- 返済期間で変わる毎月の返済額と総支払額
- 住宅ローン1,000万円を金利1.5%で借りた場合、毎月返済額は返済期間15年で約6.2万円、35年で約3.1万円です。返済期間が長いほど毎月の負担は軽くなりますが、利息が増えるため総支払額は高くなります。ライフプランに合わせてバランスを考えることが大切です。
詳しくは、「〈返済期間別〉住宅ローン1,000万円の『毎月返済額』と『総支払額』」をご覧ください。 - 住宅ローン1,000万円を借りるための年収目安
- 無理なく返済できる目安の返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)は25%以内です。これを基に計算すると、必要な年収の目安は返済期間15年で約298万円、35年で約147万円。年収300万円程度あれば、無理なく返済できる可能性があることが分かります。
詳しくは、「1,000万円の住宅ローンを借りるのに必要な年収」をご覧ください。 - 年収に不安があっても住宅ローンを組む方法
- 住宅ローンの審査では年収の最低基準が設けられている場合がありますが、金融機関によって異なります。年収に不安がある場合は、頭金を多く用意したり、夫婦の収入を合算する「収入合算契約」や「ペアローン契約」を検討したりすることで、審査に通りやすくなる可能性があります。
詳しくは、「年収が低くても大丈夫? 住宅ローン審査に通過するためのポイント」をご覧ください。
住宅ローンを借りるときには、借入予定額に対して毎月どのくらいの返済額になるのか、具体的に計算しておくことが大切です。
そして、毎月返済額が明らかになれば、そこから必要な年収の目安も算出することができます。
今回は「借入額1,000万円」の住宅ローンを借りる際の返済計画について、シミュレーションをしながら見ていきましょう。
〈返済期間別〉住宅ローン1,000万円の「毎月返済額」と「総支払額」

住宅ローン1,000万円の返済計画について、まず毎月返済額と総支払額はどのくらいになるのでしょうか。
今回はLIFULL HOME’S「住宅ローンシミュレーター」を使い、以下の条件で計算を行います。
条件
- 頭金なし、ボーナス払いなし
- 返済期間は15年、25年、35年で計算
- 金利は全期間固定金利1.5%で計算
上記の条件で計算した結果、毎月返済額と総支払額はそれぞれ以下のようになりました。
| 毎月返済額 | 総支払額 |
|---|---|---|
返済期間15年 | 6万2,074円 | 1,117万3,374円 |
返済期間25年 | 3万9,994円 | 1,199万8,090円 |
返済期間35年 | 3万618円 | 1,285万9,746円 |
返済期間が長ければ利息の負担分も大きくなるため、総支払額も増えます。一方、毎月の返済額は少なくなるため、無理のない返済計画を立てやすくなるのはメリットです。
ただ、住宅ローンの審査では借入時年齢と完済時年齢がチェックされるので、年齢によっては長い返済期間を確保できない場合もあります。
総支払額と毎月返済額のバランスとともに、ライフプランも考慮しながら適切な返済計画を立てましょう。

1,000万円の住宅ローンを借りるのに必要な年収

毎月返済額が明らかになれば、必要な年収の目安を割り出すことができます。無理なく返済できる年収の計算方法と、1,000万円の住宅ローンに必要な年収の目安について解説します。
無理なく返済できる年収の計算方法
無理のない住宅ローン借入額と年収のバランスを見極める基準として「返済負担率」という指標があります。
返済負担率とは、「年収に対する年間返済額の割合」のことであり、収入のどのくらいを返済に充てるのかを示す指標です。
たとえば、年収400万円の世帯で、毎月10万円の住宅ローン返済を行う場合、返済負担率は「10万円×12ヶ月÷400万円=30%」となります。
多くの金融機関では、返済負担率の上限を30~40%としているため、このケースは審査のうえでは問題がないと判断できます。
しかし、一般的に無理なく返済できる指標は「25%以内」とされているため、計画を立てる際にはこの数値を意識しておくことが大切です。
必要な年収の目安
先ほどのシミュレーションで割り出した毎月返済額を基に、返済負担率が25%以内に収まる年収を割り出してみましょう。
その場合、返済期間15年なら「約298万円」、25年なら「約192万円」、35年なら「約147万円」となりました。
この試算結果から、300万円ほどの年収があれば、返済期間を15年に設定しても無理なく支払いを続けられることが分かります。
また、返済期間を長くとれば、年収200万円以下でも借りられる計算となります。
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年収が低くても大丈夫? 住宅ローン審査に通過するためのポイント

