一人暮らし向けの物件を探すうえでは、1R(ワンルーム)と1Kが代表的な選択肢となります。どちらも居室が1つある間取りタイプではありますが、両者の間にはちょっとした違いがあります。
今回は1Rと1Kについて基礎から主なメリット・デメリット、住むのに適している人の特徴まで見ていきましょう。
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「1R」と「1K」それぞれの意味や違い、広さの目安は?

まずは、1Rと1Kがどのような間取りタイプを指すのか、基本的な定義や広さの目安を見ていきましょう。
1Rとは
1Rは「ワンルーム」とも表記され、キッチン部分と居室が仕切られておらず、玄関から居室までが一体になっている間取りタイプを指します。
1Rのつくりは、廊下などの居室以外のスペースを最小限に抑えることができるので、専有面積のわりに部屋全体が広く見えるといった特徴があります。
1Kとは
1Kとは、玄関やキッチンと居室スペースがドアで仕切られている間取りタイプです。キッチンが同じ空間にある1Rに対して、1Kは居室が独立しているといったイメージです。
そのため、居室の広さが同じ畳数表示なら、つくりの面から考えて、1Rよりも1Kの方が専有面積は広いと判断できます。たとえば、1Rで6畳と表記されていれば、キッチンも含めた広さを指しているケースが多いです。
一方、1Kで6畳と表記されている場合は、「6畳の居室+キッチンスペース」というつくりを示しているため、キッチンの空間分だけ部屋が広くなると判断できます。
なお、1Kはキッチンの広さが「4.5畳未満」の間取りを指しています。それ以上の広さを持っている場合は1DKとなり、さらに8畳以上の広さがあれば1LDKと表記されます。
「1R」と「1K」それぞれのメリット・デメリット

1Rと1Kの特徴について、ここではメリット・デメリットの両方から詳しく見ていきましょう。
1Rのメリット
- 家賃が安い部屋を見つけやすい
- 空間を効率的に活用しやすい
1Rは家賃の安い部屋が見つかりやすい傾向があります。なぜなら、1Rは最低限の広さでも成り立つ間取りタイプであるためです。
1Kは独立したキッチンスペースを設けるために、大体17平米以上の広さがあるのが一般的です。それに対して、1Rは13平米程度の広さの物件からあるため、家賃を抑えたい場合は1Rの方が探しやすいでしょう。
また、同じ専有面積なら仕切りがない分、広く感じやすいのも特徴です。ドアの開閉スペースが必要ないため、狭い空間でも比較的家具を置きやすいといったメリットもあります。
1Rのデメリット
- 料理のニオイが気になりやすい
- バス・トイレを使う音が居室まで聞こえてしまう
- 空調効率が悪い
- つくりによっては玄関から居室が見えてしまう
居室とキッチンとの間に仕切りがないことから、部屋に料理のニオイが移ってしまったり、水回りを使う音が気になってしまったりするケースはあります。また、空間を区切れないため、空調効率が下がってしまうのもデメリットです。
それ以外のデメリットとしては、玄関から居室が見えてしまうという点が挙げられます。
L字型に折れ曲がっている物件などの例外はあるものの、四角形の一般的なつくりでは、玄関から居室まで見通せてしまう点に不安を感じる人もいるでしょう。
宅配便や出前などを利用する機会が多く、来客時の対応が気になる人は、玄関からの視点も意識して部屋を選ぶことが大切です。
1Kのメリット
- 部屋の温度管理がしやすい
- 居室へのニオイ移りを気にせず料理できる
- 急な来客や宅配便などに対応しやすい
居室を独立させられることで1Kには、さまざまなメリットが生まれます。部屋の温度管理がしやすい点やニオイ移りなどを気にせずに済む点は、ワンルームにはない特長といえます。
また、バス・トイレの音が居室まで聞こえにくいので、友人や恋人を招いたときでも、安心して使ってもらえるのがメリットです。
1Kのデメリット
- 家賃が安い部屋を見つけにくい
1Kのデメリットとして挙げられるのは、賃料です。前述のとおり、1Kには極端に専有面積が狭い物件は少ないので、家賃が安い物件を見つけるのは1Rに比べて難しい面があります。
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「1R」と「1K」の家賃の違い

