一人暮らしでは、毎月の家賃や光熱費を安定して支払うためにも、しっかりと金銭管理を行うことが大切です。
特に、毎月の生活費のなかで大きな割合を占めるのは「食費」なので、あらかじめ目安の金額を把握しておくと安心です。
今回は1ヶ月の平均的な食費と、無理なく続けられる節約術をまとめて紹介します。
一人暮らしにぴったりな物件
一人暮らしの食費平均額

まずは、一人暮らしの平均的な食費をさまざまな統計データから見ていきましょう。
一般的な単身世帯
総務省統計局の「家計調査」では、世帯構成や年齢別に平均的な生活費の内訳を確認することができます。2020年の調査結果によると、一人暮らしの平均的な食費は以下のとおりです。
単身世帯の平均食費
男性:4万2,165円
女性:3万4,850円
このように、食費は男女差が出やすい項目なので、参考にするときにはできるだけ自身と近い指標を確認することが大切です。
大学生の一人暮らし
上記の食費には酒類や外食費なども含まれているので、大学生の一人暮らしになると、もう少し1ヶ月当たりの金額は安くなる傾向があります。
全国大学生協連による「学生生活実態調査の概要報告」では、下宿をしている大学生の1ヶ月当たりの平均食費は「2万4,570円」となっています。
この水準は、直近10年ではそれほど大きく動いておらず、もっとも高かった2019年でも2万6,390円と一般的な平均値よりは低い基準です。
大学生で初めて一人暮らしをする場合は、家計調査だけでなく、こちらの基準も意識して家計のプランを検討してみるといいでしょう。
理想的な食費の割合はどのくらい?

前提として、毎月の生活費は年収や月収などの額面ではなく、「手取り」から考えることが大切です。手取りとは、額面収入からさまざまな税金や保険料などが差し引かれた金額であり、実際に使えるお金と考えて問題ありません。
手取りに対する食費の適正範囲は、ほかの費用とのバランスによっても異なりますが、15~20%程度が理想的な目安とされています。そのため、自由に使えるお金に対して、どのくらいまで食費にかけられるのか、具体的な上限額を明確にしてみるといいでしょう。
なお、手取りの15%に設定すると、適切な食費の範囲は以下の表のようになります。
手取り額(自由に使えるお金) | 適切な食費の目安 |
|---|---|
12万円 | 1万8,000円 |
14万円 | 2万1,000円 |
16万円 | 2万4,000円 |
18万円 | 2万7,000円 |
20万円 | 3万円 |
22万円 | 3万3,000円 |
24万円 | 3万6,000円 |
26万円 | 3万9,000円 |
28万円 | 4万2,000円 |
家計調査における一般的なデータと比較をすると、手取りが28万円あれば男性の平均的な食費を捻出できると考えられます。また、手取り22万円あれば、女性の平均的な食費を捻出できる計算になります。
先ほど紹介した大学生の平均食費は、手取り16万円程度から無理なく捻出できる金額といえそうです。
自由に使えるお金が少ない場合、食費をこれ以上削ろうとするのはあまり現実的ではないため、娯楽費や家賃などの生活費を調整することも検討しましょう。
一人暮らしにぴったりな物件自炊派も外食派もチェック! 無理なく食費を抑える節約術

ここでは、無理なく食費を抑えるコツについて、自炊派と外食派のそれぞれに分けて紹介します。
自炊派が実践すべき節約のコツ
普段から自炊に慣れている場合は、外食派と比べてすでにある程度節約できているため、無理に大幅なコストカットをしようとする必要はありません。
まずは、日々の買い物のなかで、以下のポイントを意識してみるといいでしょう。
ポイント
- インターネットやチラシでセールや特売のタイミングをチェックする
- 業務用やお徳用を活用してまとめ買いを心がける
- 安くて幅広いメニューに活用できる食材を選ぶ
- 安く食材を入手できる店舗を複数見つけておく
- アプリやポイントカードを活用する
食材選びでは、比較的アレンジしやすいものを中心にセレクトするのがコツです。価格が安くて活用の幅も広い食材としては、以下のようなものが挙げられます。
野菜類
- キャベツ
- もやし
- 玉ねぎ
- 大根
- じゃがいも
- キノコ類
肉類
- ひき肉
- 鶏むね肉、鶏もも肉
その他
- 豆腐
- 卵
- うどん
- ホットケーキミックス
- トマト缶
外食派が実践すべき節約のコツ
普段から外食が多い場合には、自然と食費の割合も高くなってしまいやすいので注意が必要です。
とはいえ、いきなり外食を控えようとしても難しい面があるので、以下のようなポイントを心がけることから始めてみるといいでしょう。
ポイント
- お得なランチタイムやハッピーアワーなどのサービスを利用する
- コンビニや自販機の利用は控える
- 割引クーポンなどを活用する
- スーパーの見切り品を狙う
- なるべく格安チェーン店を利用する
いくつかの方法は普段から実践している人も多いかもしれませんが、複数を組み合わせることで1ヶ月単位でも大幅な節約が期待できます。
ちょっとした心がけ次第で、それほど負担なく続けられるものばかりなので、家計の見直しを機に取組んでみましょう。
自炊を長く続けるためのコツ

