3人家族でひと月の生活費を20万円に抑えたいと考える人にとって、お金のやりくりは大きな悩みのひとつです。特に、将来への備えや教育費も見据えながら支出を管理する必要があるため、節約の工夫が求められます。

ただし、我慢ばかりの節約ではストレスがたまったり、生活の満足度が下がってしまったりする可能性もあります。

この記事では、無理なく実践できる節約術と、生活費20万円を実現するためのポイントを詳しく解説します。生活費を見直したい人は、ぜひ参考にしてください。

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ここでは、3人家族の平均的な生活費について具体的なデータを基に解説します。

 

総務省の2024年「家計調査報告(家計収支編)」によると、食費や住居費、水道光熱費、教育費、交通通信費などを含めた3人家族(勤労者世帯)の1ヶ月当たりの生活費の全国平均は約31万円となっています。

 

内訳は以下のとおりです。

費用項目

金額

食費

8万7,876円

住居

1万9,278円

水道・光熱費

2万4,340円

家具・家事用品費

1万3,302円

被服費

9,970円

保険・医療費

1万5,604円

交通・通信費

4万2,780円

教育費

1万2,216円

教養・娯楽費

2万8,045円

その他の費用

5万6,684円

平均額と比較するとデータ上、月20万円の生活を目指すには約11万円の節約が必要となります。

 

※ このデータを参照するうえで注意が必要なのは住居費です。住居費については、持ち家の世帯が多く含まれているので、平均ではかなり低い数値となっています。

 

約11万円の節約を実現するには、住居費や食費、水道光熱費、通信費、保険料など、日常生活にかかる主要な費用をひとつずつ見直すことが大切です。

 

無理に支出を一律に減らすのではなく、生活の優先度や必要性に応じて調整すれば、無理のない節約が可能になります。

 

生活費20万円を実現するためにも、固定費と変動費のバランスを意識しながら工夫を重ねるようにしましょう。

 

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次に、生活費20万円に収めるための節約ポイントを各項目ごとに詳しく解説します。

 

食費は、月5万円以内に抑えることを目標にするといいでしょう。実現するには、以下の節約方法が効果的です。

  • 週1回のまとめ買いで無駄な出費を防ぐ
  • 特売日やポイントデーを活用する
  • 冷凍保存や作り置きで食材の廃棄を減らす
  • 外食は月1~2回程度に抑える

また、安くて栄養価の高い「もやし」「豆腐」「鶏むね肉」などを活用したレシピを取り入れると、満足感を保ちながら食費を抑えられます。

 

住居費は、8万5,000円以内を目安にすることがおすすめです。住居費を抑えるには、以下の節約方法が効果的といえます。

  • 家賃相場の安い地域に引越す
  • URや公営住宅など割安物件を検討する
  • 持ち家の場合は住宅ローンの借り換えを検討する
  • 家賃補助や社宅制度のある会社に転職する

また、3人家族に適した間取りや広さの物件を選ぶことで、過剰な広さによる家賃の無駄も防げます。

 

おすすめの間取りについては、以下の記事で詳しく紹介しています。気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

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水道光熱費は、1万5,000円以内を目指しましょう。実現するには、以下のように電気・ガス・水道の使い方を見直すのが効果的です。

  • 電力会社やガス会社を乗り換えて基本料金を下げる
  • LED照明や省エネ家電に買い替える
  • 入浴時の追い焚き回数を減らす
  • 洗濯はまとめて行い、乾燥機の使用を減らす

さらに、「電源をこまめに切る」「待機電力を減らす」といった日常の意識改善も効果的です。一度の節約額は小さくても、年間では数万円の違いになるケースもあります。

 

保険料は、加入内容によって支出が大きく異なる項目です。

 

目安として1万円以内を目指しましょう。具体的には、以下の節約方法が効果的です。

  • 不要な特約や重複保障を外す
  • 医療保険は入院日額や先進医療の必要性を見極める
  • 生命保険は家族構成やライフステージに応じて見直す
  • 複数社を比較し、保険料と保障内容のバランスがいい商品を選ぶ

特に、住宅ローンや勤務先の団体保険に保障が含まれているケースも多く、内容の重複には注意が必要です。保障を「必要最小限」に抑えることが、保険料削減のために重要です。

 

医療費は見えにくい支出のひとつですが、5,000円以内を目安に抑えるようにしましょう。無理な節約ではなく、制度の活用と健康管理がポイントとなります。

 

具体的には、以下の節約方法が効果的です。

  • 自治体による「子どもの医療費助成制度」を活用する
  • 妊婦健診や乳児検診などの公的サービスをフル活用する
  • 定期健康診断を受け、病気の早期発見を心がける
  • ワクチン接種で重症化リスクを下げる

