DIY型賃貸借の定義

DIY賃貸やカスタマイズ賃貸が最近注目を集めていますが、こうした物件は借り主と貸主、どちらが改装費用を負担するのでしょうか？もちろん物件によってケースバイケースですが、賃貸借契約のときにこうした内容をきちんと盛り込んでない場合が多く、後日トラブルに発展することもあったようです。

一般的な賃貸物件を借りる場合には賃貸借契約を結び、相場にあった賃料を払うことで関係性が成りたちます。

しかし、DIY賃貸やカスタマイズ賃貸の場合には上記のようなことが起こるため、今回国交省では賃貸借契約以外に、「DIY工事の申請書」、「DIY工事の承諾書」、「DIY工事の詳細な取り決めに関する合意書」を交わすことを定義しています。

DIY型賃貸借の定義（国交省の資料「DIY型賃貸借のすすめ」抜粋）

DIY型賃貸借に関する契約書式例（国交省の資料「DIY型賃貸借のすすめ」抜粋）

DIY賃貸の物件ってどんなの？

一般の賃貸物件と違い、DIY賃貸やカスタマイズ賃貸はどういったところが違うのでしょうか？

通常、DIY賃貸やカスタマイズ賃貸は築年数が古い物件が多いです。
理由としては、貸主がリフォーム費用を独自に負担することが難しいという状態と、借り主が自分の好みで改修を行いたいというニーズがマッチングして、こうした物件が出てくる市場を生み出しました。

貸主と借り主のお互いの契約にもよりますが通常の賃貸物件と異なり「相場より安めの賃料」「原状回復義務がない」などが挙げられます。また、DIY賃貸ではDIYの費用・工事負担が借り主で、カスタマイズ賃貸の場合は改装が込みのものが多くカスタマイズ費用・工事の負担が貸主というケースが多いと言えます。

とはいえ、貸主と借り主の状況にもよるので、きちんと契約時の取り決めをしたほうがよいでしょう。

事項例としては

• （DIY）費用負担者・・・借り主 or 貸主か
• （DIY）工事実施者・・・借り主 or 貸主か
• 所有権の帰属・・・工事部分に関する所有権について
• 原状回復義務・・・なし　or あり　
  　（ありの場合はどこまで現状回復を求めるのか？）
• 明け渡し時の精算・・・※

などの項目をきちんと決めておくといいでしょう。
より詳細に決めたい方は、上記以外にも「増改築などの内容」「施工方法・使用資材など」「図面などの添付」などがあるといいかもしれません。

※明け渡しの時の精算について、DIY型賃貸借では現状回復を免除したり、契約期間中の家賃を安く設定したりする代わりに、費用請求の権利を放棄する場合もあるため。トラブル回避の観点から国交省では予め定めておくことを推奨しています。

借り方の流れ

DIYに興味がある方や、自分だけの特別な空間を作りたいと考えている方にとって、DIY型賃貸は理想的な選択肢です。以下に、DIY型賃貸物件を借りるまでの大まかな流れをご紹介します。

詳細な流れは、DIY型賃貸借で賃貸物件を借りる場合のフローをまとめた下図をご確認ください。

この流れを参考に、トラブルなく自由に住まいの空間をアレンジできる賃貸物件が見つかるといいですね。

DIY型賃貸借の手順（国交省の資料「DIY型賃貸借のすすめ」抜粋）

DIY型賃貸借に関する契約書式例も国交省のページにあるので、こちらを参考に契約を結ぶといいでしょう。

その他、賃貸住宅に関するガイドライン等はこちらの国交省のページをご参考にされてください。
▶『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』について