賃貸物件の中には通常の物件のほかに、特色を持った物件もあり、ライフスタイルや趣味などに合わせて選ぶことができます。特色のある物件は住む人による向き不向きが大きく、暮らしやすさにも違いがあるようです。

デザイナーズや家具家電付き、楽器可、シェアハウスなど、特色がある物件の特徴やメリット、デメリットなどをまとめました。
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デザイナーズ物件は、デザインにこだわって設計した物件のこと。マンションの場合は、「デザイナーズマンション」と呼ぶのが一般的。デザイナーズ物件には明確な定義はなく、有名な建築家が設計した物件に限らず、斬新なデザインでおしゃれな物件はデザイナーズ物件と呼ばれています。デザイナーズ物件は、「デザイン」という付加価値をつけることで、周辺物件よりも高めの賃料設定となっています。

 

デザイナーズ物件のメリットは、なんといっても、おしゃれな暮らしができること。一方、デメリットはデザイン性を優先して設計された結果、住みにくさを感じやすい物件があること。外壁も内壁もコンクリート打ちっぱなしのマンションの場合、断熱施工がされていないため、夏は暑く、冬は寒いことがデメリットです。大きなガラス窓が設置されている場合には、ガラスの面積の多さも外気温の影響を受けやすい要因です。また、ガラス張りの浴室や、トイレと洗面所と浴室が一室となっている空間はおしゃれに見えますが、友人が遊びに来たときに使いにくさを感じることも。キッチンやクローゼットなどの収納が少ない物件が多いのも特徴で、モノが多い人はしまう場所に困るかもしれません。

 

デザイナーズ物件を選ぶときは、自分のライフスタイルを踏まえたうえで、生活のしにくさがないか暮らしを想像してみることが大切です。

 

 

おしゃれなデザイナーズ物件

一般的に、賃貸物件では、ペットを巡るトラブルやペットによる室内の損傷リスクから、ペットを飼うことを禁止しているケースが多いです。ペット可物件には2種類あり、一つはペットと暮らすことを前提につくられた物件です。もう一つは、ペットを飼うことが許可されている物件です。前者はペット共生型とも呼ばれているものです。共用部分にペット用の足洗い場や汚物を流せるペットトイレがあったり、専有部分の室内に汚れにくくひっかき傷に強いクロスや、ペットが滑りにくいクッションフロアが使われたりしているなど、ペットと暮らしやすいようにつくられています。一方、後者は通常の賃貸物件と変わらず、特にペットに配慮した設計はなされていません。ただ、駅から離れている、築年数が経過している、家賃が割高など、何かの条件を妥協する必要のある物件も少なくないようです。

 

ペット可物件であってもペットのしつけは必要であり、室内を損傷されるリスクが高いことから、敷金が高い物件が多いです。また、ペット可物件は数が少ないため、立地条件や築年数、家賃、広さといった条件のすべてにこだわってしまうと、探しにくいことが多いため、希望条件に優先順位をつけて探すとよいでしょう。

 

 

ペット可(相談)物件

賃貸物件の多くは騒音によるトラブルを避けるために、楽器演奏が禁止されています。楽器可の物件は自宅で楽器を演奏したい音大生や音楽関係者などのニーズに応えるもので、物件数が限られていることから、オーナー側にとっては長期間住み続けてもらいやすいことが利点です。

 

楽器可の賃貸物件には、特別な設備は備えられていない物件と防音室としてつくられている物件があり、防音室であっても遮音性能には差があります。24時間演奏可能な物件もありますが、9時~22時までなど演奏時間に制限が設けられているケースもあるようです。また、どんな楽器でも演奏してよいとは限らず、物件によって、「ピアノのみ可」、「ピアノ・弦楽器・管楽器・声楽可」といった形で、演奏できる楽器に制限がある物件も多いことに注意が必要です。また、楽器可の物件は音楽大学の周辺に多いため、希望するエリアで見つからないときは、エリアを広げて探してみましょう。

 

 

楽器可(相談)物件

家具家電付き物件は、生活に必要な家具と家電が備えられている物件で、テレビやエアコン、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、テーブルと椅子、ベッド、カーテンなどが設置されていることが多いです。転勤や大学、専門学校への通学のため、一定期間のみ暮らす単身者からのニーズがあります。

 

家具家電付き物件は、一人暮らしを始める初期費用をおさえられることや、家具や家電を準備する手間を省けることがメリットです。一方で、家具や家電が付いていることで賃料設定が高めであり、好みの家具や家電が選べないこともデメリットになります。家具家電付き物件は、物件によって備えられているものには違いがあるため、何が設置されているか確認するようにしましょう。

 

 

家具付き・家電付きの物件

シェアハウスは一般的に、入居者それぞれの個室があり、リビングやキッチン、トイレ、浴室、洗濯機などを共有して利用する物件です。デザイン性の高いシェアハウスはトレンドにもなっていて、シアタールームや防音室などの設備を備えた物件もあり、人気を集めています。

 

シェアハウスは通常の賃貸物件よりも入居時の初期費用や家賃をおさえられるため、都心の物件でも借りやすいことがメリットです。また、入居者同士での交流を楽しむ人もいます。ただし、浴室などが順番待ちで、好きなときに使えないことがあったり、合わない人がいても交流しなければならなかったりすることがデメリット。シェアハウスによって、共用部分でのイベント開催などを通じた交流が多い物件と、プライベートを重視する物件があるといった違いがありますので、ライフスタイルに合った物件を選びましょう。

 

ルームシェア可の物件

分譲賃貸は分譲マンションの所有者が、賃貸物件として貸し出しているもの。転勤になったため賃貸物件にしているケースと、投資目的で購入し賃貸運用しているケースが多く、物件数は限られています。

 

分譲マンションは賃貸マンションよりも、遮音性が高く、浄水器や床暖房などの設備が充実し、管理人が常駐している物件が多いことがメリットに挙げられます。一方で、賃料設定が高めであり、マンション全体の管理規約がオーナーとの規約以外にあることなどがデメリットです。たとえば、ペットが苦手であっても、マンションの管理規約上はペットが飼える場合、エレベーターで一緒になることも。また、転勤者の所有する物件では、定期借家権により更新がないケースが多く、短期間しか住めないこともデメリットに挙げられます。分譲賃貸を検討する際は、管理規約や更新の可否を確認しておくようにしましょう。

 

 

分譲賃貸物件

「楽器可」の物件であっても、防音設備の有無や性能、演奏可能な時間、演奏できる楽器に違いがあります。また、「ペット可」の物件は、ペットと暮らしやすい設備が備えられている物件と、ペットを飼ってよい通常の物件に分類できます。また、「デザイナーズ物件」は一言にデザイナーズといっても、デザインの方向性は様々です。

 

個別の物件の特色に目を向けて、希望する条件やライフスタイルに合った賃貸物件をみつけましょう。

 

まとめ
・デザイナーズ物件は明確な定義はなく、建築家がコンセプトに沿って設計したデザイン性の高い物件。
・家具家電付きの物件は、一人暮らしをスタートするときに必要な家具や家電が備えられている。
・シェアハウスには、個室以外にキッチンやリビング、トイレ、浴室などの共用部分がある

 

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更新日: / 公開日:2018.09.27