「楽器相談可」物件の意味とは

 

まずは「楽器相談可」という条件の意味を理解しておきましょう。「楽器相談可」物件とは、通常の物件ではありますが、「大家さんの好意で楽器の演奏を許可されている物件」です。

 

また、空室リスクを避けるために「楽器相談可」という条件を後付けした物件もあります。楽器の演奏を考慮して建てられた物件ではないので、防音性に優れているわけではありません。

「楽器相談可」と「楽器可」は何が違う？

 

楽器が演奏できそうな物件を探していると、「楽器相談可」と「楽器可」という2種類の条件を目にするでしょう。

 

この用語の違いは、「防音性の高さ」を示しています。基本的に「楽器相談可」の物件は通常の物件ですが、「楽器可」の物件は楽器の演奏を前提に建てられている防音性に優れた物件です。

 

さらに「楽器可」の物件は、「楽器防音物件」と「楽器遮音物件」の2つに分類されます。

 

一般的な特徴をまとめると以下のとおりです。

 

	防音性	演奏可能時間の制約	その他
楽器防音物件	ほぼ完全防音（◎）	24時間可能	家賃が高い傾向
楽器遮音物件	高め（○）	時間帯が決められている	音の大きい楽器は不可の場合もあり

楽器可（相談）物件 カスタマイズ可の物件

「楽器相談可」物件に入居する際の注意点

 

「楽器相談可」物件だからといって、好きな楽器を好きな時間に演奏していいというわけではありません。3つの注意点について説明していきます。

すべての楽器が演奏可能なわけではない

 

「楽器相談可」という条件では、楽器演奏を許可すること自体が大家さんの好意によるものなので、どんな楽器でも演奏OKとはなりません。

 

近隣への配慮も考え、大家さんによって許可している楽器の種類は異なるので、事前に確認しておきましょう。

演奏可能な時間帯が決められている可能性が高い

 

「楽器相談可」の物件は、通常の物件と同じつくりなので、楽器によっては演奏の際に周辺へ音が響いてしまう可能性があります。そのため、近隣住民に迷惑がかからないような時間帯にのみ、演奏が許可されている場合が多いでしょう。

防音性に優れているとは限らない

 

すでに説明したとおり、あくまでも通常の物件と同じつくりの建物なので、「楽器相談可」物件であっても防音性に優れているわけではありません。

 

大家さんに決められている演奏時間帯をきちんと守っていたとしても、音漏れにより近隣住民とのトラブルが発生する可能性はあります。

 

逆に、他の部屋から聞こえてくる演奏音により、自分も音が煩わしく感じる可能性もあるでしょう。

「楽器相談可」物件の探し方

 

通常の建物では騒音トラブルが発生する可能性があることから、「楽器相談可」の物件数はそれほど多くありません。

 

それでも楽器演奏や歌唱などの相談ができる物件を探したいという人は、以下の3つの方法がおすすめです。

音楽大学付近で探す

 

音楽大学の周りには、そこへ通学する学生をターゲットにした物件があります。東京では上野、立川、玉川上水など、大阪では梅田、四天王寺、庄内といったエリア周辺を探してみましょう。

 

楽器や歌唱の練習が必要な学生が多い地域では、その需要に合わせて「楽器相談可」の物件もある程度見つけられます。

LIFULL HOME’S「楽器可（相談）の物件特集」で探す

 

住宅情報サイトLIFULL HOME’Sのホームページでは、たくさんのこだわり条件で物件を探せるほか、さまざまな物件特集も組んでいます。「楽器可（相談）の物件特集」もありますので、ぜひご活用ください。

不動産会社に相談する

 

数自体が少ない「楽器相談可」の物件を探すには、プロの手を借りるのもおすすめです。自分の力では無理な場合は、不動産会社へ電話もしくは直接店舗へ出掛けたりして相談しましょう。

 

「楽器相談可」の物件をお願いする際は、どんな楽器を演奏したいのか、どのくらいの音量になるのかといった情報を伝えると、不動産会社側も物件選びがしやすくなります。

楽器可（相談）物件 大学名から賃貸を探す

「楽器相談可」物件を内見する際のチェックポイント

 

「楽器相談可」の物件に出合えたら、いよいよ内見です。文字による物件情報だけでは分からない部分もあり、以下の3つの項目をチェックするためにも、実際に内見をして自分の目で確かめましょう。

音の反響

 

楽器を演奏する予定の部屋で、真ん中に立ちます。そこで手をたたいてみましょう。簡易的なものですが、手をたたいたときの音が自分にどのくらい跳ね返ってくるかで防音性を判断できます。

 

大きく跳ね返れば、ある程度の防音性が期待できますが、音の跳ね返りをあまり感じられなければ、音が外に漏れていることになります。

壁の防音性

 

部屋の内壁を数回ノックしてみると、音の重さで壁の厚みを測れます。RC（鉄筋コンクリート）造の物件は、壁が音を吸収してくれるため、ある程度の防音性が期待できます。

 

軽い音の場合は石こうボードであることが多く、音が隣まですり抜けていってしまう可能性が高く、防音性が低いといえるでしょう。

窓の防音性

 

意外と気づきにくいのが、窓の防音性です。二重サッシや複層ガラスなどが設置されている部屋は、音が漏れにくく、外の音も聞こえにくいため、楽器演奏時の防音性も高いでしょう。

 

サッシの見た目だけで判断するよりは、不動産会社の担当者か同行者に窓のそばに立ってもらい、自分は一度外へ行って、中の人に手をたたいてもらいます。

 

そこで音の聞こえ方、大きさを確認してください。このように窓の防音性を確認するのも、大切なポイントです。

まとめ

 

楽器演奏や歌唱など、大きな音を出す必要がある人は、「楽器相談可」もしくは「楽器可」の物件を探しましょう。

 

物件数が少ないため、探すのは大変ですが、紹介した3つの方法でトライしてみてください。騒音で近隣トラブルを招かないように、物件選びは慎重に行いましょう。

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