公務員が住宅ローンで優遇される理由
公務員は失業リスクの低さ、収入の安定性、法律で定められた退職金制度により、住宅ローン審査で有利になる傾向があります。金融機関にとって長期的に安定した返済が見込めるため、優遇されやすい立場といえます。
詳しくは、「公務員が住宅ローンを組みやすい理由」をご覧ください。
住宅ローン借入限度額の考え方
住宅ローンを組む際は、年収に対する返済負担率を考慮して借入限度額を把握することが重要です。公務員でも信用情報や健康状態、借入額によっては審査に落ちる可能性があるため、事前の確認が大切になります。
詳しくは、「【年収別】住宅ローンの借入限度額」をご覧ください。
公務員が使える共済貸付制度
公務員は、一般の住宅ローンとは別に共済貸付を利用できる場合があります。保証人や抵当権設定が不要な一方、金利が比較的高めなどの特徴があります。メリットとデメリットを理解し、民間ローンと比較検討しましょう。
詳しくは、「公務員なら利用可能! 共済貸し付けのメリット・デメリット」をご覧ください。

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公務員は充実した家賃補助制度などが設けられていることから、在職中は賃貸住宅を利用し、退職後にマイホームを購入する人も少なくありません。

しかし、公務員は一般的な給与所得者と比べて、住宅ローンを組みやすいとされています。

今回は、公務員の人が住宅ローンを組みやすいとされる理由に加え、組む際に利用できる制度や、審査の注意点について見ていきましょう。

住宅ローンを組む

 

公務員は一般的な給与所得者と比べて住宅ローンを組みやすく、金利も優遇されやすいとされています。それには、大きく分けて3つの理由が挙げられます。

 

公務員の場合、基本的には自己都合以外の理由で失業するリスクは低いと考えられます。

 

福利厚生などの制度が充実していることもあり、仮に病気やケガなどに見舞われてしまったとしても、民間企業と比べて休暇を取りやすい面があります。

 

高額かつ長期返済を前提とする住宅ローンにおいては、収入の長期的な安定性が重要な審査項目となるため、公務員は優遇されやすい立場にあるといえるのです。

 

失業リスクの低さとともに、収入安定度の高さも審査で有利になる理由のひとつです。民間企業とは異なり、景気や売り上げに給与が左右されないため、金融機関にとっては安心感のある利用者となります。

 

また、住宅ローンの返済においては、ボーナス利用を前提としたプランを組むこともできますが、民間の給与所得者の場合は途中で手当が大幅に減額されたり、支給されなくなったりする可能性もあります。

 

公務員の場合は、民間と比較してボーナス支給額の安定度も高いため、そうした点も優遇されやすいポイントです。

 

定年退職金の支給が法律で規定されている点も、公務員の大きな強みとなります。

 

退職金は、定年後に住宅ローンの残債がある場合の重要な資金源となるため、確立された退職金制度がある公務員は審査でも有利な立場です。

 

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住宅ローンイメージ

 

公務員は、住宅ローン審査において優遇されやすい立場であるものの、個人的な事情によって審査に落ちてしまうケースはあります。主な理由としては以下のような点が挙げられます。

  • クレジットカードなどの滞納履歴がある
  • 健康面に問題を抱えている
  • 購入物件に問題がある
  • 住宅ローンの借入額が高すぎる

公務員であっても、個人信用情報に問題があれば、審査では不利になってしまいます。クレジットカードや携帯電話の分割払いを滞納するなど、信用情報にキズがついていると審査で落ちてしまうケースがあるのです。

 

それ以外には、健康面に問題があって団体信用生命保険(団信)に加入できないといったケースが考えられます。団信とは、住宅ローンの債務者に死亡や高度障がいといった万が一の事態が生じたときに、住宅ローン残債分を保証する仕組みです。

 

多くの金融機関では団信の加入が必須となっているものの、生命保険であることから、健康状態によっては審査が下りないケースもあります。

 

その場合には、より審査の基準が低い「引受基準緩和型」の団信を利用したり、団信の加入が必須でない「フラット35」などの住宅ローンを検討したりする必要があります。

 

まれなケースではあるものの、利用者の属性以外の原因として、購入する物件に関する問題が挙げられます。建築基準法に違反しているなど、物件そのものの不備によって審査に落ちてしまうこともあるのです。

 

また、年収に対して住宅ローン借入希望額があまりにも多いと、返済が困難となるリスクが高いと判断され、審査で不利になってしまいます。この問題については、次のブロックで詳しく見ていきましょう。

