中古マンションのフルリフォームにかかる費用
中古マンションのフルリフォーム費用は、施工面積や設備のグレードで変動します。予算に応じてキッチンの交換から水回り全体、内装の一新まで、実現できる工事の範囲が分かります。スケルトンリフォームはさらに高額になる傾向があります。
詳しくは、「中古マンションのフルリフォームにかかる費用は? 予算ごとのリフォーム例」をご覧ください。
フルリフォームの費用を抑えるポイント
フルリフォームの費用を抑えるには、いくつかの方法があります。DIYを取り入れたり、設備のグレードを見直したりすることでコストダウンが可能です。リフォーム会社からの提案も本当に必要か慎重に検討し、優先順位をつけて賢く費用を管理しましょう。
詳しくは、「中古マンションのフルリフォームで費用を抑えるポイントは?」をご覧ください。
リフォーム前に必ず確認すべき注意点
中古マンションのフルリフォームでは事前の確認が不可欠です。マンションの管理規約で工事内容に制限がないか、水回りの移動は可能かなどを購入前に確かめましょう。また、工事中の騒音対策として、近隣住民への挨拶も大切です。
詳しくは、「購入前に確認…中古マンションのフルリフォームをする際の注意点は?」をご覧ください。

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新築よりも安い価格で購入できる中古マンションですが、理想の住まいに近づけるために、購入と同時にフルリフォームを検討する人もいるのではないでしょうか。

 

今回は、森住宅コンサルタント株式会社、代表取締役の森雅樹さんにお話を伺い、中古マンションでフルリフォームする場合の費用目安や注意点について解説します。

まず、リフォームとリノベーションはどちらもよく聞く言葉ですが、実は意味合いが少し異なります。

 

一般的にリフォームは、原状回復するための工事のことで、たとえば古くなったキッチンを新しいものに取り換えたり、壊れてしまったトイレを新しく交換したりすることなど、劣化している部分を修繕する工事が含まれます。

 

一方、リノベーションには「革新」「性能向上」という意味合いがあり、新しく価値を追加するための工事を意味します。現状では特に壊れていない部分でも、より快適な生活を手に入れるために間取りを変更する工事であれば、リノベーションということになります。

 

ただし、厳密な言葉の定義があるわけではないため、実際はあいまいな部分も多く、工事内容がリフォームといえるようなものでも、リノベーションと呼んでいるケースもあります。

中古マンションのフルリフォームのできる範囲

中古マンションは一戸建てとは違い、室内の専有部のみリフォームすることができます。マンションによっては管理規約でリフォームの内容に制限があるケースがありますが、フルリフォームで間取りを変更することも可能です。

 

中古マンションで築年数が40年以上の場合、柱や構造体を残してすべて取り払うスケルトンリフォームを行うケースがあります。骨組み以外すべてつくり変えることができるため、間取りや内装を自由に設計し、全く新しい空間をつくることができます。

 

その他には、4LDKのマンションを2LDKにするなど、部屋数を変更する工事や、窓の断熱性を上げるための工事、トイレ・キッチン・玄関周りのリフォーム工事などがあります。

 

住む人のニーズに合わせて中古マンションをリフォームするのは、最近では珍しくありません。

 

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中古マンションのフルリフォームにかかる費用は、施工面積や設備・仕上げのグレードなどによって異なります。ここでは、予算ごとにできるリフォームの例をいくつか紹介します。

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たとえば、キッチン本体が150万円の商品を新たに取り付ける場合は、工事費込みで200万円程度になります。

 

予算が200万円以内と決めている場合は、キッチン周りの設備の交換やトイレ本体の取り換え、部屋のクロスをすべて変えるリフォームなどが目安となるでしょう。

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仮にキッチン本体の価格が100万~150万円程度のものを選んだ場合、残りは150万~200万円なので、キッチン設備の交換にプラスしてカーテンと照明設備の交換、トイレ本体の交換、さらに部屋のクロスをすべて張り替えることも可能です。

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予算400万円を用意することができれば、60平米程度の中古マンションのキッチンとトイレ、浴室の水回り3点をリフォームできます。また、それぞれに高価な商品を選択しなければ、クロスや照明など部屋全体を模様替えできるでしょう。

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60平米程度の中古マンションであれば、500万円の予算で十分満足できるリフォームが可能です。水回りはもちろん、カーテンや照明などもグレードをワンランク上げる余裕が出てくるでしょう。

 

ただし、スケルトンリフォームについては、少なくても500万円前後、最大で1,000万~2,000万円程の費用がかかります。間取りや設備を一から変更するため、部分的なリフォームよりも当然ながらコストは高くなります。

中古マンションのフルリフォームは、解体する部分が多いことが予想されます。特にスケルトンリフォームや間取り変更で壁を引きはがした後で、思いのほか劣化が激しく追加で費用がかかってしまうことも考えられます。

