- 住宅ローン控除で所得税・住民税が戻ってくる
- 住宅ローンを利用して家を購入すると、住宅ローン控除(減税)という制度が利用できます。これは、年末のローン残高の0.7%が所得税や住民税から控除され、結果として払いすぎた税金が還付金として戻ってくる仕組みです。
詳しくは、「住宅ローン控除の仕組み」をご覧ください。 - 控除を受けるには適用要件の確認が必須
- 住宅ローン控除を受けるには、床面積や合計所得金額、ローンの借入期間など、新築・中古ともに満たすべき要件が定められています。すべての条件をクリアしているか、事前にしっかり確認することが重要です。
詳しくは、「住宅ローン控除を受けるための要件と手続き」をご覧ください。 - 会社員も初年度は確定申告が必要
- 住宅ローン控除を受けるには、会社員や公務員でも入居した翌年に確定申告が必要です。一度確定申告をすれば、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きができます。自営業者などは毎年確定申告が必要です。
詳しくは、「住宅ローン控除の申請に必要な手続き」をご覧ください。
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税金の「還付」とは、所得税の確定申告によって、納めた税金の一部を返還してもらうことを指します。
還付金と聞くと、一般的には高額な医療費を支払った際に利用できる「医療費控除」などがイメージされるのではないでしょうか。
しかし、実は住宅を取得したときにも、一定の要件を満たしている場合には、所得税の還付金を受け取ることができるのです。
今回は住宅購入時の還付金がどのような仕組みとなっているのか、具体的な内容や要件、受け取れるタイミングについて見ていきましょう。
住宅購入時の還付金とは?

住宅購入における還付金とは、「住宅ローン控除」によって返還される所得税等のことを指します。
あくまでも住宅ローン控除による還付であるため、「住宅ローンを利用していない場合」や、「特定の要件に該当しない場合」「確定申告をしない場合」は受け取ることができません。
一方で、住宅ローン利用時には、とても節税効果が大きい制度でもあります。そのため、事前に仕組みと適用要件を押さえたうえで、控除額を踏まえた返済計画を立てることが大切です。
住宅ローン控除の仕組み

ここではまず、住宅ローン控除の基本的な仕組みについて見ていきましょう。
住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住居の取得・リフォームを行った場合に、「年末時点でのローン残高の0.7%」に相当する金額を所得税や住民税から税額控除する制度です。
適用期間は、新築住宅と買取再販住宅は最大13年間、中古住宅およびリフォームの場合は10年間となっています。
1年あたりの控除額には上限が定められており、新築と中古で異なるほか、住宅の環境性能や入居年などによって細かく設定されています。
以下に、該当する住宅および入居年による一年あたりの最大控除額をまとめましたので、参考にしてみてください。
【新築住宅・買取再販住宅の場合】
住宅の環境性能 | 年間最大控除額 | ||
|---|---|---|---|
2022〜2023年 入居 | 2024年 入居 | 2025年 入居 | |
認定長期優良住宅 認定低炭素住宅 | 35万円 | 子育て世帯・若者夫婦世帯は35万円 他世帯は31.5万円 | 31.5万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 31.5万円 | 子育て世帯・若者夫婦世帯は31.5万円 他世帯は24.5万円 | 24.5万円 |
省エネ基準適合住宅 | 28万円 | 子育て世帯・若者夫婦世帯は28万円 他世帯は21万円 | 21万円 |
省エネ基準に適合しない「その他の住宅」 | 21万円 | 0円(2023年末までに建築確認を受けた場合は14万円。控除期間は10年に短縮) | |
※子育て世帯とは、19歳未満の子を有する世帯。若者夫婦世帯とは、夫婦のいずれかが40歳未満の世帯
新築・買取再販住宅において2024年度の税制改正により、子育て世帯と若者夫婦世帯に限り、2024年に入居した場合も2022年〜2023年入居時の控除額の水準が維持されることになりました。なお、この措置は2025年の入居においても同様の方向で検討されています。
また、入居が2024年〜2025年の場合、原則として省エネ基準への適合が必須要件となります。
ただし、省エネ基準に適合しない住宅であっても、2023年末までに建築確認を受けた住宅、あるいは2024年6月末までに竣工された住宅は、それらを証明する書類を提出することで控除対象となる措置がとられています。
