親世帯と子世帯が一緒に暮らす二世帯住宅ですが、住宅ローンの組み方で頭を悩ませることもあるかもしれません。

「ローンの名義を誰にするべきか」「月々の返済額をいくらに設定すべきか」など家族で話し合い、決めていく必要があります。

今回は、そんな二世帯住宅の住宅ローンの組み方について、主な方法や注意点を紹介します。

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二世帯住宅の住宅ローンの組み方

 

LIFULL HOME’Sが2017年に実施した「二世帯同居調査」(※)によると、二世帯住宅の費用負担については「ほぼ親世帯が出した」(33.1%)、「ほぼ子世帯が出した」(21.7%)、「半分ずつくらい出した」(20.4%)という結果になりました。

二世帯住宅の費用はどちらが出したか

二世帯住宅の費用はどちらが出したか

もちろん家庭によって状況は異なりますが、住宅購入費については親世帯が子世帯よりも多く出す傾向があります。

 

二世帯住宅を購入する際の資金計画の方法としては、以下の3パターンが考えられます。

二世帯住宅を購入する際の資金計画の方法

  • 親または子のどちらかが頭金と住宅ローンの全額を負担
  • 親または子が頭金を出し、一方の子または親が住宅ローンを借り入れる
  • 頭金と住宅ローンを親子が一緒に負担する

住宅ローンの負担を少しでも減らすためには、頭金を多く支払う必要があります。

 

そのため、二世帯住宅で住宅ローンを組む場合は、「誰が頭金を出すか」「誰が住宅ローンを借り入れるか」がポイントになります。

 

※ LIFULL HOME’S「親と子どちらが出す?二世帯住宅の費用負担は3人に1人が○○【二世帯同居調査3】

 

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親世帯と子世帯が費用を負担し合って住宅ローンを組む場合、次の3つのパターンが考えられます。

二世帯住宅の住宅ローンの組み方

  • 収入合算で住宅ローンを組む
  • 親子ペアローンを組む
  • 親子リレーローンを組む

この3つのパターンはそれぞれメリットとデメリットがあるので、特徴を理解し、よく検討することが大切です。

収入合算で住宅ローンを組む

 

住宅ローンを組む際に希望の借入額に届かない場合は、親と子、もしくは夫婦の収入を合わせて申し込む「収入合算」という方法があります。

 

合算できる相手は1人のみで、申込時の年齢が満70歳未満であること、合算の相手が連帯債務者になることが主な条件です。

 

収入合算によって住宅ローンの借入可能額が増えるため、希望する条件をかなえやすくなります。また、住宅ローン控除額が増えて、節税効果が高くなる点が収入合算の大きなメリットです。

 

一方、収入合算は収入合算の相手がローンの連帯保証人となるため、名義人が返済できなくなった場合は連帯保証人が返済義務を負うことになります。

 

万が一、収入合算の相手が死亡したとしても、その分のローンが免除されることはないため注意が必要です。

親子ペアローンを組む

 

収入合算と同様に、借入額を増やせるローンが「親子ペアローン」です。ただし、親子ペアローンは親と子がそれぞれ住宅ローンを契約し、返済していくことになります。

 

親と子が同居する親族であること、それぞれの住宅ローン契約において連帯保証人であることなどが条件となります。

 

親子ペアローンのメリットは高額な住宅の購入が可能になること、親と子それぞれが団体信用生命保険(以下、団信)に加入し、住宅ローン控除を受けられることなどが挙げられます。

 

また、もしローン返済中にどちらかが死亡するなど返済できなくなったとしても、団信に加入していれば債務が引き継がれることはありません。

 

一方、デメリットとしては住宅ローンの契約にかかる諸費用が倍になること、どちらも審査に合格しなくてはいけないことなどが挙げられます。また、単独よりも借入可能額が増額できる分、必要以上に借り入れないよう、注意が必要です。

親子リレーローンを組む

 

親子リレーローンとは、ローンの返済当初は親世帯が負担し、途中で子世帯がローンの返済を引き継ぐ、リレー形式のローンのことをいいます。

 

まずは収入の高い親世帯が負担をし、退職して収入が下がるタイミングで子世帯にローンを引き継ぎます。ライフスタイルの変化に対応できる点がメリットで、親子リレーローンの後継者は、子以外に孫がなることも可能です。

 

一方、デメリットとしては親から子へ引き継ぐタイミングが当初の予定とは違った場合、返済が難しくなる可能性がある点です。親世帯の収入が突然減ってしまった場合や、親が亡くなってしまった場合は、子がすぐにローンを引き継ぐことになります。

 

不測の事態が起きた場合に、ローンの返済を子世帯ができなくなってしまうと、住まいを手放さなければならない可能性があります。

 

親子リレーローンは親が団信に加入できず、子のみが加入するケースが一般的ですので、不測の事態に備えられるように返済計画を立てる必要があります。

ローンの組み方以外にも頭金や相続について話し合うことが大切

 

二世帯住宅を建てる際は、親世帯と子世帯がしっかりと話し合いをして資金計画を立てることが大切です。

 

ローンを組む際の頭金や諸費用をどのように負担するのか、借入額が大きくなる場合の限度額の設定方法など、専門家にも相談しながら決めるようにしましょう。

 

また、万が一、同居を解消することになった場合の住宅ローンの返済方法についてもあらかじめ決めておくと安心です。兄弟姉妹がいる場合は相続トラブルが発生しやすいので、不動産の相続方法についても家族全員で話し合っておきましょう。

 

二世帯住宅の住宅ローンの組み方を決める際は、収入合算と親子ペアローン、親子リレーローンのそれぞれの特徴を理解し、どの方法であれば無理のない返済計画が立てられるか、慎重に検討するようにしましょう。

 

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更新日: / 公開日:2022.07.08