 

可能であればDIYも検討しながら、リフォームする内容を検討するようにしましょう。仕上げ材や設備のグレードは優先順位が低ければコストの低いものを選択するのもおすすめです。

 

リフォーム会社から高い商品を提案された際は、本当に必要な商品かよく検討するようにしましょう。

 

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中古マンションのフルリフォームをする際の注意点

中古マンションの購入と同時にフルリフォームする場合は、物件選びの段階でリフォームが可能な物件か確認することが重要です。マンションの管理組合に確認し、リフォームできる内容をあらかじめ知っておくと安心でしょう。

 

マンションによっては、専有部分であっても水回りの変更が難しい可能性があります。たとえば、キッチンのコンロをIHにしたり、お風呂に一部の機能を追加したりといったことは対応できない場合もあります。

 

水回りの移動は費用が高くなる傾向があり、上下水道が緩い勾配しかとれない場合は、リフォームをすると水が流れにくくなり、故障の原因になることもあります。

 

そのほかにも、マンションは一戸建てとは違い、上下もしくは両隣に住居があるため、リフォーム工事の騒音にも注意が必要です。施工会社が事前に挨拶をするのはもちろんですが、施主自身も影響しそうな住戸には挨拶するようにしましょう。

中古マンションは、フルリフォームすることで理想の住まいに近づけることができます。

 

リフォームにかかる費用は工事の内容によっても差がありますが、スケルトンリフォームなどのフルリフォームでは、最低でも数百万円、場合によっては1,000万円前後となる可能性があります。

 

予算をなるべく抑えたい場合は、複数のリフォーム会社に見積もりをとって比較検討するようにしましょう。

 

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Q.1:中古マンションの「リフォーム」と「リノベーション」は何が違うのですか?

A.1:「リフォーム」は、古くなったキッチンやトイレなどを新しく交換するといった、元の状態に戻すための修繕工事を指すのが一般的です。一方、「リノベーション」は、間取りの変更など、元の状態よりも性能や価値を高めるための大規模な改修工事を指します。ただし、厳密な定義はなく、実際には同じような意味で使われることもあります。

Q.2:中古マンションのフルリフォームでは、どこまで自由に工事できますか?

A.2:マンションの専有部分であれば、間取りの変更を含むフルリフォームが可能です。柱や梁などの構造体だけを残してすべてを新しくする「スケルトンリフォーム」を行えば、内装や設備を自由に設計し直せます。ただし、マンションの管理規約によってリフォーム内容に制限がある場合があるため、事前に確認が必要です。

Q.3:フルリフォームには、大体いくらくらいの費用がかかりますか?

A.3:費用は工事の規模や設備のグレードによって大きく変わりますが、60平米程度の中古マンションの場合、水回り(キッチン・浴室・トイレ)と内装の変更で400万~500万円程度がひとつの目安です。間取りからすべてを一新するスケルトンリフォームの場合は、最低でも500万円前後から、内容によっては1,000万円以上かかることもあります。

Q.4:予算300万円前後だと、どのようなリフォームが可能ですか?

A.4:予算300万円の場合、たとえばキッチンの交換に加えて、トイレの交換、全室の壁紙(クロス)の張り替え、カーテンや照明の交換などが可能です。設備のグレードなどを調整することで、予算内でできることの幅が広がります。

Q.5:リフォーム費用を少しでも安く抑える方法はありますか?

A.5:はい、あります。壁の塗装や棚の設置など、ご自身でできる範囲をDIYしたり、キッチンの扉やコンロだけを交換するなど部分的な工事にしたりすることで費用を抑えられます。また、設備のグレードに優先順位をつけ、こだわらない部分はコストの低いものを選ぶのも有効な方法です。

Q.6:購入した後に「リフォームできない」といった失敗を防ぐにはどうすればいいですか?

A.6:物件の購入前に、マンションの管理規約を必ず確認することが重要です。特に、水回りの移動や床材の変更などが規約で禁止されていないか、事前に管理組合に問い合わせておくと安心です。

Q.7:水回りのリフォームで特に注意することはありますか?

A.7:マンションの構造上、キッチンの移動や排水管の勾配の都合で、水回りの位置変更が難しい、または費用が高額になるケースがあります。また、IHクッキングヒーターへの変更や浴室の機能追加なども、マンション全体の電気容量や規約によって制限される可能性があるので、事前に確認が必要です。

Q.8:リフォーム工事中の騒音で、近隣とトラブルにならないか心配です。

A.8:工事中の騒音はトラブルの原因になりやすい点です。通常はリフォーム会社が工事前に近隣へ挨拶を行いますが、施主であるご自身も上下左右の部屋など、影響が出そうな住民の方へ直接挨拶をしておくと、より丁寧な印象になり、理解を得やすくなります。

更新日: / 公開日:2021.11.08