制度と自己管理を組み合わせることで、無理のない医療費の節約を目指しましょう。

 

通信費は見直しの効果が大きく、節約しやすい項目のひとつです。

 

5,000円以内を目安に設定するといいでしょう。具体的な節約方法は、以下のとおりです。

  • 格安SIMに変更する
  • 家族割プランを活用する
  • インターネット回線のプランを見直す
  • 固定電話を解約する(使っていない場合)

特に格安SIMは、通信量の使用状況に応じて適正プランを選べば、1人当たり1,000~2,000円程度に抑えることが可能です。

 

見直しのハードルが低く、すぐに効果が出る節約項目として、優先的に取り組むことをおすすめします。

 

教育費は、子どもの年齢や進学状況によって大きく変動します。就学前や小学校低学年であれば、5,000円以内を目安に設定するようにしましょう。

 

たとえば、以下の節約方法が効果的です。

  • 高額な塾の代わりに、月額制の通信教育を導入する
  • 公共図書館で必要な参考書や絵本を借りる
  • 学校や自治体が開催する無料の講座・体験イベントを活用する
  • オンライン動画やアプリで家庭学習の幅を広げる

 

交際費は、気づかないうちに膨らみやすい支出のひとつです。外食やレジャー費を見直せば、大きな節約につながります。

 

目安として、1万円以内に抑えるようにしましょう。具体的な節約方法は、以下のとおりです。

  • 外食を控え、ホームパーティーや持ち寄り食で楽しむ
  • 地域の無料イベントや催しを活用する
  • 公園や自然のなかでのピクニック

なるべくお金をかけずに楽しむ工夫を取り入れることで、支出を抑えつつ家族との時間をより豊かに過ごせます。

 

日用品費は、消耗品が中心で見直しがしやすく、手軽に始められる節約方法が多いといえます。

 

目安として、月1万円以内に抑えるようにしましょう。具体的な節約方法は、以下のとおりです。

  • ネット通販の定期購入を活用し、単価を抑える
  • ポイントアップ期間中に洗剤やトイレットペーパーなどをまとめ買いする
  • 100円ショップを利用する
  • 電子マネーやポイントでの支払いに切り替える

また、無意識のうちに発生する雑費を「見える化」し、買い物リストを作成するだけでも無駄を減らせます。

 

趣味やお小遣いも、意識的に管理すれば少ない費用で十分に楽しむことが可能です。

 

目安として1万円以内に抑えるようにしましょう。具体的な節約方法は、以下のとおりです。

  • ゲームの課金や趣味用品の衝動買いを控える
  • 図書館の本や無料アプリを活用する
  • ランニングや自宅ヨガなど、お金のかからない趣味を取り入れる
  • 夫婦間で毎月のお小遣い額や使い道を共有する

趣味を楽しみながら節約するには、内容を少し工夫するだけで十分です。「本当に必要な支出」を見極める意識が、充実した節約生活につながります。

 

節約と聞くと「我慢する」イメージがありますが、あらかじめ貯金を仕組みにしておくことで自然に使えるお金が制限され、結果的に支出を抑えられます。

 

目安として、1万5,000~2万円に抑えるようにしましょう。具体的な節約方法は、以下のとおりです。

  • 給与が入ったらすぐに先取り貯金をする
  • 銀行の自動積み立てサービスを利用する
  • 少額から始められる投資信託を検討する
  • 家計簿アプリで資産の推移を可視化する

「余ったら貯金」ではなく「貯金してから使う」を基本にすれば、自然と使えるお金が限定され、無駄遣いを防ぐことが可能です。

 

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節約は「我慢」と捉えられがちですが、楽しみながら取り組めば無理なく続けられます。成果を可視化したり、家族で協力したりすることで達成感も得やすくなるでしょう。

 

以下のような工夫を取り入れると、節約が日常の楽しみに変わります。

  • ポイント活用をゲーム感覚で楽しみ、たまった分でプチぜいたくをする
  • 外食を減らし、家族でホームパーティーを開いて食事を楽しむ
  • 思い出の品を見直し、フリマアプリで出品して整理と節約を両立する
  • 節電量をアプリで記録し、目標達成ごとにごほうびシールを貼る
  • 週5,000円以内で献立を考える「予算チャレンジ」に取り組む

上記のような工夫を積み重ねることで、家計に自然とゆとりが生まれます。その結果、暮らしの満足度も高まるでしょう。

 

3人家族で生活費を月20万円に抑えるには、支出項目ごとの見直しと、無理のない工夫を積み重ねることが大切です。

 

自分たちの生活スタイルに合った方法を見つけることで、家計の安定と暮らしの質を両立できます。

 

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更新日: / 公開日:2025.05.12