浦和駅西口のリニューアルが進行中
浦和駅(うわらえき)は、1日平均約18万人(乗降客数)が利用するさいたま市の主要駅であり、埼玉県内では、大宮駅に次いで2番目の利用者数があるさいたま市浦和区最大のターミナル駅となっている。
また、JR東日本の宇都宮線・高崎線(上野東京ライン)、湘南新宿ラインおよび京浜東北線が乗り入れていることに加えて、東北・北陸・上越新幹線の利用が可能な大宮駅までは数分で到着するという利便性の高さを有している。
現在、この浦和駅において、新たな市街地再開発事業が進められている。
これまでに駅東口については、2015年度に完了した「浦和駅東口駅前地区第二種市街地再開発事業」によって、商業施設(PARCO)や公共施設(中央図書館、消費生活センター、コミュニティセンターなど)、駅前交通広場、市民広場などが相次いで整備され活気や賑わいが生まれている。
さらに、駅西口については、これまでに1981年に伊勢丹・コルソや駅前交通広場の整備、2004年に地下3階、地上31階のエイベックスタワー浦和(浦和駅西口南第三地区第一種市街地再開発事業)、2006年に地下1階、地上31階のコスタタワー浦和(浦和駅西口南第四地区第一種市街地再開発事業)が整備されており、継続的な市街地再生整備が進んでいるのが特徴的な街だ。
市街地再開発事業導入の背景等
今回、駅西口において市街地再開発事業が行われるに至った背景として、事業計画書では、密集市街地かつ狭隘道路や公園等の公共施設が不足している状況や接道不良の宅地の存在などをあげている。さらに、1963(昭和38)年に駅前広場が都市計画決定されて以降、一部が未整備であった点もあげている。
下図は事業計画書(2023年1月)に記載されている再開発エリアの整備前の現状となっている。見てもらうと中小様々な建築物が林立していることがわかる。
また、さいたま市では、浦和駅周辺地区に関して、都市計画の基本的な方針である「さいたま市都市計画マスタープラン」に基づき、駅の将来ビジョンを描いた「浦和駅周辺まちづくりビジョン」を2023年2月に策定している。
当該ビジョンでは駅西口については、都心として相応しい、商業・業務機能の土地利用の誘導や、建物の不燃化、狭隘道路解消などを図ることとしている。今回の市街地再開発事業はその具現化を図るための手法の一つとして導入された。
市街地再開発事業の概要
市街地再開発事業の正式名称は、「浦和駅西口南高砂地区第一種市街地再開発事業」といい、施行地区の面積は約1.8ha、設計方針として4つ定めている。
1)環境に配慮した安全で快適な駅前づくり
2)「都心」における賑わいの再生
3)低炭素型の再開発ビルの実現
4)文化の交流、発信拠点の整備
当該事業の都市計画決定は2007年9月と約20年前となっている。しかしながら、その後、検討を重ね、都市計画の変更や事業認可、権利変換計画認可を経て、2023年1月に地上27階、高さ約99.4mの複合型建築物の建築工事に着工した。当初の都市計画決定から紆余曲折はあったものの、計画段階での検討を含めれば約20年越しにイメージが具現化する。
次に、市街地再開発事業で整備される施設として、住宅、市民会館、商業・業務・子育て支援センターに加えて駅前広場や都市計画道路、緑地(敷地面積の10%以上)などが予定されている。
注目すべき点は、浦和駅西口駅前広場が拡張され、西口南側に滞在・憩いの空間が整備される点にある。現在、西口広場内に立地している駅前交番についても駅前広場整備後、当該広場内に移転される予定となっている。また、事業計画書(2023年1月)によると、これらの総事業費は約709億円となっている。このうち、補助金は、約194億円、保留床処分金は約218億円を見込んでいる。
建築物の概要(住宅部分:URAWA THE TOWER)
市街地再開発事業のうち、建築物の整備についての計画は次のとおり。
・建築敷地面積:約10,565m2
・建築面積:約8,444m2
・延べ面積:約97,246m2(容積率対象:約73,926m2)
・階数:地下2階、地上27階
・建蔽率:約 80%
・容積率:約700%
・用 途:住宅、商業、業務、市民会館、機械式駐車場など
・構 造:鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造
・高 さ:約99.4m(超高層建築物)
・付帯施設:駐車場408台、荷捌駐車場9台、駐輪場1354台、自動二輪駐車場35台
当該地区は、都市計画上「商業地域」に指定されており指定容積率は600%とされるが、市街地再開発事業に伴う高度利用地区の指定により上限値が700%まで引き上げられている。