 

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住宅ローンの限度額

 

住宅ローンの借入限度額があまりにも高いと、審査で落ちてしまうケースがあります。また、借入限度額を正しく把握することは、審査に通過するだけでなく、安定した返済を続けるうえでも重要です。

 

ここでは、借入限度額を決めるポイントと、年収別の目安金額について見ていきましょう。

 

返済負担率とは「年収に対する年間返済負担額の割合」を示す数字です。

 

たとえば、年収500万円の世帯で月々12万円の支払いを続ける場合は、返済負担率は「12万円×12ヶ月÷500万円=28.8%」となります。

 

返済負担率は、返済計画を立てるうえでとても大切な指標であり、審査でも重要視される項目です。多くの金融機関では、おおむね30~40%を上限として設定しており、安定した支払いを続けられる目安は25%以下とされています。

 

そのため、まずは返済負担率を25%以下に抑えることを前提に、借入限度額を判断していくといいでしょう。

 

住宅ローンの返済計画は、インターネット上で簡単にシミュレーションをすることができます。今回はLIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を利用して、年収別に借入限度額の目安表を作成しました。

 

なお、共通の条件として以下の項目を設定したうえで計算を行っています。

  • 金利タイプは固定金利1.5%
  • 返済負担率25%
  • 頭金なし、年齢35歳
  • 返済期間は20年、25年、35年の3パターンで計算

結果は以下の表のとおりです。年収に応じて毎月の返済額を以下のような金額を目安に設定できれば、安定度の高い返済計画を立てることができるでしょう。

世帯年収

毎月返済額

借入限度額

20年ローン

25年ローン

35年ローン

300万円

6.3万円

1,306万円

1,575万円

2,058万円

400万円

8.3万円

1,720万円

2,075万円

2,711万円

500万円

10.4万円

2,155万円

2,600万円

3,397万円

600万円

12.5万円

2,590万円

3,125万円

4,083万円

700万円

14.6万円

3,026万円

3,651万円

4,768万円

800万円

16.7万円

3,461万円

4,176万円

5,454万円

 

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住宅ローンを考える

 

公務員の人が住宅の購入で気になってしまうポイントとして、家賃補助が受けられなくなってしまう点が挙げられます。

 

実際のところ、一部の自治体を除き、持ち家を購入すると、家賃補助の形でもらっていた住宅手当を受けられなくなってしまいます。

 

ただ、その場合には「住宅ローン控除」を利用することで、税負担の軽減を図ることが可能です。住宅ローン控除とは、住宅の面積などの一定要件を満たした場合、新築および買取再販住宅は原則13年、中古住宅は10年間にわたり、年末時点での「住宅ローン残高の0.7%」が所得税等から控除される仕組みです。

 

最大控除額は住宅の性能や入居した年、世帯の属性によって段階的に設定されています。もっとも上限額が高いのが、子育て世帯または若者夫婦世帯が新築の長期優良住宅または低炭素住宅に2024年に入居した場合で、13年間合計で最大455万円の控除を受けられます。

 

このように、住宅ローン控除は節税効果の高い制度になるため、住宅を購入する際には適用条件や仕組みを詳しく確かめておくことが大切です。

 

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共済貸付のメリット、デメリット

 

公務員で住宅ローンを利用する際には、一般の給与所得者が利用できない「共済住宅ローン」を組むことができます。共済住宅ローンは、公務員の相互扶助や生活向上を目的として設けられた制度です。

 

ここでは、民間の住宅ローンと比較をしながら、共済住宅ローンの特徴やメリット・デメリットについて見ていきましょう。

 

もっとも大きなメリットは、抵当権の設定や連帯保証の確保が不要な点です。これは、定年退職金が担保となっているためであり、制度の充実した公務員ならではの仕組みだといえるでしょう。

 

民間の住宅ローンの場合は、ほとんどの場合で抵当権の設定が必須となるため、滞納が続いた場合には差し押さえとなってしまいます。また、連帯保証人をつけたり、保証会社へ保証料を払ったりする必要もあります。

 

共済住宅ローンの場合はこうした手続きが不要であり、審査そのものも比較的緩やかであるため、心理的な負担が少ない傾向にあります。また、万が一災害などに見舞われてしまった場合の追加融資制度なども、民間と比べて充実しています。

 

共済住宅ローンは民間と審査基準が異なり、貸付限度額は勤続年数に応じて変化し、民間の金融機関と比べると総じて低く設定されます。また、比較的金利が高い傾向にある点もデメリットです。

