賃貸物件の床の種類には、畳とフローリングの2種類があります。
人気が集まりやすいなどの理由から、築年数の浅い物件ではフローリングが主流になっているものの、実際はそれぞれにメリットとデメリットがあるのです。
今回は、畳とフローリングの特徴の違いについて解説していきます。それぞれのメリットとデメリットを理解して、生活スタイルに合った物件を見つけてください。
賃貸物件を探すフローリングのある物件
断熱性の高さが魅力! 畳のメリットとデメリット

畳は古くから日本で使われてきたものであり、床の素材としてさまざまな魅力があります。畳のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット:断熱性や調湿性能に優れている
い草が原料である畳は、材料の一本ずつに空気が含まれており、高い断熱性能を持っています。熱伝導率の低い空気を多く取り込めるため、床下から上がってくる冷気を遮断することができるのです。
また、畳には大気中の水分を吸収したり放出したりする機能もあります。梅雨の時期には、畳が湿気を吸収するため室内の湿度が低く保たれ、乾燥した冬の時期には水分を放出して湿度の低下を防げるのです。
メリット:リラックス効果のあるい草の香り
畳の原料であるい草には、さまざまな芳香成分が含まれています。香りによって、高いリラックス効果が期待できるのも畳の魅力です。
ただし、畳の香りや性質は時間の経過とともに失われてしまうため、年数の経過したものにはあまり効果を期待できません。
畳の表面である「畳表」の交換時期は、およそ10年が目安とされているため、内見のタイミングで確認をしておくといいでしょう。
デメリット:掃除や管理が難しい
畳の部屋のデメリットとしては、メンテナンスの難しさがあげられます。フローリングと比べて汚れがつきやすく、飲み物などをこぼすと染み込んでしまうため、すぐに拭き取らなければなりません。
また、畳の性能を保つためには、定期的な換気と掃除を行うことも重要です。特に汚れやホコリ、汗などの水分を溜め込んだまま放置してしまうと、ダニやカビが発生しやすくなり、劣化を早める原因となります。
賃貸物件を探す カスタマイズ可の物件掃除が楽ちん! フローリングのメリットとデメリット

フローリングは、木質系の材料を使った床材のことを指します。畳とは見た目だけでなく機能的な面でも異なる性質を持っており、きちんと違いを理解しておくことが大切です。
フローリングのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット:掃除がしやすく清潔さを保てる
フローリングの床の大きなメリットの1つは、管理のしやすさだといえます。
畳のような凹凸がなく、ホコリや汚れが入り込むことがないため掃除機で表面のホコリやチリを集めるだけで、簡単にきれいな状態を保つことが可能です。
飲み物や食べ物をこぼしてしまったときにも、染み込む前に簡単に拭き取ることができるため、ダニが発生しづらい清潔な状態を保てます。
メリット:メンテナンスがほとんど必要ない
メンテナンスの必要性が低い点も、フローリングが持つメリットのひとつです。畳は定期的に裏返しや表替え、新調などのメンテナンスが必要となりますが、フローリングは摩耗に強く、材質が劣化する心配はそれほどありません。
フローリングに使われる木材には、さまざまな種類があるものの、構造のうえでは天然の木を加工した単層フローリングと薄くスライスした木を張り合わせた複層フローリングの2種類に分けられます。
単層フローリングは、天然の木が持つ独特の質感や美しさが魅力である一方で、定期的にワックスを塗るなどの一手間が必要となる点に注意が必要です。
ただし、賃貸物件では複層フローリングが使われている場合がほとんどであり、こちらは耐用年数の長さやメンテナンスの手軽さに優れています。
デメリット:足が冷えたり疲れを感じたりしやすい
材質によって多少の違いがあるものの基本的に硬く、クッション性がないため、歩いていて足が疲れやすいといったデメリットがあります。また、断熱性能の高い畳と比べ、冬場は足元が冷えやすい点も大きな特徴です。
畳の部屋では素足で過ごせるような気温でも、フローリングではスリッパを履くなどして、防寒対策が必要な場合もあります。
賃貸物件を探す フローリングのある物件畳の部屋をうまく活用する方法

畳とフローリングにはそれぞれ異なる長所がありますが、今まで和室で暮らしたことがない場合は、畳の部屋をどう活用すればいいのか分からないという方もいるでしょう。
ここでは、畳の部屋を洋室のように快適な空間に変える方法を紹介します。
ベッドを置いてオシャレな寝室にアレンジ
退去時の原状回復費用などの面から、畳の上にベッドを置いても良いものか迷ってしまう人もいるでしょう。
しかし、家具などを置いた跡については、日常生活のうえで生じた「自然損耗」として扱われることが多いため、畳の上にベッドを置くことも可能なのです。
ただし、契約時に「畳の交換費用は借り手が負担すること」となっている場合には、畳の跡に注意が必要となります。心配であれば、事前に大家さんや管理会社に相談をし、トラブルを避けることが大切です。
どうしてもへこみが気になってしまうのであれば、ベッドの下にカーペットを敷いたり、脚のない「フロアベッド」を使用したりする方法もあります。
通気性が気になる場合は、すのこが張ってあるタイプのフロアベッドを選ぶことで対策が可能です。
タイルやカーペットで畳の一部をフローリングに
フローリングの見た目にこだわりがあれば、木の板でできたフロアタイルを畳の上に一枚ずつ敷いていく方法もあります。
接着剤などを使用せず、畳の上に直接敷けるタイプのものもあり、手軽にフローリングのスペースをつくることが可能です。
また、広い範囲をフローリングに変えられるアイテムとして、フローリングカーペットがあります。表面が木でできているカーペットを指し、裏地は布でできているため、畳を傷つけずに敷くことができるのが大きな特徴です。
防虫や防カビ加工されているものも多く、部屋の湿度が高くなり過ぎないように気をつけていれば、ダニやカビの繁殖を防ぐこともできます。
畳とフローリングを検討するうえで押さえておくべきこと
- 畳は断熱と湿度調整に優れている
- 畳は定期的なメンテナンスが必要
- フローリングは摩擦に強く掃除も簡単
- 畳と比べて、フローリングは断熱性が低い
- ベッドやカーペットなどで畳の部屋でも洋室のように使えることも
更新日: / 公開日:2020.02.07










