不動産物件を探すとき、必ず目にするのが「駅まで徒歩◯分」という表示。物件から最寄り駅までの距離を知る便利な目安になります。でも、歩く速さは人それぞれ違うはず…。

不動産情報における徒歩での所要時間とは、いったいどのように決められているのでしょうか?
また、徒歩での所要時間で物件を比較する際の注意点についても知っておきましょう。

賃貸物件を探す駅まで徒歩5分の便利な物件

徒歩での所要時間の算出ルール

 

不動産情報における所要時間は、大家さんや不動産会社のスタッフが実際に歩いて測っているわけではありません。物件情報を表示する際の共通ルールである“不動産の表示に関する公正競争規約”()によって、算出方法が定められています。

不動産情報における所要時間の算出ルールは、“徒歩1分=道路距離80m”です。
また、80m以下の端数は切り捨てずに1分とします。そのため、たとえ駅のすぐ隣にある物件でも、“駅まで徒歩0分”と記載することはできません。つまり、“駅まで徒歩10分”の物件は、駅までの道路距離が721〜800mであるということになります。

所要時間を算出する際の“道路距離”とは、実際に歩く道のりを示すもので、物件と駅を直線で結ぶ距離ではありません。交通量の多いエリアなどで、車道を横切る横断歩道がなく、歩道橋や地下道などを通る必要がある場合は、その道筋での距離を示す必要があります。
不動産の表示に関する公正競争規約第15条第11号

踏切

 

すべての人が分速80mで歩いているわけではないため、“実際に歩いてみたら表示よりも時間が掛かった”というケースは少なくありません。また、歩く速さの違い以外にも、書類上と実際の所要時間にずれが生じてしまういくつかの原因があります。

徒歩での所要時間の算出の際、信号や電車の踏切については考慮しなくて良いものとされています。しかし、実際の道のりで信号待ちを全くせずに済むケースは少ないのではないでしょうか。また、運行本数の多い路線や駅から近い踏切には、遮断器が下りている時間がたいへん長い、いわゆる“開かずの踏切”もあります。特に毎日の通勤・通学に使う道の途中にそのような踏切がある場合は注意が必要です。

急な階段や上り坂では、歩く速度が遅くなってしまうものですが、所要時間の算出上では特に考慮されていません。それほど急ではないように見える坂道でも、実際に歩いてみると予想以上に時間が掛かることがあります。

所要時間を算出する際に使用する道路距離は、物件の建物の出入り口から目的地の建物の出入り口を起点としています。そのため駅は駅舎の出入り口となり、改札やホームまでの所要時間ではない点に注意が必要です。大きな駅や地下深くにある地下鉄駅では、出入り口から改札・ホームまで数分かかるケースがあります。

 

 

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実際の所要時間を掴むコツ

 

不動産情報の“徒歩◯分”は、あくまでも目安であることが分かりました。それでは実際の所要時間を知るためには、どのような方法があるのでしょうか。

いちばんおすすめの方法は、実際に自分の足で駅と物件の間を往復してみることです。所要時間だけでなく、毎日の暮らしに便利な商業施設があるか、治安は悪くなさそうかといった街の様子も調べることができます。

遠方に住んでいて実際に徒歩で確認するのが難しい場合は、ネットの地図サービスの活用がおすすめです。中には駅までの道のりはもちろん、物件周辺の雰囲気を確認することができるものもあります。

実際に歩く

 

不動産情報における最寄り駅までの“徒歩◯分”は、道路距離から算出したもので、実際の所要時間と必ずしも一致するものではありません。

 

あくまでも距離を示すための目安と考え、賃貸借契約を結ぶ前に一度は実際に歩いてみましょう。道の状況によって“予想以上に時間が掛かった”“思っていたよりも遠く感じなかった”と意外な結果になるかもしれません。

 

まとめ
・徒歩の所要時間は1分=道路距離80mと定められている
・直線距離ではなく実際に通る道のりで算出する
・信号・踏切・坂道・階段は考慮されないので注意が必要
・駅は駅舎の出入り口を起点とするため、改札・ホームまで時間を要することがある
・契約前に一度は実際に徒歩で往復してみるのがおすすめ

 

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更新日: / 公開日:2018.10.04