先ほどの試算結果を通して、1,000万円の住宅ローンを借りられる年収目安が分かりました。しかし、年収が一定以下の場合は、そもそも住宅ローン審査に通るか不安を感じてしまう面もあります。
ここでは、住宅ローン審査の仕組みと注意点を見ていきましょう。
年収に関する審査基準は金融機関ごとに異なる
住宅ローンの取扱いをする金融機関の多くは、審査基準として年収の最低ラインを設定しています。
特に、主要なネット銀行などでは「前年度年収の基準が200万~400万円」以上と設定されることが多いです。
しかし、「安定した年収が見込まれる」場合に限り、基準を「100万~150万円程度」としているところもあります。そのため、年収に不安がある場合は、基準をきちんと確かめておくことが重要です。
できるだけ頭金を用意する
年収に不安がある場合には、頭金として一定割合の自己資金を用意しておくことも大切です。
頭金には当然ながら利息がかからないので、用意する割合が大きければ大きいほど、総支払額は少なくなります。
また、必要な住宅費用に対して借入額が少なくなるので、金融機関の審査にも通りやすくなります。
収入合算などを検討する
夫婦共働き世帯の場合は、それぞれの年収を合わせて住宅ローンを組むこともできます。
「収入合算契約」や「ペアローン契約」を利用すれば、審査対象となる年収額を合算できるので、借り入れできる金額を増やせたり、審査に通過しやすくなったりするメリットがあります。

前倒し返済でお得になる? 繰り上げ返済の仕組みとメリット

住宅ローン1,000万円の毎月返済額は比較的低めであり、今後収入が増えるなどした場合には、ゆとりが生まれることもあります。
そこで、返済に余裕が生まれたときに活用できる制度についても事前に理解しておくといいでしょう。
繰り上げ返済の仕組みとメリット
繰り上げ返済とは、資金にゆとりが生まれたタイミングで、住宅ローンの一部を前倒しで返済する方法です。通常の返済分に上乗せして支払いを済ませることで、その後の返済負担を軽減させる仕組みです。
繰り上げ返済は、前倒しした分をどのように活用するかによって、「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つの方法に分かれます。
以下のように、それぞれ異なる特徴を持っているので、ライフプランに合わせて選択しましょう。
返済期間短縮型
毎月の返済額を変えずに返済期間を短縮する方法
- 利息の軽減効果が高い
- 早く完済できる
返済額軽減型
返済期間を変えずに毎月の返済額を減らす方法
- 安定した支払いを続けやすい
- 教育費負担の増加といったライフプランの変更にも対応しやすい
ただ、繰り上げ返済には手数料がかかることもあるので、あらかじめ利用時のコストを調べておく必要があります。また、住宅ローンはそもそも一般的なローンより金利が低く設定されています。
繰り上げ返済は、そのほかのローンを利用しなくても済む程度にゆとりのあるタイミングで行うことが大切です。
大きな支出や収入減に備えて、少なくとも生活費の半年から1年分の貯蓄は手元資金として残しておきましょう。
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建築費1,000万円でどんな家が建てられる?

