「北の玄関口」上野駅は、開業140周年を迎える

数多の列車の起点となっていた上野駅数多の列車の起点となっていた上野駅

1883年7月28日、「上野」駅は、当時私鉄であった日本鉄道によって開業した。開業当時は駅舎の工事が間に合わず、荷物取引所を仮駅舎としてスタート。日本鉄道が国営になった後、1909年には上野-新宿-品川-烏森(新橋)に山手線の前身となる列車の運転が開始された。

1923年には関東大震災によって駅舎を焼失するも、その後の仮駅舎を経て1932年には現在もおなじみの鉄筋コンクリートの2代目駅舎となっている。その後は、高度経済成長期には東北地方などから集団就職で上京する人々が降り立ったほか、多くの長距離列車の始発駅として帰省の出発点となるなど、東京とふるさとをつなぐ玄関口として世代を超えてさまざまな思い入れのある駅といえるだろう。

1991年の東北新幹線東京駅乗り入れや、2015年の上野東京ラインの開業を経て、始発列車こそ大幅に減らしたものの、上野駅には複数の路線が乗り入れており、都内有数のターミナル駅として現在も多くの人々に利用されている。また、周辺には東京国立博物館や国立西洋美術館、国立科学博物館、恩賜上野動物園などの文化的施設のほか、数百の商店が軒を連ねる上野アメ横商店街があり、国内外問わず多くの観光客でもにぎわっている。
今回LIFULL HOME'Sでは、今年で140周年を迎え、今も昔も人々に愛される「上野駅」に着目し、上野へのアクセスが良く家賃が安い駅をランキング形式で発表する。

数多の列車の起点となっていた上野駅1932年に建てられた駅舎は今も現役だ

1位の西新井駅など東武伊勢崎線が上位に

上野へのアクセスが良く家賃が安い駅ランキング上野へのアクセスが良く家賃が安い駅ランキング
改築された西新井駅。西口交通広場の整備も進む改築された西新井駅。西口交通広場の整備も進む

今回は、上野駅への所要時間が20分以内の各駅のうち、LIFULL HOME'Sの掲載物件が20件以上の駅を対象とした。対象とした物件は、築40年以内、駅徒歩20分以内、専有面積15m2以上40m2未満の居住用賃貸物件。

以上の条件下で、最も家賃相場が安かったのは、東武伊勢崎線・大師線の「西新井」駅(家賃相場:6万8,500円)だ。2位には「五反野」駅と「梅島」駅がどちらも家賃相場6万9,000円で並んだほか、4位「小菅」駅(同7万1,000円)、10位「北千住」駅(同8万1,000円)と、足立区に属する東武伊勢崎線(スカイツリーライン)の各駅が上位を占める結果となった。これらの駅からは、東京メトロ日比谷線への直通列車で上野駅まで乗り換えなしで行くことができる。

さらに1位の西新井駅は、東京メトロ日比谷線直通列車に加え東京メトロ半蔵門線への直通列車も停車する。駅周辺は日常の買い物のほか映画などの娯楽も楽しめる商業施設が集まるほか、徒歩圏内にいくつか公園があるなど、生活の利便性が高いエリアとなっている。

上野へのアクセスが良く家賃が安い駅ランキング東武伊勢崎線のターミナルは浅草駅だが、途中、北千住から東京メトロ日比谷線へ直通する列車と、押上から東京メトロ半蔵門線へ直通する列車も走る。行き先によって使い分けたい

埼玉県からは「浦和」と「川口」がランクイン

5位の「浦和」駅(家賃相場7万2,000円)は、JR上野東京ラインによって上野駅のほか、東京駅や品川駅へ、さらには湘南新宿ラインによって池袋、新宿、渋谷の各ターミナル駅へも乗り換えなしで行くことができる。駅周辺にはショッピングモールや百貨店・商店街があり買い物に便利であり、さらに徒歩圏内に図書館や美術館などが位置しているのも魅力だろう。

6位の「川口」駅(同7万3,000円)はJR京浜東北・根岸線で上野駅へアクセスでき、そのまま乗り通せば東京駅へも一本で行ける。また、LIFULL HOME'S PRESSが2023年1月に発表した、都心へのアクセスのしやすさや駅周辺の充実度を基にした「住みやすさのわりに家賃が安い駅ランキング2023」では、一人暮らし・二人暮らしの両カテゴリーで2位にランクインしており、交通の便と生活利便性が両立した、さまざまな世帯にとって住みやすい地域といえる。

浦和駅前の風景浦和駅前の風景

埼京線沿線は、副都心だけでなく上野にも近い

7位には「十条」駅と「熊野前」駅(家賃相場7万8,000円)がランクイン。十条駅はJR埼京線が通っていることから、池袋・新宿・渋谷などの副都心にアクセスしやすいほか、乗り換えは必要になるが上野駅へも近い。駅周辺には商店街があり普段の買い物もしやすい環境だろう。熊野前駅は東京都内に唯一残る都電である荒川線(さくらトラム)の停留場も近接しており、商店街もあるなど下町の情緒が魅力的な地域だ。

9位の「北赤羽」駅(同8万円)は、7位「十条駅」と同じくJR埼京線の駅で、副都心のターミナル駅へのアクセスが良好。1駅隣の赤羽駅で京浜東北・根岸線に乗り換えれば、上野駅も近い。駅周辺はスーパーや飲食店などが充実するほか、荒川が近く自然も多いのが特徴となっている。

北赤羽駅至近の浮間橋からの風景北赤羽駅至近の浮間橋からの風景

都心への通勤・通学と、出張・帰省の利便性を兼ね備える

今回ランキングに入った各駅は、「北の玄関口」上野駅へのアクセスはもちろん、池袋や新宿、浅草、日暮里といったターミナルのほか、銀座、六本木、九段下など都心へ直通する電車も発着することから都内への通勤通学の利便性にも優れており、東京で初めて生活をする学生や、仕事でさまざまな地域への出張が多いといった人々の需要に応えるエリアといえる。
この地域に住むことで便利になりそうな人は、本ランキングを参考に住まい探しを検討してみてもよいかもしれない。

上野駅は、東北、山形、秋田、北海道、上越、北陸新幹線が発着する上野駅は、東北、山形、秋田、北海道、上越、北陸新幹線が発着する

■調査概要 
対象駅 :上野駅への所要時間が20分以内の各駅
対象物件:築40年以内、駅徒歩20分以内、専有面積:15m2以上40m2未満の賃貸物件
対象期間:2022年6月~2023年5月
家賃相場:管理費を含む⽉額賃料から中央値を算出

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