住宅部分は、地上6階から地上27階、商業業務・公共公益部分は地下1階から地上5階まで、その他、機械式駐車場等が整備される。施設整備の点で注目したいのは、地上6階から免震構造(中間免震)となっている点にある。分譲住宅の戸数は合計で525戸、1〜4LDK、戸当たり床面積約70m2となっている。また、中央の住宅に囲まれた位置に配置される機械式駐車場についても免震構造が採用されている。
現時点の情報として、商業・業務機能として入居するテナントについての発表はないが、施設整備の完了が2027年6月竣工を予定していることから、店舗面積1,000m2以上の大規模小売店舗対象施設が入居することを想定すると遅くても2026年中には何かしらの発表があると想定される。
新たな街区愛称は浦和カルエ
2025年2月20日にさいたま市からプレスリリースがあり、街区の愛称が決定したとするアナウンスがあった。
これによると、街区の愛称は「浦和カルエ」となった。
街区愛称が「浦和カルエ」となった理由としては、浦和の文化を継承し、新たな文化を発信する場として、culture(芸術・文化)、education(教育)からネーミングしたとしている。また、再開発ビルの3・4階部分に移転する「さいたま市民会館うらわ」の愛称についても、愛称募集や選考委員会、市民投票を経て「Urawa U Hall(ウラワユーホール)」に決定している。
スケジュール
事業計画書(2023年10月)によると、事業施行期間としては2027年度までを予定しており、このうち建築工事は、2026年6月に竣工を予定している。
また、さいたま市によると、市民会館うらわの部分については2027年4月の開館を予定している。さらに、タワーマンション(分譲住宅部分)である「URAWA THE TOWER」については、竣工時期は2026年4月中旬、入居時期は2026年10月下旬(https://www.proud-web.jp/mansion/b113230/outline/最終閲覧2025年2月22日)としている。
今後、どのような街の変化があるか
今回、事業実施中を含め浦和駅周辺での市街地再開発事業等は5つ目となる。この他にも、2014年度には、浦和駅の高架化事業や、駅の東西をつなぐ連絡通路が整備されたことに加えて2015年3月には上野東京ラインの開業などにより、飛躍的に都内や神奈川方面へのアクセスが向上している。
また、浦和駅は新宿方面へアクセス性に優れているのも魅力的といえる。東京駅や新宿駅まで約25〜27分、東北・北陸・上越新幹線の利用が可能な大宮駅までは最短で5分ほどで到着するのも居住地としての利便性が高いといえる。これらに加えて、駅西口にはスーパーや百貨店、医療施設、公共施設、旧中山道沿いに老舗商店などが充実している。さらに、浦和駅周辺は河川洪水の恐れがない点も魅力的な街とも言え、再開発に伴う市街地環境の改善によって更なる魅力的な街並みが形成されると期待できる。
人口面でみると、今後、全国的に人口減少が進む中、浦和区の人口はこの10年間で16,674人増加(2025年1月169,815人、2015年1月153,141人)しており、今後も増加することが想定される。
こうした状況下に加えて、西口の市街地再開発事業が完成すると、住宅・商業機能等に加えて、市街地環境が改善されることから、さらに人口を誘導する呼水になる可能性があるともいえる。一方で、再開発に伴う周辺地価の上昇によりさらにマンション建設が促進される可能性が高まることから、市街地環境(日照や通風、緑地など)が損なわれることがないよう、計画的な市街地再生の誘導が望まれる。
浦和駅西口周辺は、古くから大小様々な商業施設が多く立地している。西口から県庁通りを少し歩くと、旧中山道沿いに新旧の商店等が形成されており、僅かだが歴史ある街並みが残っているのも特徴となっている。
旧中山道としては、江戸・日本橋から3つ目の宿場町として栄えた歴史もある。このような歴史と伝統を兼ね備えた県都の玄関口が、今回の市街地再開発事業によって都市空間が再構成されることで新しい街の顔として認識され、今後も発展可能性の高い街として期待されるのではないだろうか。
一方、昨今の23区内のマンション価格高騰に伴い、浦和のような東京圏近郊は駅前のマンション需要が継続されることから、今回の市街地再開発が呼水となって、さらに住宅建設が進む可能性がある。そのため、行政による適切な市街地整備の誘導が望まれる。具体的には、市街地での緑地・樹木の整備や、日照・通風の確保、商業・業務機能の誘導、行政と連携した公共施設の再編などが考えられ、気候変動や脱炭素への適応、大地震への対応などが望まれると考えられる。
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