一人暮らし用の物件を探すうえで、ワンルームよりも少し広い部屋に住みたいと考えている人の選択肢となるのが1LDKです。

ここでは1LDKの特徴について、よく混同しやすい1DKの間取りと比較しながら見ていきましょう。

1LDKの物件あなた専用!引越しまでのやることリスト

一人暮らし

 

そもそも1LDKとは、1つの居室と「リビング・ダイニング・キッチン」で構成される間取りのことを指します。

 

広さがある分、一人暮らし向けの間取りであるワンルームや1K、1DKと比べて賃貸物件の家賃は少し高めに設定されているケースが多いといえます。

 

レイアウトによっては寝室とそれ以外の部分を分けることができるので、生活にメリハリをつけられるのもポイントです。

 

1DKとは、1つの居室と「ダイニング・キッチン」を組み合わせた間取りを指します。

 

1LDKとの違いは部屋の広さで、「首都圏不動産公正取引協議会」の基準によれば、1LDKは居室以外のスペースが「8畳以上」、1DKは「4.5畳以上8畳未満」となっています。

 

そのため、1DKと比べると1LDKの物件の方が部屋が広く、快適に生活しやすいでしょう。

DKおよびLDKの最低必要な広さの目安となる基準

居室数

DK

LDK

1部屋

4.5畳

8畳

2部屋以上

6畳

10畳

※もし、「4.5畳未満」の場合であれば、1Kの表記となります

1LDKは一人暮らしには十分な広さ

 

LDKとDKの違いを把握したら、次は部屋の広さについて押さえておきましょう。

 

国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」という資料では、世帯の人数ごとに、必要な広さの目安が次のように示されています。

 

必要な面積(平米)

単身世帯

2人世帯

3人世帯

最低居住面積水準

25

30

40(35)

誘導居住面積水準(都市型)

40

55

75(65)

誘導居住面積水準(一般型)

55

75

100(87.5)

※( )内は3~5歳児が1名いる場合

 

「最低居住面積水準」とは、健康で文化的な生活を送るために必要不可欠な面積の水準です。

 

それに対して、「誘導居住面積水準」とは、多様なライフスタイルに合わせてゆったりと過ごせる広さを示しています。そのうち、都市型は都市部でのアパートやマンションといった共同住宅での生活、一般型は郊外での一戸建て生活を想定した広さです。

 

上記の表によると、一人暮らしの単身世帯では、「25~55平米」ほどあれば快適に生活ができることが分かります。

 

1LDKの基準は、1つの居室と8畳以上のリビング・ダイニング・キッチンがある部屋と決められているだけなので、広さは物件によって異なります。

 

実際にLIFULL HOME’Sで、東京23区の1LDKの広さを調べたところ、次のような結果になりました。

 

東京23区の1LDK…専有面積別(2022年7月時点)

20平米以下

7件

20~30平米

626件

30~40平米

8,737件

40~50平米

1万4,006件

50~60平米

2,486件

60平米以上

835件

上記から、1LDKの多くが30~50平米程度の広さを持っていることが分かります。

 

先ほどの国土交通省の水準に照らし合わせると、一人暮らしに最低限必要な広さだけでなく、余裕を持った暮らしを叶えられる広さも確保しやすいでしょう。

 

ただし、広さだけで住まいを選んでしまうと、後から悔やむこともあります。

 

自分が住みたいと感じる物件の間取りやキッチン、水回りなどの位置によっても住みやすさが変わるので、しっかりと内見を行って実際の生活を具体的にイメージしておくことが大切です。

 

1LDKの物件 一人暮らしにぴったりな物件

一人暮らしで1LDKに住むメリット

 

1LDKの最大の特徴は、広いリビングスペースを確保できる点にあります。

 

少なくとも壁で仕切られていない部屋が8畳以上あるため、自由に家具などを配置することが可能です。広さがある分、友人を家に招きやすくなる点もメリットです。

 

また、収納スペースについても確認しましょう。リビングスペースが広くても収納がなければ、部屋に収納のための家具を置くことになってしまいます。収納スペースがあれば、部屋を有効に活用できるでしょう。

一人暮らしで1LDKに住むデメリット

 

部屋の広さに余裕があるからこそ、1LDKの物件には注意点もあります。部屋が広く、掃除をする箇所が増えてしまうので片づけに時間がかかるでしょう。

 

また、部屋が広い分だけ、どうしても光熱費がかさんでしまう面もあります。特に、冷暖房費は部屋の大きさが影響するため、注意しておくことが大切です。

 

光熱費などの出費を抑えるためには、物件の構造だけでなく、内見の際に日当たりや物件の方角なども確認しておきましょう。

 

1LDKのメリットとデメリットを知ったうえで、自分のライフスタイルに合った部屋を探すことが大事です。そのうえで、1LDKの物件に住むのが向いている人を見ていきましょう。

 

自宅で仕事をする機会が多い人にとっては、寝室と仕事のスペースを分けられることが利点になります。気分を切り替えたいときは寝室へと向かい、リラックスすることで仕事や生活上のメリハリをつけられるでしょう。

 

