオートロックが付いていない場合に利用できる、そのほかのセキュリティ設備についても併せて解説します。

オートロック付き物件

 

集合住宅となる賃貸アパートやマンションで、建物のエントランスにドアが設置されている物件があります。このエントランスドアに設置されている鍵が閉まるときに自動的に施錠されるのが、「オートロック」と呼ばれるセキュリティシステムです。

オートロック付き物件

オートロック

 

オートロック設備には、大きく分けて以下の5つの種類があります。ここではそれぞれの特徴について解説していきます。

 

集合タイプでは、各住戸の個別キーがエントランスのオートロック解錠キーを兼ねています。賃貸に限らずオートロックが付いている物件ではこの集合タイプが一番多くあります。ただし、複製されるリスクもあるため、安全性は期待するほど高くないと考えておいたほうが無難かもしれません。

 

カードやキーに内蔵されたICチップを、リーダー(読み取り機)に近づけてオートロックを解錠するタイプです。キーはカバンに入れたままでも解錠でき、接触を必要としませんので、住人にとってはとても便利なキーシステムといえます。

 

非接触タイプのICカードキーの場合には、対応機種のスマートフォンを鍵代わりにすることも可能です。

 

鍵の代わりにカード型のキーとなっていて、複製が難しいタイプです。カード内に組み込まれた磁気部分を読み取って解錠しますので、適当に暗証番号を入れるといった手段にも使えず、防犯性は高いです。

 

磁気カードキーは持ち歩きに便利ですが、他の種類の磁気カードと重ねて保管すると壊れることがありますので、注意しましょう。

 

エントランスのドア手前にテンキーのある設備が設置されており、あらかじめ決まっている暗証番号を入力するとオートロックが解錠されるタイプです。カードやキーなどを持ち歩く必要はありませんが、暗証番号を忘れたり分からなかったりする場合には、エントランス内への入場ができません。

 

注意点としては、セールスマンなど住人以外の人が後ろにいた場合、背中越しに暗証番号を盗み見される可能性があること。また、全住戸の住民がエントランスの暗証番号として同じものを使っている場合、防犯性は低くなってしまうことが挙げられます。

 

認証機器が高額なため、主に高級マンションで採用されています。エントランスドアの手前に指紋読み取り用のセンサーが設置されており、そこに指をかざします。住人本人であることを証明することで、オートロックの解錠が可能となるハイスペックなオートロック機能です。

 

ただし、指先が汚れていたり、肌荒れなどがあったりすると、センサーがうまく読み取れずにオートロックを解錠できないこともあります。

 

指紋認証タイプは複製リスクが低く、カードやキーが不要というメリットがあります。

セキュリティ・防犯対策が充実した物件 オートロック付き物件

オートロック付きの物件

 

ここではオートロックが付いている賃貸物件に住んだ場合に得られる具体的なメリットについてご紹介します。

 

オートロックのそもそもの目的は、住居スペースに知らない人を入れないところにあります。オートロック付きの賃貸物件であれば、基本的に住人や大家さん、または管理会社の人しか住居スペースに入ることができないようになっていますので、空き巣対策になります。

 

また、ストーカー被害の予防にもなりますので、オートロック付き物件を希望する女性入居者は多いです。

 

住人と無関係な人が住居スペースに入れないということは、セールスや勧誘が部屋の玄関前まで来ることもありません。このような突然の訪問には、エントランスに設置されているインターフォンからの呼び出しで応対することになるため、事前に確認できたり、断りやすくなったりするでしょう。

 

相手の様子を確認することができる「カメラ付きインターフォン」を利用すると、より安心できます。

 

一番のメリットは、やはりなんといっても「安心感」です。

 

空き巣などの侵入者にとってオートロック付きの集合住宅とは、玄関ドアの解錠に挑戦する前に、エントランスのオートロックを突破しなければならないという手間があります。そのため、空き巣を狙う侵入者は、オートロック付き物件を避ける傾向があるようです。

 

ただし、安心感から防犯対策を怠ってしまうと意味がありませんので、注意しましょう。

オートロック付き物件

オートロック付き物件

 

メリットが多い印象のあるオートロック付きの賃貸物件ですが、実際に住む場合には以下の3つの点に注意してください。

「オートロックの種類」でも説明しましたが、場合によっては住人の後にそのまま続いて、住人以外の人も簡単に侵入できてしまう危険性があります。オートロックが付いているからといって、100%安全とは言い切れません。

 

オートロック付きの賃貸物件に住んでいる場合でも、外出時には窓を開けっぱなしにしない、オートロックを解錠する際は後ろに人がいないことを目視で確認するなど、自発的にできる範囲で防犯対策をしましょう。

オートロック付きの賃貸物件は、付いていない物件よりも家賃が高めであることが多くあります。特に鉄筋コンクリート(RC)造のマンションは木造住宅よりも家賃が高いことが多いので、オートロック付きの場合は、さらに家賃が高くなります。

 

したがって、オートロック付きのマンションに住むためには、家賃の予算を高めに設定しておく必要があります。

オートロック機能付きの賃貸物件では、鍵やカードキー、鍵代わりのスマホを忘れて外出した場合、帰宅時にオートロックを解除できません。オートロックは扉が閉まると同時に自動ロックされますので、鍵を持ち忘れたり紛失したりしてしまうと、締め出されてしまいます。

 

また、スマートフォンを鍵代わりにしている場合、電池切れを起こした状態ではオートロック解除の役目を果たしませんので、電池残量を気にしておく必要があります。

オートロック付き物件

防犯カメラ

 

賃貸物件を探していて、広さや立地などが好みの物件にやっと出合えたとしても、その物件のエントランスにオートロックが付いているとは限りません。そのようなときは、以下の4つの設備が付いているかどうかでセキュリティの高さを判断しましょう。

 

エントランスや共有廊下などに防犯カメラが設置されていると、不審者の侵入や郵便物の盗難などを防止できます。画像を犯罪の証拠として使うことも、もちろん可能です。

 

アパートよりも住戸数の多いマンションでは、共有部分の管理のためにマンションのエントランスに管理人が常駐していたり、1階部分に管理人が住んでいたりするケースが多いです。

 

このように、人の目が常にエントランスを捉えている物件では、犯罪予防効果が高くなります。

 

空き巣の最終突破場所となるのは個室玄関ドアです。そのため、個室玄関の鍵がディンプルキーやカードキーなどの複製しにくいタイプであれば、防犯性は高いといえるでしょう。

 

セキュリティ会社に加入している賃貸物件は、そのステッカーだけでも防犯効果が期待できます。もしもの緊急時には、警備員が駆けつけてくれますので安心です。

セキュリティ・防犯対策が充実した物件

オートロック付き物件

 

オートロック付きの賃貸物件といっても、その種類はさまざまです。それぞれのメリット・デメリットをよく知り、自分に合った種類の物件を見つけてください。また、オートロック以外でも防犯性の高いセキュリティ設備はありますので、併せて確認しておくとよいでしょう。

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