【中古住宅・リフォームの場合】
住宅の環境性能 | 年間最大控除額 | ||
|---|---|---|---|
2022〜2023年 入居 | 2024年 入居 | 2025年 入居 | |
認定長期優良住宅 認定低炭素住宅 ZEH水準省エネ住宅省エネ基準適合住宅 | 21万円 | ||
省エネ基準に適合しない「その他の住宅」 | 14万円 | ||
中古住宅の控除額に関しては、2022年以降変わりはありません。新築住宅と比べて控除額は少ないものの入居年による違いはなく、省エネ基準適合住宅か非適合住宅かによって分かれる仕組みです。
税額控除とは
確定申告などで使用される控除には、「所得控除」と「税額控除」の2種類があります。
まず、所得控除は「税額を計算する前の所得金額から差し引かれる」のが特徴であり、生命保険料控除や配偶者控除などが該当します。
一方、住宅ローン控除を含めた税額控除は、「税額を計算した後の算出税額から差し引かれる」点に特徴があります。
つまり、控除額がそのまま減税額となるため、同じ金額であれば所得控除以上に節税効果が大きくなるのです。
しかし、算出税額から控除される仕組みであることから、納めるべき所得税額等が控除額未満である場合はフル活用することができません。
例として、新築の長期優良住宅を子育て世帯が購入したケースで考えてみましょう。
年末のローン残高が5,000万円を超えていた場合、住宅ローン控除の控除額は5,000万円×0.7%=35万円となりますが、納付すべき税額が35万円に満たなければ、35万円分の控除を受けられないということです。
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住宅ローン控除を受けるための要件と手続き

住宅ローン控除を利用するためには、「住宅ローンの利用」とともに、いくつかの条件を満たす必要があります。ここでは、具体的な要件と申請の手続きについて解説します。
新築住宅の要件
- 自己が居住するための住宅であること
- 新築の日から6ヶ月以内に入居し、控除を受ける年の年末まで居住を続けていること
- 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること(※)
- 住宅ローンの借入期間が10年以上であること
- 床面積が50平米以上であること(※)
- 床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること
- 省エネ基準に適合していること
※2024年末までに建築確認が下りた新築住宅は40平米以上50平米未満の住宅も対象。ただし、控除を受ける年の合計所得金額が1,000万円以下である場合に限る
「合計所得金額」とは、給与所得や事業所得、配当所得、雑所得などの所得金額を合計した金額のことです。
給与所得以外の収入がある場合には、要件を満たしているかを把握するために事前にご自身の所得の種類に応じた所得金額を把握しておくようにしましょう。
また、前述のとおり、2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、原則として省エネ基準を満たす必要があります。
省エネ基準適合の証明書として「建築住宅性能評価書」あるいは「住宅省エネルギー性能証明書」の提出が必要です。
中古住宅の要件
- 新築と同様の要件を満たしていること
- 1982(昭和57)年以降に建築された住宅であること(新耐震基準適合住宅)
2021年度までは、木造住宅などの非耐火住宅は築20年以内、マンションなどの耐火住宅は築25年以内であることが条件でしたが、2022年度の税制改正ではこの築年数条件が緩和されたため、制度の対象となる中古住宅は多くなりました。
なお、1981(昭和56)年以前に建築された住宅であっても、「耐震基準適合証明書」あるいは「既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書」など、耐震性を確保している証明書があれば制度の対象になります。
住宅ローン控除の申請に必要な手続き
住宅ローン控除を利用するためには、所得税の確定申告において住宅ローン控除の手続きを行う必要があります。給与所得者においても初年度はご自身で所得税の確定申告を行うこととなります。
確定申告で住宅ローン控除の適用を受けるには主に以下の書類が必要となるため、確定申告書の提出期間(毎年2月16日から3月15日まで)を迎えるまでにゆとりを持って準備しておきましょう。
- 本人確認書類
a、bのいずれかを用意します。
a)マイナンバーカード
