マイホーム購入には一定の費用がかかるため、資金計画は慎重に進めなければなりません。

ライフプランを基に考えていくことはもちろんですが、住宅購入費の相場を調べたり、住宅ローンのシミュレーションをしたりと、やるべきことがたくさんあります。

今回は、ファイナンシャル・プランナーで住宅購入のアドバイスも行っている岩永真理さんに、マイホームの資金計画の考え方や意識すべきポイント、無理のない返済計画を立てるための住宅ローンの組み方についてお話を伺いました。

物件を探す注文住宅カタログを探す無料で住まいの窓口に相談する

マイホームの資金計画で考えるべきこと

 

マイホームの資金計画を立てる際は、まずは毎月の家計の収支について確認し、家族と話し合ってライフプランについて決めておくとスムーズです。

 

住宅購入費以外にも目を向け、毎月の生活費や教育費、貯金にいくら必要か、さらに10年後、20年後にはどんな資金が必要になるかなど、ライフプランを基にシミュレーションするようにしましょう。

 

ある程度、家計の状況について把握できたら、次はいよいよマイホームの資金計画を立てていきます。まずは、以下の3つを行いましょう。

ステップ1:住みたいエリアの住宅価格の相場を調べる

ステップ2:住宅購入時の諸費用や住宅購入後の維持費、ライフプランなどを考慮し、住宅購入にかけられる金額を知る

ステップ3:頭金として払える金額を加算し、購入できる物件価格の目安を知る

マイホームの資金計画で特に意識すべきポイントは、次のとおりです。

ポイント

  • 住宅購入時にかかる諸費用(税金、手数料、火災・地震保険料、引越し代など)
  • 住宅購入後の維持費(修繕費、固定資産税、火災・地震保険料、マンションの場合は管理費と修繕積立金)
  • 将来的に必要になるお金(教育費、老後費用など)

ライフプランをふまえたうえで、上記の金額の支払いが問題なく行われ、安定した生活を送れるかどうかが、マイホームの資金計画を考える際には重要になります。

住宅ローンの組み方

 

マイホームを購入するときは、多くの人が住宅ローンを組みます。

 

住宅ローンは利用用途が自分の住むための住宅費用(投資用やセカンドハウスなどではない)に限られており、住宅を担保に借入をするため、比較的低金利で返済期間を長く設定できることが特徴です。

 

住宅ローンは、金利の種類や返済期間、毎月の返済額などの条件によって借入可能額が異なります。ここでは、住宅ローンを組むときの考え方について、3つのポイントを紹介します。

 

住宅ローンの金利の種類は主に、固定金利型と固定金利選択型、変動金利型の3つがあります。

 

現在、教育費がかかっている人など、金利上昇リスクに対応できる経済的余裕が少ない人は、金利が全期間もしくは一定期間変わらない固定金利型や固定金利選択型を選ぶとよいでしょう。

 

一方、金利上昇リスクに耐えられる経済的余裕がある人は、低金利を見越して変動金利を選択するのもよいでしょう。

 

住宅ローンの返済期間は30年以上で組むケースが多くあります。

 

返済期間を何年に設定するかは、借入時の年齢・借入総額・定年までの年数を考慮し、無理のない範囲で設定するとよいでしょう。可能であれば、定年までに完済できるように設定できると安心です。

 

住宅ローンの毎月の返済額を決めるときに、賃貸物件を借りていたときの家賃を基準に考える人もいるかもしれません。

 

しかし、今後のライフイベントにかかる費用や老後資金のための貯金、さらに急な出費などを考慮すると、家賃を基準に返済額を決めるのは安全とはいえません。

 

毎月の返済額については、住宅ローン以外のローンも含めた返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)の基準を25%以内にすると一般的にはリスクが少ないといわれています。

 

年収については手取り年収で計算するようにし、たとえば手取り年収300万円の場合は「300万×0.25÷12=6万2,500円」、毎月6万2,500円以内の返済額であれば基準値内といえます。

 

返済負担率を参考にしながら毎月の返済額を検討しましょう。

 

物件を探す 注文住宅カタログを探す 住まいの窓口に資金計画を相談する

マイホームの資金計画に関するよくある疑問

 

それでは最後に、マイホームの資金計画における、よくある疑問について紹介します。

 

マイホームの資金は、早めに準備すれば頭金をためる時間が増え、購入できるマイホームの選択肢も広がります。購入を希望する時期から逆算し、その数年前から頭金を貯蓄で確実に準備していくとよいでしょう。

 

たとえば、35年のローンで定年の65歳までに完済するのであれば、30歳がマイホームを購入するタイミングになります。その際は、20代後半から30歳までに頭金を準備できると理想的です。

 

収入が減るといった滞納リスクに備え、あらかじめ余裕を持った資金計画を立てることが大切です。具体的な対策は、以下となります。

対策

  • 返済負担率は手取り年収の25%以内に設定する
  • 借入金額は定年前に完済ができる、もしくは退職金などで繰り上げ返済してリタイア時には完済できる範囲にする
  • 頭金を多めに用意し、借入金額を減らす など

住宅ローンのシミュレーターでシミュレーションする際は、定年後に返済を続けることが難しいことを念頭に置いて返済期間を設定しましょう。

 

金融機関から借りられる金額ではなく、あくまで自分たちが実際に返せる金額を借りることが大切です。

 

マイホームの資金計画を立てるうえでポイントとなるのが、家計収支の把握とライフプランの設定、住宅ローンの組み方の主に3つです。住宅購入費以外の出費についても考慮しながら、無理のない返済計画を立てましょう。

 

物件を探す 注文住宅カタログを探す 住まいの窓口に資金計画を相談する

更新日: / 公開日:2022.08.26