10年間の、高級賃貸物件市場の変化を調査
近年、シングル層の東京都心への人口流入が増加傾向にあることに加え、マンション価格高騰などの影響もあり、大都市圏の都心部や人気エリアを中心に賃料が上昇傾向にある。そこで、東京23区の高級賃貸物件市場はこの10年でどのように変化してきたのか、東京23区の賃貸物件のうち賃料上位1％の物件を「高級賃貸物件」と定義し、それらの物件の分布や賃料水準の変遷を調査した。
東京23区の上位1%賃料は10年で約1.8倍に
東京23区シングル向け物件の賃料上位1%の金額は、2015年の19万9,000円から2025年には26万4,000円となり、10年で約1.3倍に。また、ファミリー向け物件では、2015年の38万6,000円から2025年には70万円と約1.8倍にまで上昇していることがわかった。
東京23区シングル向け賃貸物件 上位1％賃料推移（LIFULL HOME'S調べ）
東京23区ファミリー向け賃貸物件 上位1％賃料推移（LIFULL HOME'S調べ）ファミリー向け物件の賃料上位1％の平均賃料は23区全体の約5.8倍
東京23区シングル向き物件のうち、賃料上位1%の物件の平均賃料は全物件の平均賃料の約3.2倍、ファミリー向け物件では約5.8倍となった。10年前（2015年）の時点ではシングル向け物件で約2.8倍、ファミリー向け物件で約5.1倍であったことから、東京23区では高級賃貸物件とその他の物件の間で賃料水準の差が広がっていることがうかがえる。
東京23区シングル向け賃貸物件 上位1％物件平均賃料と23区全体平均賃料の推移（LIFULL HOME'S調べ）
東京23区ファミリー向け賃貸物件 上位1％物件平均賃料と23区全体平均賃料の推移（LIFULL HOME'S調べ）高級賃貸物件が最も多い特別区は「港区」
東京23区の賃料上位1％の物件は、シングル向け物件・ファミリー向け物件ともに港区、渋谷区、新宿区の順で多かった。ファミリー向け物件では港区の物件のうち51.5％と過半数を占める。なお、港区・渋谷区・新宿区の3区の物件のみで、東京23区シングル向け物件の賃料上位1%の物件の約65％を、ファミリー向け物件では約80%を占めており、高級賃貸物件が一部のエリアに集中していることがうかがえる。
【東京23区・シングル向け】行政区別賃料上位1％の物件シェア（LIFULL HOME'S調べ）
【東京23区・ファミリー向け】区別 賃料上位1%物件のシェア（LIFULL HOME'S調べ）高級賃貸物件が多い駅は、シングルが「麻布十番」、ファミリーが「六本木一丁目」
最寄り駅別の、全物件に占める賃料上位1％の物件の割合は、シングル向け物件の最大が「麻布十番」（5.6%）、ファミリー向け物件の最大が「六本木一丁目」（10.1％）となった。なお、2025年に掲載された賃貸物件のうち、シングル向きの最高賃料は麻布十番駅の賃料112万円の物件であった。
【東京23区・シングル向け】駅別 賃料上位1%物件のシェアTOP10（LIFULL HOME'S調べ）
【東京23区・ファミリー向け】駅別 賃料上位1%物件のシェアTOP10（LIFULL HOME'S調べ）調査概要
対象期間：2015年～2025年（2025年は1月～6月の掲載物件を対象とした）
対象物件：LIFULL HOME'Sに掲載された東京23区の賃貸物件
┗シングル向け：ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2K
┗ファミリー向け：2DK、2LDK、3K、3DK、3LDK～
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