- 新築住宅は期間限定で固定資産税が安くなる
- 新築住宅は、一戸建てなら3年間、マンションなら5年間など、期間限定で固定資産税が2分の1に減額されます。土地も「住宅用地の特例」で税負担が軽くなるため、購入後の大きなメリットといえるでしょう。
詳しくは、「新築住宅は固定資産税の減税対象に」をご覧ください。 - 軽減終了後は税額が上がるが将来的には安くなる
- 新築住宅の軽減措置が終わると税額は一度上がります。しかし、建物は築年数の経過とともに評価額が下がるため、それに伴い固定資産税も徐々に安くなっていきます。長期的な税額の変化を把握しておくことが大切です。
詳しくは、「新築住宅を購入して6年後・10年後・20年後の固定資産税をご覧ください。 - 3,000万円の家の固定資産税と節税のコツ
- 土地1,400万円、建物1,600万円の家の場合、軽減措置適用中の固定資産税は約10万円が目安です。また、物置やシャッター付きガレージなど、後から設置したものでも課税対象となる場合があるため注意が必要です。
詳しくは、「3,000万円の新築住宅の固定資産税をシミュレーション」をご覧ください。
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新築住宅を購入すると、毎年固定資産税を納めなくてはなりません。固定資産税は土地と建物の評価額によって納める金額が決まりますが、新築住宅は、特例として固定資産税の減税措置を受けられます。
今回は、3,000万円の新築住宅を購入するケースを例に、固定資産税の納付額と減税額の目安について紹介します。
そもそも、固定資産税とは?

固定資産税とは、建物や土地などを所有している人に対して、市町村が課税する税金です。新築住宅を購入すると、毎年固定資産税を納める義務が発生します。
東京23区は特例で区が課税することになっていますが、一般的に住宅を購入した翌年の4~6月ごろに納付書が送られてくるので、納付期限までに支払いをします。
固定資産税の支払い方法は、現金払い・口座振替のほか、市町村によってはクレジットカード払いやATM・インターネットバンキングから支払えるペイジーに対応していることもあります。
年4回の分割払いが基本ですが、自治体によっては一括払いが選択できるケースもあります。
新築住宅は固定資産税の減税対象に
良質な住宅の建設を促進することを目的に、新築住宅にかかる固定資産税については減税措置が設けられています。適用期限は2026年3月31日までで、下表の床面積要件を満たした住宅が対象です。
新築の一戸建ては3年間、新築マンションは5年間、認定長期優良住宅は5年間(マンション等の場合は7年間)、固定資産税が2分の1に減額となります。
| 床面積要件 | 減額 | 減額期間 |
|---|---|---|---|
新築住宅 | 50平米以上280平米以下 | 1/2 | 3年間 |
新築マンション | 1/2 | 5年間 | |
認定長期優良住宅 | 1/2 | 5年間 7年間(耐火・準耐火建築物、マンション等の場合) |
ちなみに、適用期間終了後は固定資産税の税額は元に戻ります。
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新築住宅を購入した場合の固定資産税の計算方法

固定資産税は、「固定資産税評価額×1.4%(標準税率)」の計算式で求められます。税率は多くの自治体が1.4%となっていますが、自治体によっては1.5%や1.6%に設定されているケースもあります。
評価額については、市町村役場で「固定資産税評価証明書」という書類を取り寄せて確認するか、もしくは国土交通省が公表している地価公示価格を確認するという方法があります。
土地は時価の6~7割、建物は建築費の5~7割が評価額の目安です。
評価額は原則として3年ごとに見直しが行われますが、一戸建て住宅はマンションよりも課税対象となる土地の面積が広いため、税負担が大きくなる傾向があります。また、住んでいる地域や建物の構造によって、評価額は異なります。
土地の評価額は変更がないことが多いですが、建物は年数がたつと減価償却するため、評価額が下がり、税額も少なくなります。
住宅用地の特例
固定資産税には新築住宅の特例のほかにも、「住宅用地の特例措置」が設けられています。
住宅用地とは、家を建てるために使われている土地のことで、特例では200平米以下の部分は課税評価額が6分の1、200平米を超える部分については課税評価額が3分の1となります。
課税評価額が下がれば、その分固定資産税も安くなります。
| 軽減率 |
|---|---|
小規模用土地(200平米以下) | 評価額×1/6 |
一般住宅用地(200平米を超える部分) | 評価額×1/3 |
3,000万円の新築住宅の固定資産税をシミュレーション

