「防災の日」をきっかけに防災対策をもう一度見直したい

毎年9月1日は「防災の日」だ。これは台風、高潮、津波、地震などの災害についての認識を深め、それらに対処する心構えと準備をするために国が制定した日。2011年の東日本大震災、2014年の広島市土砂災害、そして今年(2016年)の熊本地震など、昨今は大きな災害が頻発している。防災の日をきっかけに、ぜひ身の回りの防災対策をもう一度見直したい。

とはいえ、一言で災害といっても上記のように様々なものがある。まずは自宅や職場の周辺地域にどのような災害の危険性があるか知るべきだろう。そこで役立つのが、『国土交通省ハザードマップポータルサイト』(※ http://disaportal.gsi.go.jp/)だ。

これは各自治体が公表している発生の可能性のある災害の種類、場所、危険度などを示した地図=ハザードマップの情報を集約しているwebサイトだ。同webサイトを利用すれば市役所などのwebサイトを探し回らなくても手軽に目的のエリアの防災情報を得ることができる。ただし、たとえば海に面していない市町村に津波情報は必要ないといったように、自治体によって公表される災害は異なる。

2007年4月から公開されている「国土交通省ハザードマップポータルサイト」は、以下を目的としている。

1)全国の各種ハザードマップを見比べることによる同マップの内容の充実及び作成の促進
2)ハザードマップへの関心、興味を高めることによるハザードマップの理解、活用を促進
3)旅行先などでの災害時のハザードマップ活用による迅速かつ安全な避難行動の実現
4)平常時における防災意識の高揚

自宅や職場の周辺地域にどのような災害の危険性があるか知るのに役立つ『国土交通省ハザードマップポータルサイト』</BR>基本的に毎年更新され、新しい機能などが追加されている自宅や職場の周辺地域にどのような災害の危険性があるか知るのに役立つ『国土交通省ハザードマップポータルサイト』
基本的に毎年更新され、新しい機能などが追加されている

全国の各自治体のハザードマップを閲覧できるリンク集

同サイトには、「わがまちハザードマップ」と「重ねるハザードマップ」という2つのメインコンテンツがある。

「わがまちハザードマップ」は、全国の各自治体のハザードマップを閲覧できるリンク集だ。入口は地図から選択する方法と災害種別から選択する方法の2種類が用意されている。

地図から選択する方法では、全国地図から県→市町村と選んでいくとそれぞれの自治体が公表している各災害種別のハザードマップのリンクが表示される。災害種別には次のようなものがある。

洪水・内水(大雨によって側溝・下水道・排水路だけでは流しきれなくなり街中などにあふれ出た水)
・高潮・津波・土砂災害・火山・地震被害

災害種別から選択する方法では、それぞれの災害種別のハザードマップを公表している自治体が全国地図から色分けして表示される。たとえば、地震被害を選べば、さらに建物被害や液状化などを選択する画面となり、それらの発生の可能性がある自治体を全国地図から俯瞰して確認することができる。引っ越しや旅行先にどのような災害があり得るか、といったことの把握に役立つだろう。

東京都港区の「わがまちハザードマップ」。区が公開している様々な防災情報のリンクが表示される東京都港区の「わがまちハザードマップ」。区が公開している様々な防災情報のリンクが表示される

複数の自治体にまたがる災害情報を一つの画面で重ねて確認

利用者から意見を募集し、2014年に追加された機能が「重ねるハザードマップ」だ。従来の機能は「わがまちハザードマップ」のみで、それぞれの自治体のリンクから個別に防災情報などを確認するしかなかった。たとえば、隣り合うA市とB市の洪水の危険性があるエリアがつながっていても市ごとにそれぞれ情報を確認するしかない。また、A市のなかでも洪水と土石流の両方の危険性があるエリアは、それぞれの災害の情報を個別に確認する必要があった。しかし、同機能を利用すれば、複数の自治体にまたがる2種類以上の災害情報を一つの画面で、しかも重ねて確認することができる。この機能によって広域にわたる避難経路などが把握でき、今いる自治体の避難場所よりも隣の自治体の避難場所の方が近い、といったことも分かる。

「重ねるハザードマップ」で閲覧できる情報例
 
●各種ハザード
・洪水浸水想定区域
・津波浸水想定区域
・土砂災害危険箇所
・土砂災害警戒区域等(土砂災害危険箇所のうち土砂災害防止法に基づき指定された区域)

●災害時に役立つ情報
・道路冠水想定箇所(アンダーパスなど)
・事前通行規制区間(災害発生前に通行止めなどの規制を実施する区間)
・緊急輸送道路(緊急車両の通行を確保すべき道路)

熊本地震で震度7を観測した西原村周辺の「重ねるハザードマップ」。</BR>薄いオレンジ色が土石流危険渓流。薄い黄色と水色が洪水浸水想定区域。中央の太線が事前通行規制区間熊本地震で震度7を観測した西原村周辺の「重ねるハザードマップ」。
薄いオレンジ色が土石流危険渓流。薄い黄色と水色が洪水浸水想定区域。中央の太線が事前通行規制区間

いつでもどこでも防災情報を入手可能。ぜひ「お気に入り」に登録を

同サイトの活用方法の一例としては、まずは自分が住んでいる自治体のハザードマップを確認しておくことである。自分が住んでいる地域の災害リスクを予め知ることに加え、避難施設や避難経路なども確認しておきたい。さらに、住んでいる地域だけでなく、勤務エリアや今後住み替えを検討している場所についても同様に、災害リスクや避難情報を確認しておくと良いだろう。

同サイトは基本的に毎年更新されており、今年(2016年)6月にはスマートフォンのGPS機能を利用して現在いる地域の防災情報を簡単に入手できるようになった。自宅や職場、旅行先などエリアを問わず、すぐに危険度や避難すべき場所を確認することができるのだ。
また、一戸建てを建てる際に同サイトを参考にすれば、耐震化や地盤のかさ上げなどの検討にも役立つだろう。
サイトには、使用方法が詳しく載ったパンフレットも公開されているので参考にするとよい。

わが家の災害リスクについて改めて把握をし、いざという時のためにも是非ともパソコンやスマートフォンの「お気に入り」にこのハザードマップポータルサイトを登録しておきたい。

今年(2016年)6月に追加されたスマートフォンの「重なるハザードマップ」画面。</BR>GPS機能を利用して現在いる地域の防災情報を簡単に入手できるようになった今年(2016年)6月に追加されたスマートフォンの「重なるハザードマップ」画面。
GPS機能を利用して現在いる地域の防災情報を簡単に入手できるようになった

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