便利なスマートフォンやタブレットから専用のアプリを使って支払いができるモバイル決済。

政府主導でもキャッシュレスが推進されるなか、賃貸の初期費用や退去費用もモバイル決済できる場合があることをご存じですか?

今回はモバイル決済とは何かを解説していくとともに、賃貸物件の支払いにおけるモバイル決済の状況について説明していきます。
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モバイル決済(スマホ決済)とは

 

モバイル決済はスマホ決済などとも呼ばれ、スマートフォンやタブレットに入れたアプリを使って、購入した物品、サービスなどの支払いをする電子決済サービスの総称です。

 

決済の方法はいくつかの方式があり、非接触の無線通信で決済を行う方式、クレジットカード読み取り機にスマートフォンを接続し、決済端末として利用する方式、QRコードを用いるQRコード決済方式などがあります。

 

では一体どのくらいの人が、モバイル決済を使っているのでしょうか?

 

有限責任監査法人トーマツ「QRコード決済・モバイル決済の利用実態と今後の利用意向に関する調査 2018年」の発表によると、30~50代で20%程度の人がモバイル決済を利用したことがあると答えています。また、年代別では大きな差がなく80%程度の人がモバイル決済について知っており、幅広い世代でモバイル決済が普及しつつあると言えます。

賃貸でもモバイル決済始まる

 

便利なモバイル決済ですが、賃貸物件の初期費用の支払いにも使える場合があります。2018年以降、複数の不動産会社で、それぞれにモバイル決済サービスの導入が始まっています。

 

一口に初期費用といっても、敷金、礼金(最近では敷金、礼金ともにゼロの物件も増えてきていますが、それぞれ家賃の1ヶ月分が多い)、仲介手数料(通常は家賃の1ヶ月分)、火災保険料(1万円~2万円程度)、前家賃(当月分、月半ばからの入居なら次月分も)、保証会社保証料(家賃1ヶ月分)、鍵交換費用(1~2万円程度)などがあり、家賃の4~5ヶ月分が必要になってきます。結構、費用がかかるものですね。

 

また退去費用としては、補修費用(敷金でまかないきれない場合)、ハウスクリーニング費用などがあります。敷金を入れていて、部屋をきれいに使っていれば、逆に敷金が戻ってくる可能性もあります。

 

現在不動産領域で、賃貸借契約において導入が進んでいるのは、主にQRコード決済方式で初期費用を払う方法です。店舗へ契約に出向いた際に、店舗にあるQRコードをスマホで読み取るだけで、支払いが完結します。退去費用は部屋の引渡しをした後のことであり、モバイル決済で支払いのできる会社は一部に限られています。また家賃は毎月支払うものであり、銀行引き落としが中心となっているため、モバイル決済で対応する会社は、今のところほとんどありません。

 

どの会社で、どのような費用が支払えるかは、それぞれ違っていますので、事前によく確認するようにしましょう。

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それでは、モバイル決済サービスで支払いを行うことのメリットは何があるのでしょうか? 賃貸の初期費用の支払いを考えた場合、以下のようなメリットがあります。

現金を持ち歩かなくて済むモバイル決済

 

1. 現金を持ち歩かなくても済む
初期費用を現金で支払うとすると、そのお金を持ち歩かなくてはならないというリスクが発生します。先に述べたように、家賃の4~5ヶ月分と比較的大きな金額ですので、万が一のことを考えると、現金より安全と言えます。

 

2. 振込手数料がかからない
賃貸の管理会社に銀行から振込みをする場合には、振込手数料が発生します。モバイル決済にすれば、こういった振込手数料を節約することができます。

 

3. 振込み忘れがない
銀行振込みを利用する際には、契約した後に送金することになりますが、仕事などが忙しくて、振込みを忘れてしまうこともあります。契約をして、すぐにモバイル決済をすれば、銀行振込みを忘れるといったことがなくなります。

 

4. ポイントがつく
モバイル決済の会社では、現在、その普及のためにポイント還元やキャッシュバックキャンペーンを行っているところがあります。賃貸の初期費用は比較的金額が大きいので、数パーセントでも節約できればうれしいですよね。

 

では反対にモバイル決済のデメリットは何でしょうか?

 

1. 個人情報を登録する必要がある
モバイル決済をするためには、ほとんどの場合利用者としての登録をしなければなりません。個人情報やキャッシュカードの情報を登録することに抵抗のある人もいるのではないでしょうか。

 

2. 紙のレシートが発行されない
モバイル決済の特徴は、紙のレシートが発行されないことです。支払った記録は端末に残るのみですので、領収書等は、管理会社から発行してもらうようにしましょう。

 

モバイル決済サービスを利用する際、どんなことに注意したらよいのでしょうか?

 

1. セキュリティがしっかりしているか
新しくサービスを開始した会社については、特に不正利用等の事例が発生していないか、見極めてから利用することをおすすめします。

 

2. 利用限度額がどの程度なのか
利用限度額は会社によって異なります。本人確認ができていなかったり、銀行口座、クレジットカードとの紐付けができなかったりすると、利用限度額が限られることがあります。賃貸の初期費用は、比較的大きな金額になるので、もしモバイル決済を行う場合は、自分の限度額がどの程度なのか、よく確認しておく必要があります。

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モバイル決済について理解していただけましたでしょうか?

 

今後も賃貸の費用に関してモバイル決済ができる会社は増えていくと思います。便利な上に、振込手数料を節約でき、ポイントの還元も受けられるなら、賃貸借契約の初期費用等をモバイル決済で支払う人も増えてくるでしょう。

 

ただしサービスはまだ始まったばかりですので、安定して運用されるかは見極める必要があります。それでも時代の流れは、キャッシュレスに向かっていますので、賃貸の初期費用の支払いもモバイル決済が主流となる日がくると思います。

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更新日: / 公開日:2019.10.02