それでは、3,000万円の新築住宅を購入したケースを例に、固定資産税をシミュレーションしてみましょう。
土地代込みで3,000万円というと、建築費にはあまり予算をかけられませんが、今回は以下のような設定条件で試算してみました。
設定条件
土地の取得費:1,400万円(土地の固定資産税評価額980万円)
建物の建築費1,600万円(建物の固定資産税評価額1,120万円)
土地面積120平米
建物面積80平米
※土地・建物の評価額は7割で計算
※「住宅用地の特例」により、土地の課税評価額は6分の1
土地の固定資産税=980万円×1.4%×1/6=2.2万円(100円未満切り捨て)
建物の固定資産税=1,120万円×1.4%×1/2=7.8万円(100円未満切り捨て)
合計:2.2万円+7.8万円=10万円
新築住宅を購入して6年後・10年後・20年後の固定資産税
固定資産税の減税措置は、適用期間が終了すれば税額が元に戻ります。
しかし、建物の評価額は築年数によって評価額が下がりますので、ここでは東京法務局の「経年減価補正率表」の減価補正率を基に固定資産税をシミュレーションします。
建物の固定資産税(6年後)
1,120万円×1.4%×0.62(減価補正率)=9.7万円(100円未満切り捨て)
合計:2.2万円(土地の固定資産税)+9.7万円=11.9万円
建物の固定資産税(10年後)
1,120万円×1.4%×0.5(減価補正率)=7.8万円(100円未満切り捨て)
合計:2.2万円(土地の固定資産税)+7.8万円=10万円
建物の固定資産税(20年後)
1,120万円×1.4%×0.26(減価補正率)=4万円(100円未満切り捨て)
合計:2.2万円(土地の固定資産税)+4万円=6.2万円
減税措置の適用終了後は税額が高くなりますが、築10年になると新築住宅の特例と同じくらいの税額になり、さらに築20年では税額負担が少なくなっています。
このシミュレーションはあくまで目安となりますので、実際の購入額と評価額で試算してみましょう。

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固定資産税を抑える方法は?

固定資産税は計算式が決まっているため、特例措置以外では減額にはなりません。固定資産税を抑えるためにできることは、必要以上に「固定資産」を増やさないことです。
たとえば、物置やシャッター付きのガレージなど、屋根と三方を囲んだ壁がある建物は固定資産と認定され、課税対象となる可能性があります。
「基礎が固定されていなければ課税対象にならない」といったルールがあるため、設置する前に確認するようにしましょう。
また、固定資産税は滞納してしまうと、延滞金がかかります。滞納しないように計画的に支払うことが重要です。心配な人は固定資産税や維持管理費がどれだけかかるかをシミュレーションし、住宅の購入を検討するようにしましょう。
まとめ

新築住宅を購入すると、毎年固定資産税を支払います。住んでいる地域や建物の構造によって税額は異なりますが、あらかじめ評価額を調べてシミュレーションすることができます。
今回は新築住宅を3,000万円で購入したケースを例に紹介しましたが、実際の価格に当てはめて計算してみてください。
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よくある質問
Q.1 固定資産税とは何ですか? 家を買ったら必ず支払うものですか?
A.1 固定資産税は、土地や建物といった資産を持つ人にかかる市町村税です。家を購入すると、その資産(土地と建物)に対して毎年支払う義務があります。
Q.2 固定資産税は、いつ、どのように支払うのですか?
A.2 家を購入した翌年の4月~6月ごろに、お住まいの市町村から納付書が届きます。年4回に分けて支払うのが基本で、現金払いや口座振替、クレジットカードなど、自治体が指定する方法で納付します。
Q.3 固定資産税の目安は、どうやって計算できますか?
A.3 「固定資産税評価額×1.4%(標準税率)」で大まかな税額が分かります。この評価額は家の購入価格とは異なり、土地は時価の6~7割、建物は建築費の5~7割程度が目安です。
Q.4 新築住宅は固定資産税が安くなると聞きました。本当ですか?
A.4 はい、新築住宅には税金の軽減措置があります。床面積などの条件を満たすと、一戸建ては3年間、マンションは5年間、建物の固定資産税が半分になります。
Q.5 建物だけでなく、土地の固定資産税も安くなりますか?
A.5 はい、住宅が建っている土地にも「住宅用地の特例」が適用されます。土地の面積に応じて評価額が6分の1または3分の1に減額されるため、税負担が軽くなります。
Q.6 たとえば3,000万円の新築一戸建てだと、年間の固定資産税はいくらくらいですか?
A.6 あくまで一例ですが、土地と建物の評価額によっては、軽減措置の適用期間中で年間約10万円が目安です。
Q.7 軽減措置の期間が終わると、税金は高くなりますか?
A.7 軽減措置がなくなる分、一時的に税額は上がります。しかし、建物は年数の経過とともに評価額が下がっていくため、固定資産税も将来的には少しずつ安くなっていきます。
Q.8 固定資産税を安くする方法はありますか?
A.8 軽減措置などを除き、税額を直接安くすることは難しいです。ただし、基礎を固定した物置やガレージなど、後から追加するものも課税対象になる場合があるため、固定資産をむやみに増やさないことが一つのポイントになります。
更新日: / 公開日:2022.07.06










