夫婦と子ども2人といった4人家族では、子どもの成長に合わせて、だんだんと部屋の広さが気になっていくものです。

小さいうちは狭い部屋で事足りていても、子どもが大きくなるにつれて今よりも広い部屋への引越しを検討し始める人も多いでしょう。

今回は60平米という具体的な例をもとに、4人家族に適した物件の広さについて解説していきます。
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60平米

 

60平米の広さについて具体的なイメージをつかむためには、専有面積の計算方法や実際の間取りについて理解しておく必要があります。

 

ここでは、専有面積に含まれる箇所や、60平米の間取りの具体例をいくつか見ていきましょう。

 

不動産情報の表示については、専有面積に含まれるものとそうでないものがあり、正しく理解しておくことが重要です。専有面積とは、居室やキッチン、バス・トイレ、廊下、クローゼットなどといった室内のスペースの合計を指します。

 

一方でバルコニー(ベランダ)や玄関ポーチといった「共用部分」にあたるところは、専有面積に含まれません。また、ロフトや床下収納、ガスメーターボックスなども専有面積には含まれないため注意が必要です。

 

同じ60平米の物件を比べても、つくりによって実際の広さには多少の違いがあることを理解しておきましょう。

 

広さの計算方法については、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」においてルールが定められており、「1畳は1.622平方メートル(平米)以上」で換算することとなっています。

 

畳のサイズは日本全国で統一されているわけではなく、地域によって若干のバラつきがあるものの、1畳を1.62平米で換算をすると60平米は約37畳となります。

 

ただ、37畳の専有面積には水回りや廊下の面積も含まれているため、丸ごと居住や収納のスペースに充てられるわけではありません。

 

水回りの広さや部屋のつくりによっても異なるものの、60平米は2LDK~3LDKくらいの間取りとなるケースが多いといえます。それぞれの間取りを例に挙げて、実際の広さを確認してみましょう。

 

3LDKであれば、9畳のLDK(リビングダイニングキッチン)、6畳の洋室が2つ、5.5畳の洋室が1つといった間取りがイメージできます。リビングはやや狭くなってしまうものの、子どもそれぞれの部屋、夫婦の寝室の確保が可能です。

 

一方2LDKであれば、部屋数が少なくなる分、LDKは広くなります。残りの2部屋を子どもそれぞれの部屋として使うか、一方を夫婦の部屋として使うかは検討が必要なポイントです。

2LDKの物件 3LDKの物件

 60平米での生活モデルケース

 

国土交通省は「住生活基本計画」において、世帯人数に合わせた居住面積の具体的な目安を示しています。

 

ここでは、その数字を基に、60平米の物件に夫婦と子ども2人の4人家族で住む具体的なイメージを深めていきましょう。

 

住生活基本計画によれば、4人家族にとって生活に必要不可欠な居住面積は50平米とされています。また、多様なライフスタイルに合わせた住生活を実現するのに必要な面積は都市部で95平米、郊外や地方での一戸建て住宅では125平米です。

 

こうした目安と比較をしてみると、60平米は豊かな生活を送るうえではやや狭いといえるものの、必要不可欠な居住面積は十分に満たしていることが分かります。工夫次第では、4人家族でも快適な生活が送れる広さだといえるのです。

 

なお、子どもの成長にしたがって必要な居住面積も増えるのが一般的であるため、住生活基本計画では年齢ごとの目安も示しています。

 

3歳未満は0.25人、3~6歳は0.5人、6~10歳は0.75人として換算され、年齢の加算にともなって世帯人数が増えていく仕組みです。

 

60平米で2LDKであれば、広いリビングを確保できる一方で、部屋割りについては具体的な検討が必要です。

 

たとえば、子どもそれぞれに部屋を用意するためにゆくゆくは夫婦の寝室を削る、子ども部屋を1つにして、もう1つの部屋を家族全員の寝室にするといった方法が考えられます。

 

3LDKと比べてリビングが広いため、リビングの一部を収納スペースとして使用したり、簡単な仕切りを置いて作業用スペースをつくったりすることも可能です。リビングの使い方が大きなポイントとなるため、事前にある程度のイメージを持っておきましょう。

 

3LDKであれば、部屋数は十分にあるため、部屋割りについて頭を悩ませる場面は少ないといえます。また、子どもが小さいうちは、空いている部屋を書斎や仕事部屋として使うことも可能です。

 

ただ、LDKはそれほど広い面積がとれないため、生活の動線を考えたうえで物件探しを行うことが大切です。

 

ダイニングテーブルや椅子、ソファの大きさなど、家具のサイズによっては窮屈に感じられてしまう場合もあるため、必要に応じて買い替えなどを行う必要もあります。

 

・国土交通省のデータによると、4人家族に必要な居住面積は50平米以上とされている

・60平米は工夫次第で十分に快適な生活が送れる広さだといえる

・60平米は水回りや廊下などを含めて、2LDK~3LDKの間取りが想定できる

・2LDKの場合は広めのリビングを効率的に使ったり、部屋割りなどを細かく検討したりすることが重要

・3LDKの場合は部屋割りに悩む場面は少ないものの、生活動線を考えてリビングを使うことが大切

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