b)マイナンバー通知カードまたはマイナンバーが記載されている住民票。これに加えて、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類
- 確定申告書
- 住宅借入金等特別控除額の計算証明書
- 土地・家屋の登記事項証明書(土地の登録事項証明書は土地をローンで購入した場合)
- 不動産売買契約書(注文住宅の場合は請負契約書)の写し
- 住宅ローンの年末残高証明書
- 認定長期優良住宅等の認定通知書の写し(認定住宅の場合)
- 省エネ基準適合を証明する書類として、建設住宅性能評価書、または住宅省エネルギー性能証明書(新築住宅および該当する中古住宅の場合)
- 耐震性を証明する書類として、耐震基準適合証明書、または既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書など(1981年以前に建築された中古住宅の場合)
なお、給与所得者の場合、2年目からは年末調整で控除を受けられるようになります。
年末調整では「住宅ローンの年末残高証明書」と「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」のみの提出で済むため、負担が大きく軽減されます。
住宅ローン控除の注意点

住宅ローン控除の要件は、一般的な住宅を取得する多くの世帯で適用を受けることができるようにつくられていますが、なかには要件の対象から外れてしまうケースもあります。
住宅ローン控除の対象外となるケース
たとえば、別荘やセカンドハウスなどの取得においては、そもそも住宅ローンを利用することができないため控除の対象から外れてしまいます。
また、親族・知人からの借り入れ、会社からの借り入れ(利率0.2%未満)である場合も対象外です。
そのうえで、特に注意しておきたいのは、旧居を売却して「住み替え」を行ったときです。
住宅ローン控除は、入居した年、その前年または前々年に、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」の適用を受けた場合には、その適用を受けることができません。
また、入居した年の翌年から3年目までの間に、住宅ローン控除の対象となる資産以外の資産を売却して、この特例の適用を受ける場合にも、住宅ローン控除の適用を受けられません。
そのほかにも「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」や「特定の居住用財産の買換えおよび交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例」など、住宅ローン控除と併用して適用を受けることができない売却時の特例があります。
そのため、このような場合には、売却の段階から購入時の資金計画と併せて、譲渡所得に対する税金の負担と、住宅ローン控除を利用した場合の税金負担の軽減との効果の比較をしておきましょう。より負担が少ないほうを選ぶことができます。
住宅ローン控除の制度の変化
住宅ローン控除は、経済動向やマイホームの市場動向に応じて柔軟に変化を続けている制度でもあります。実際のところ、2022年度の税制改正では、住宅ローン控除の要件にさまざまな変化が起こりました。
まず、低金利時代において住宅ローン控除で年末残高の1%を控除すると、実質的に住宅ローン金利がマイナスに転じる懸念への対応として、控除率が1%から0.7%に縮小されました。
ただし、新築・買取再販住宅の適用期間を10年から13年に拡大されています。また、空き家対策および既存住宅の流通促進を図る目的で、中古住宅における築年数要件が緩和されたことも注目すべき点です。
そして、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、省エネ性の高い住宅の普及を促進する目的から、これまで以上に環境性能に優れた住宅を優遇する仕組みへと変遷しています。
2025年4月から施行される「改正建築物省エネ法」に伴い、住宅ローン控除においても2024年から新築への省エネ基準適合が義務化となりました。
一方で、子育て世帯や若者夫婦世帯の住宅ローン控除の限度額を据え置くなど、少子化対策も並行して行われています。
2022年度・2024年度の税制改正によって変更された要件は2025年まで適用されますが、情勢をふまえ、必要に応じて変更される可能性はあります。
そのため今後のマイホーム購入においては、関連する税制改正を注意深く観察することが大切です。
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還付金は「いつ」「どのくらい」受け取れる?