おしゃれな雰囲気を楽しみたいなら、広いスペースに少し大きめの観賞植物やライトを置いてみましょう。部屋の雰囲気がガラッと変わります。

 

ゆとりのある間取りだからこそ、将来的に2人で暮らす予定のある人にも適しています。間取り的に生活スペースや収納も確保できれば、2人で暮らすのも問題はないでしょう。

 

しかし、気をつけておきたい点として、お互いのプライベートを守ることが挙げられます。2人で暮らす場合には、それぞれの好みや生活スタイルに合わせて部屋の間取りを決めて、ストレスがたまらないように工夫しましょう。

 

1LDKの物件 新婚・同棲にぴったりな物件

 

1LDKに多い間取りを5つピックアップし、それぞれの特徴について紹介します。

間取り図

専有面積が35平米ほどの1LDKの中では比較的コンパクトで、広めの一人暮らしに適した間取りです。

 

LDKの奥で寝室がつながっているため、扉を開けると広いワンルームとして使用することもできます。空間がつながっていることで、光熱費を抑えることができ、経済的な間取りといえそうです。

 

LDKはレイアウトを考えやすい長方形。小さめのダイニングテーブルのセットと、小ぶりのソファなどを置くことができます。壁が一方向にしかないので、本棚などの家具を複数置くのには適していません。

間取り図

廊下を挟んで風呂やトイレ、寝室が分かれている間取りです。1LDKでは比較的よく見られるタイプで、使い勝手のよいオーソドックスな間取りとなっています。

 

単身者でもこちらのタイプは完全にプライベート空間を分けることができるため、来客がある場合も安心です。

 

また、寝室とほかの部屋の間に廊下があるため、生活音を気にせず風呂に入ったり、テレビを見たりすることが可能で、生活リズムが異なるカップルや夫婦でも暮らしやすいでしょう。

間取り図

部屋の中心に間仕切りがあり、奥に寝室があるタイプです。縦長の間取りで、LDK部分には窓がありません。

 

採光の関係上、寝室との間の仕切りがオープンにできるものや、光が通るような素材となっているケースが多いため、完全に寝室を分けたい人には不向きな間取りといえそうです。

 

日中は外出していて、部屋に帰るのが夜だけなど、採光をそこまで気にする必要がない場合は、こちらのような間取りでもあまり気にならないかもしれません。

間取り図

リビングの奥に寝室があり、浴室はその奥に配置されている間取りです。寝室を利用する人しか洗面所を使用することができませんが、泊まりのお客さんなどが来ない場合は特に問題ないでしょう。

 

リビングが広く、ダイニングテーブルやソファなどの他にも家具を置けます。収納も充実しているため、部屋をすっきりと見せ、快適に暮らしやすいでしょう。

 

45平米ほどの広さがあれば、間取りやデザインから、カップルやDINKSなどの夫婦におすすめの部屋といえるのではないでしょうか。

間取り図

こちらは1LDKですがファミリー用に設計され、特に家事の利便性に重点を置いた間取りが特徴的です。

 

まず、玄関からキッチンに直行できるため、買い物したものをすぐにキッチンへ入れることができます。さらにキッチンが玄関から丸見えにならないように扉がついているのもうれしい配慮です。

 

キッチンから脱衣所へのアクセスが容易で、脱衣所から寝室にも行けるようになっています。一般的に、このような回遊性のある間取りは一戸建て住宅に多く、使い勝手の良いプランといわれています。

1LDKの家賃相場

 

1LDKは、一人暮らしの部屋としては広めなので、家賃が比較的高めに設定されている点に注意が必要です。

 

ここでは、LIFULL HOME’Sの「家賃相場」を使って2022年7月時点、東京の主要エリアの1Kと1DK、1LDK、2Kの家賃を比較してみましょう。

エリア

家賃相

1K

1DK

1LDK

2K

都心部

新宿区

9.97万円

13.23万円

17.88

12.65万円

渋谷区

10.59万円

15.03万円

21.96

15.59万円

港区

11.46万円

14.78万円

22.89

15.70万円

区東部

足立区

7.07万円

8.19万円

11.24

7.51万円

江戸川区

6.94万円

8.18万円

10.72

8.48万円

江東区

9.30万円

11.17万円

15.46

10.41万円

区西部

世田谷区

8.65万円

11.22万円

14.87

10.63万円

中野区

8.68万円

10.81万円

14.67

11.59万円

目黒区

9.92万円

13.15万円

17.29

10.49万円

市部

武蔵野市

7.75万円

10.37万円

14.49

9.91万円

立川市

6.18万円

7.82万円

11.11

7.36万円

八王子市

5.35万円

6.54万円

9.44

6.49万円

東京の都心部で1LDKを借りる場合、20万円前後が家賃相場となっています。しかし、対象エリアを東部や市部にまで広げてみると、家賃を少し抑えながら広い部屋に住むことができます。

 

広い場所に住みたいと考えている場合、1LDKにこだわらず2Kの部屋などを探してみてもいいでしょう。選択肢が広がり経済的な部分でも余裕が生まれます。

1LDKの物件 家賃相場を調べる

更新日: / 公開日:2020.03.09