外食派でも工夫をすればある程度の節約は可能ですが、やはり食費を抑えるなら自炊が基本です。しかし、食事は毎日のことなので、無理をしても決して長続きはしません。
ここでは、自炊を持続するために押さえておきたいコツを見ていきましょう。
無理をせずたまには外食日をつくる
外食派から自炊に切り替える場合は、無理に毎日続けようとするよりも、定期的に外食の日を設けるのが長続きさせるコツです。
忙しい日やどうしても気分が乗らないときには、外食をしても自分をあまり責めず、次の日から自炊を再開できるようにモチベーションをコントロールしましょう。
なお、個人の価値観にもよりますが、初めから毎日自炊するつもりで予算を組んでしまうと、外食日をきっかけに節約意識が崩れてしまうケースが多いです。
そのため、1週間単位などであらかじめ外食用の予算を用意しておき、「外食費はそこから捻出する」「自炊を続けられたら貯金に回す」といった工夫を凝らすのもひとつの方法です。
休日にまとめて作り置きをする
自炊を続けるとはいっても、必ずしも毎日調理をしなければならないわけではありません。休日に作り置きをしておけば、忙しい平日は温めなどの最低限の工程で済むので、無理なく自炊を続けやすいです。
また、作り置きをしておけば、買い物の回数も減るので、自然と無駄なものを買うリスクが少なくなるのもメリットです。
手間がかからない料理から挑戦する
初めて自炊をする場合は、つい背伸びをして難しい料理にも挑戦したくなってしまうものです。しかし、無理なく続けるためには、手間がかからず簡単にできるものからスタートすることが大切です。
失敗しにくい料理から始めて、慣れてきたら新しいレパートリーに挑戦するようにしておけば、自炊をしていても飽きにくいのでおすすめです。
自分ですべてをつくろうとはしないこと
自炊に挑戦するとはいっても、すべてを完璧に手作りしないといけないと考える必要はありません。必要に応じて、冷凍食品やお総菜、レトルト食品などを活用することも、無理なく自炊を続けるコツのひとつです。
どうしても忙しいときには、お総菜などはスーパーで購入して、ごはんを自分で炊いておくだけでも、外食と比べれば大きな節約になります。
一人暮らしにぴったりな物件一人暮らしの生活費を節約する方法

生活費を節約するためには、ひとつの項目を無理に削ろうとするよりも、全体に目を向けることが大切です。ここでは、節約のコツとしていくつかのポイントを紹介します。
月々の固定費を見直す
固定費とは、毎月の支払額が決まっている費用のことであり、具体的には家賃や水道光熱費、保険料、携帯電話料金などが挙げられます。
毎月必ず発生するだけに、節約ができれば少しの金額であっても大きな効果があり、無理なく続けられるのがメリットです。
たとえば、携帯電話のプランを見直したり、不要なサブスクリプションサービスを解約したりするだけで、月間数千円のコストが節約できることもあります。年間で考えれば、家賃1ヶ月分程度の大きな額になるケースも少なくはありません。
家賃の安い物件を見つける
収入などの状況にもよるものの、1ヶ月の出費全体を見れば、家賃がもっとも大きな支出になるケースが多いです。そのため、生活コストを抑えるなら、家賃が安い物件を見つけるのがもっとも近道となります。
家賃を抑えられる部屋には以下のような特徴があるので、妥協できる条件がないか確認してみましょう。
家賃を抑えられる部屋の特徴
- 駅から離れている
- 踏切や線路沿い、幹線道路沿いなどで騒音が気になりやすい
- 築年数が古い
- 1階
- 特殊な間取り、部屋が狭い
- 日当たりに恵まれない
- 3点ユニットバス、室外洗濯機置き場
これらの条件はあくまで一例ではありますが、家賃が相場より安い物件には一定の共通点があるのも確かです。
理想の条件をすべて叶えようとすると、どうしても家賃は高くなってしまうので、必要な条件を明確にしたうえで、項目ごとに優先順位をつけておきましょう。
まとめ

- 単身世帯の平均的な月間の食費は男性で4万2,165円、女性で3万4,850円、大学の下宿生で2万4,570円ほど
- 食費の割合は手取り(自由に使えるお金)の15~20%以内が目安
- 食費を節約するためには、無理なく自炊を続けられるコツを押さえる
- 外食派でも工夫次第である程度の節約は可能
- 食費以外の節約ポイントにも目を向けてみよう
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