1Rと1Kで、家賃にはどのくらい違いが生まれるのでしょうか。ここではLIFULL HOME’Sの「家賃相場」を使い、1Rと1Kを実際に比較してみましょう。
ただ、一口に1Rや1Kといっても、これらは広さを直接的に示すものではありません。1LDKや2LDK並みの広さを持つ1Rもあるので、間取りタイプだけはなく、専有面積にも目を向けることが大切です。
そこで、今回は一人暮らしに適した広さの目安として「専有面積20~25平米」のデータを紹介します。
エリア | 家賃相場 | ||
|---|---|---|---|
ワンルーム | 1K | ||
都心部 | 新宿区 | 8.59万円 | 9.01万円 |
渋谷区 | 10.53万円 | 9.44万円 | |
港区 | 12.58万円 | 10.21万円 | |
区東部 | 足立区 | 6.21万円 | 6.55万円 |
江戸川区 | 6.76万円 | 6.49万円 | |
江東区 | 8.47万円 | 8.62万円 | |
区西部 | 世田谷区 | 8.01万円 | 8.08万円 |
中野区 | 7.00万円 | 7.85万円 | |
目黒区 | 8.90万円 | 9.03万円 | |
市部 | 武蔵野市 | 7.22万円 | 7.15万円 |
立川市 | 5.55万円 | 6.33万円 | |
八王子市 | 4.92万円 | 5.34万円 | |
※2022年8月時点、駅徒歩10分以内にある物件の平均賃料を軸に算出
上記の結果を見ても分かるように、家賃相場にはそれほど大きな差はありません。専有面積や築年数、設備、立地といったその他の条件に比べると、間取りタイプの違いが家賃に与える影響は小さいといえます。
ただし、前述のように1Rは専有面積が狭くても成り立つつくりなので、家賃の安い物件を見つけやすい面があります。
たとえば、東京都23区内で家賃4万円以内の物件を検索すると、全体では1,943件がヒットし、そのうち6割以上にあたる1,196件が1Rです。一方、1Kは647件と全体の3割程度であり、1Rに比べれば数は少なめといえます。
「1R」と「1K」それぞれに適している人の特徴

これまでの内容を踏まえて、1Rと1Kのそれぞれに向いている人の特徴をまとめると、以下のようになります。
1Rに向いている人
- 家賃の安い物件を探している人
- あまり自炊をしない人
- 来客が少ない人
- 立地条件を優先したい人
あまり自炊をしない人であれば、無理に1Kにこだわるより1Rにも視野を広げた方が、条件に合った物件を見つけやすくなります。
1Kとの違いはあくまでもキッチンが仕切られていないという点のみであり、1Rにもさまざまな物件タイプがあるので、先入観にとらわれずに部屋探しを進めてみてください。
1Kに向いている人
- 自炊の頻度が高い人
- 料理のニオイが室内に移るのを防ぎたい人
- 居室の独立性を保ちたい人
- 来客が多い人
一方、1Rより1Kが適しているのは、キッチンの使用頻度が高い人です。しっかりと自炊中心の生活を送りたいという場合は、1Rよりも1Kの方が気兼ねなく調理ができるのでおすすめです。
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「1R」と「1K」の使い方のポイント

どちらの間取りタイプを選んだとしても、快適な住空間を保つためには、使い方のポイントを押さえておく必要があります。ここでは、一人暮らし向けの間取りを上手に使うためのコツを見ていきましょう。
パーティションを活用する
1Rも1Kも居室が1つである点には変わりないため、生活空間に応じてパーティションをうまく活用するのがコツです。
たとえば、ベッドを置く場合には就寝スペースと生活スペースを区切るようにすると、シーンに合わせて気持ちを切り替えやすくなります。
また、1Rで玄関から室内が見えてしまう場合は、玄関につり型や置き型のパーティションを設置すると、来客時の目隠しになります。
背の低い家具でまとめる
一人暮らしの部屋では、なるべく背の低い家具を選んで、圧迫感が出ないようにするのも大切です。
一般的な広さの1Rや1Kでは、置きたい家具をすべて配置するのは難しいため、レイアウトを想像しながら選択しましょう。
デッドスペースを収納スペースとして活用する
1Rや1Kの部屋で課題になりやすいのが「収納スペースの確保」です。まずは、部屋選びの段階で収納スペースの有無や広さ、扉の開閉方向などを細かくチェックすることが大切です。
そのうえで、収納が不足してしまったときには「ベッド下のスペースを有効利用する」「家具と壁の間に突っ張り棒を渡して簡易的な棚をつくる」など、デッドスペースを上手に活用しましょう。
まとめ

- 1Rと1Kの違いは、キッチンと居室の間に仕切りがあるかどうか
- 同じ畳数なら、通常は居室が独立している1Kタイプの方が専有面積は広くなる
- 1Rは部屋を開放的に使える点と、家賃が安い物件を見つけやすいのがメリット
- 1Kは自炊しやすい点や来客を招きやすい点がメリット
- 特にこだわりがなければ、1Kだけでなく1Rも視野に入れて選択肢を広げてみよう
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更新日: / 公開日:2018.08.09