ここまで、住宅ローン控除の仕組みについて詳しくご紹介しました。では、実際に還付金は「いつ」「どのくらい」受け取ることができるのでしょうか。
最後に、住宅ローン控除の効果について見ていきましょう。
還付金を受け取れるタイミング
還付金を受け取れるタイミングは、確定申告書の提出期間(毎年2月16日~3月15日まで)から数えて1~1ヶ月半後が目安となります。ただ、e-taxというインターネットを利用して行う申告であれば、3週間程度で還付されることもあります。
また、年末調整で控除を受けられる2年目以降は、一般的に12月か1月の給与と一緒に還付されることが多いです。
還付金額の目安
住宅ローン控除の効果は、「住宅ローン借入額」「金利と返済方法」「返済期間」「年収と所得控除」「住宅のタイプ」「入居する年」「世帯の属性」によって変動します。
このうち借入額・金利・返済方法・返済期間はローン残高を算出するために必要な情報となるため、償還予定表で確認できます。
また、年収や所得控除は住宅ローン控除前の所得税額に影響を与えるポイントであり、住宅のタイプ・入居する年・世帯の属性によって適用期間や最大控除額が変わります。
そこで、今回は以下の条件を設定したうえで、住宅ローン借入額と年収額別に目安となる控除額を試算しました。
条件
- 適用期間は13年間
- 金利は全期間固定金利で1.5%
- 返済方法は元利均等返済(毎月一定額の返済)
- 返済期間30年
- 家族構成は扶養家族1人
- 所得控除は「基礎控除」「扶養控除」「社会保険料控除」を考慮
- 新築の一般住宅を子育て・若者夫婦世帯以外が購入(長期優良住宅等ではない)
- 2024年〜2025年に入居
試算した結果は以下の表のとおりです。今回の試算では住宅ローン控除を上限まで活用することはできませんでしたが、13年間トータルで約180~260万円の金額が還付される計算となります。
【住宅ローン控除額の目安】年収別借入額
年収額 | 住宅ローン借入額 | |||
|---|---|---|---|---|
2,500万円 | 3,000万円 | 3,500万円 | 4,000万円 | |
年収500万円 | 181.7万円 | 217.8万円 | 241.0万円 | 252.6万円 |
年収600万円 | 181.7万円 | 218.4万円 | 247.6万円 | 263.4万円 |
年収700万円 | 181.7万円 | 218.4万円 | 247.6万円 | 263.4万円 |
年収800万円 | 181.7万円 | 218.4万円 | 247.6万円 | 263.4万円 |
年収900万円 | 181.7万円 | 218.4万円 | 247.6万円 | 263.4万円 |
このように住宅ローン控除は大きな節税効果が期待できる制度なので、適用要件から外れることがないように内容を確認しながらしっかり手続きを進めましょう。
まとめ
- 住宅購入における税金の還付金は「住宅ローン控除」
- 住宅ローン控除は毎年の住宅ローン年末残高の0.7%相当額を限度として税額控除される仕組み
- 住宅ローン控除を利用するためには、あらかじめ適用される要件を確認しておくことが大切
- 税制改正によって適用要件や控除限度額が改正されるケースがあるため、最新の情報をチェックしておくことが大切
よくある質問
住宅ローン控除って、どんな制度ですか?
住宅ローンを利用して家を購入、またはリフォームした場合に、年末のローン残高の0.7%が所得税や住民税から控除される制度です。新築住宅などは最大13年間、中古住宅は最大10年間、税金の負担が軽減されます。
どのくらいの金額が戻ってくるのですか?
年末時点の住宅ローン残高の0.7%が控除されます。ただし、物件の種類や省エネ性能によって上限額が異なります。たとえば、2024年に入居した場合、新築の省エネ基準適合住宅であれば、最大で年間24.5万円(借入限度額3,500万円×0.7%)の控除が受けられます。
住宅ローン控除を受けるには、何か手続きが必要ですか?
はい。入居した年の翌年2月16日~3月15日に確定申告が必要です。会社員の場合、2年目以降は会社の年末調整で手続きできますが、1年目は自身で確定申告を行う必要がありますので注意しましょう。
確定申告では、どんな書類を準備すればいいですか?
主に以下の書類が必要です。
- 確定申告書
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から送付)
- 登記事項証明書(法務局で取得)
- 工事請負契約書または売買契約書の写し
中古住宅でも住宅ローン控控除は使えますか?
はい、利用できます。控除期間は最大10年間です。ただし、新耐震基準に適合しているなど、一定の条件を満たす必要があります。
共働きでペアローンを組む場合、2人とも住宅ローン控除を使えますか?
はい。夫婦がそれぞれ住宅ローンを組む「ペアローン」の場合、2人とも住宅ローン控除の対象になります。それぞれが持ち分に応じて控除を受けられるため、世帯全体での控除額が大きくなるケースがあります。
繰り上げ返済をすると、住宅ローン控除に影響はありますか?
繰り上げ返済をするとローン残高が減るため、控除額も少なくなります。また、繰り上げ返済によって返済期間が10年未満になると、住宅ローン控除の対象外となるため注意しましょう。
リフォームでも住宅ローン控除は使えますか?
はい。返済期間10年以上のローンを利用したリフォームなども対象です。大規模な修繕や、省エネ・バリアフリー改修工事などで、工事費用が100万円を超えるといった条件を満たす必要があります。
更新日: / 公開日:2021.10.22