 

そのため、借入金額や返済計画を明確にしたうえで、民間の金融機関と比較検討することが重要です。

住宅ローンを考える

 

  • 公務員は安定した雇用形態や収入、退職金制度などにより、住宅ローン審査で優遇されやすい
  • 一般的な会社員と同じく、個別の事情によっては審査に落ちてしまうこともある
  • 返済負担率を考慮して利用限度額を設定することが重要
  • 家賃補助が受けられなくなるため、住宅ローン控除の利用などで税負担を軽減するのもひとつ
  • 共済住宅ローンは公務員が利用できる特権だが、メリットとデメリットを十分理解することが大切
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Q1:公務員は住宅ローンを組むのに有利だと聞きましたが、本当ですか? なぜ有利なのでしょうか?

A1:公務員は収入が安定しており、失業リスクが低いと見なされるため、住宅ローンの審査で有利に働くことが多いといわれています。

Q2:公務員なら、住宅ローンの審査に必ず通るのでしょうか?

A2:必ずしも審査に通るとは限りません。例えば、以下のようなケースでは審査に落ちてしまう可能性があるので注意が必要です。
・過去にクレジットカードの支払いを延滞したことがある
・健康上の理由で団体信用生命保険(団信)に加入できない
・購入したい物件が建築基準法に違反している
・年収に対して借入希望額が多すぎる

Q3:住宅ローンは、いくらまで借りられるのでしょうか? 無理なく返済できる金額の目安が知りたいです。

A3:無理なく返済できる借入額の目安は、「返済負担率」を25%以下に抑えることです。返済負担率とは、年収に占める年間のローン返済総額の割合を指します。例えば、年収500万円の方なら、年間の返済額を125万円(毎月約10.4万円)以内に収めると、安定した返済計画を立てやすいでしょう。

Q4:「返済負担率」とは何ですか? なぜ重要なのでしょうか?

A4:返済負担率とは「年収に対する、住宅ローンなど全ての借入れを合計した年間返済額の割合」のことです。この割合は金融機関が融資の可否を判断する重要な指標の一つです。多くの金融機関では返済負担率の上限を30~40%としていますが、家計に無理なく返済を続けるためには、25%以下に抑えるのが理想とされています。

Q5:マイホームを購入したら、今もらっている家賃補助(住宅手当)はなくなりますか?

A5:持ち家を購入すると、多くの場合、それまで支給されていた家賃補助(住宅手当)は受けられなくなります。持ち家に対しては「住宅ローン控除(減税)」という制度を利用できます。これは、年末の住宅ローン残高の0.7%を、最大13年間にわたって所得税や住民税から差し引くことができる制度で、税金の負担を大きく軽減できます。

Q6:公務員が利用できる「共済住宅ローン」とは何ですか? 一般的な銀行ローンとの違いを教えてください。

A6:共済住宅ローンは、公務員などが加入する共済組合が提供する住宅ローンです。退職金を担保とするため、保証人や金融機関が設定する抵当権が不要な点が大きな特徴です。ただし、勤続年数によって借入限度額が決められており、一般的な銀行のローンに比べて借入額が少なくなったり、金利が高めになったりするケースもあります。

Q7:共済住宅ローンと民間の銀行ローンは、どちらを選ぶべきですか?

A7:どちらが良いかは、ご自身の状況によって異なります。共済住宅ローンは手続きの手間が少ないという利点がありますが、金利や借入限度額の面で民間の銀行ローンに劣る場合があります。一方、民間の銀行ローンは、低金利で多くの金額を借りられる可能性があります。まずは両方のローンの条件を比較し、ご自身の希望額や返済計画に合ったものを選ぶことが大切です。

Q8:健康状態に不安がある場合でも、住宅ローンは組めますか?

A8:住宅ローンを組む際は、多くの場合「団体信用生命保険(団信)」への加入が必須となります。もし健康上の理由で加入が難しい場合でも、加入条件が緩和された「引受基準緩和型団信」付きのローンや、団信への加入が任意である「フラット35」などを検討することで、住宅ローンを組める可能性があります。

Q9:「住宅ローン控除」について、もう少し詳しく教えてください。

A9:住宅ローン控除(減税)とは、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を、所得税や住民税から直接差し引くことができる制度です。控除期間は、新築住宅なら原則13年間、中古住宅は10年間です。控除額には上限があり、購入する住宅の省エネ性能などによって変動しますが、税金の負担を大きく減らせる非常に有効な制度です。

更新日: / 公開日:2021.05.25