住宅ローン1,000万円を借りる主なケースとしては「すでに土地を所有しており、建築費のみをローンで調達したい」といったパターンが考えられます。
ここでは、参考例として、建築費1,000万円で建てられる家の特徴を見ていきましょう。
建築費1,000万円はどのくらいの価格帯?
住宅金融支援機構がまとめた「フラット35利用者調査」(2020年)によれば、注文住宅の建築費の平均所要資金は「3,534万円」です。このデータと比較をすると、建築費1,000万円は平均よりもかなり低い基準といえます。
しかし、プランや選ぶ建材などの工夫によっては、建てられる予算でもあります。そのため、事前にどのようなプランなら実現可能なのか、おおまかな目安を知っておくことが大切です。
建築費予算1,000万円で建てられる家の特徴
一般的に、合計建築費1,000万円台で建てられる住宅は「ローコスト住宅」と呼ばれます。
具体的には広さ35坪程度、坪単価20万~40万円台の住宅を指し、部材・設備の大量一括購入、設計の合理化といった工夫によって、品質をなるべく落とさずにコスト削減が実現される仕組みです。
ある程度工程が規格化されているため、予算をかけられる場合と比べてプランの選択肢は狭くなってしまいますが、品質や性能はそれほど大きく劣るわけではありません。
決められた範囲内であれば、細かな仕様のセレクトなどは可能な場合もあります。
ローコスト住宅の具体的な特徴としては、以下のようなポイントが挙げられます。
特徴
- 総二階建てなどのシンプルな形状
- 標準仕様の建材や仕上げ材
- スタンダードな設備や内装
- 片流れタイプなどのシンプルな屋根
建築費1,000万円は、こだわりを自由に反映させられる予算ではありませんが、無駄を省いたシンプルなプランであれば、実現可能な価格帯ではあります。
1,000万円台のローコスト住宅カタログを探すまとめ
- 住宅ローン1,000万円、固定金利1.5%の毎月返済額は35年ローンだと約3万円が目安
- 計算上は年収300万円程度あれば無理なく返済可能といえる
- 金融機関ごとに年収の審査基準が決められているので、あらかじめチェックしておこう
- 返済にゆとりが生まれたら、繰り上げ返済を活用してみるのもひとつの方法
よくある質問
Q1. 住宅ローン1,000万円を借りる場合、毎月の返済額と総支払額はどのくらいになりますか?
A1. LIFULL HOME’Sの住宅ローンシミュレーターによると、金利1.5%(全期間固定金利)、頭金・ボーナス払いなしの場合、以下の金額が目安です。
- 返済期間15年: 毎月約6.2万円、総支払額約1,117万円
- 返済期間25年: 毎月約4万円、総支払額約1,200万円
- 返済期間35年: 毎月約3.1万円、総支払額約1,286万円
返済期間が長くなると毎月の返済額は抑えられますが、総支払額は増える傾向にあります。
Q2. 1,000万円の住宅ローンを組むには、どのくらいの年収が必要ですか?
A2. 無理なく返済できる目安とされる「返済負担率25%以内」で考えると、以下の年収が目安となります。
- 返済期間15年: 約298万円
- 返済期間25年: 約192万円
- 返済期間35年: 約147万円
年収300万円程度あれば、比較的短い返済期間でも無理なく返済できる計算です。
Q3. 年収が低くても住宅ローン審査に通る方法はありますか?
A3. 年収に不安がある場合でも、いくつかのポイントを押さえることで審査に通る可能性を高められます。金融機関によって年収に関する審査基準が異なるため、事前に確認することが大切です。また、できるだけ頭金を用意したり、夫婦の年収を合算する「収入合算」や「ペアローン」を検討したりするのも有効な方法です。
Q4. 住宅ローンを早く返済する方法はありますか?
A4. 資金にゆとりが生まれた際に「繰り上げ返済」を活用すると、住宅ローンの一部を前倒しで返済できます。繰り上げ返済には、毎月の返済額を変えずに返済期間を短縮する「返済期間短縮型」と、返済期間を変えずに毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」の2種類があります。ご自身のライフプランに合わせて選択しましょう。ただし、手数料がかかる場合があるので、事前に確認が必要です。
Q5. 建築費1,000万円で家を建てることはできますか? どのような家になりますか?
A5. 住宅金融支援機構のデータと比較すると、建築費1,000万円は平均よりも低い価格帯ですが、工夫次第で家を建てることは可能です。一般的には「ローコスト住宅」と呼ばれ、広さ35坪程度、坪単価20万~40万円台の住宅を指します。シンプルな形状や標準仕様の建材・設備を採用することでコストを抑えています。自由度は限られますが、品質や性能が大きく劣るわけではありません。
更新日: / 公開日:2022.01.31










