年収倍率で見る住宅購入の目安
住宅購入価格の目安として「年収の約7倍」という年収倍率が使われることがありますが、この数字には頭金も含まれています。そのため、ローン借入額を考える際にそのまま当てはめると、借り過ぎになる可能性があり注意が必要です。
詳しくは、「年収倍率から見る住宅購入価格の目安」をご覧ください。
無理のない返済額を決める返済負担率
住宅ローンは、金融機関が示す借入限度額まで借りるのではなく、無理なく返済できる額に設定することが大切です。年収に占める年間返済額の割合である「返済負担率」を、一般的に安全とされる20~25%程度に抑えるようにしましょう。
詳しくは、「安定した返済を続けるために! 返済負担率から見る住宅ローンの利用限度額」をご覧ください。
住宅購入のタイミングを見極める
借入額だけでなく、いつ住宅を購入するかも重要な判断ポイントです。不動産価格や金利の動向を見ながら、頭金のメリット・デメリットも考慮し、ご自身にとって最適なタイミングを見極めましょう。
詳しくは、「焦りは禁物? 住宅を購入するタイミングを見極めるポイント」をご覧ください。

無料で住まいの窓口に相談する住まいの窓口とは住宅ローンについて調べる

住宅ローンの借入額を決める際には、現在の年収がひとつの判断基準となります。

しかし、単純に年収から限度額を算出するだけでは、なかなか正確な返済計画を立てることはできません。

今回は、より綿密な返済プランを立てるうえで、どのようなポイントを意識すべきか解説していきます。また、年収別の利用限度額の目安表も併せて参考にしてください。

年収と住宅ローン

「年収倍率」とは、年収に対する住宅購入価格の比率を示す数字です。ここでは、住宅金融支援機構の「2019年度 フラット35利用者調査」をもとに、年収倍率に関するデータを見ていきましょう。

調査によれば、2019年度の年収倍率の全国平均は「土地付き注文住宅で7.3倍」「マンションで7.1倍」「建売住宅で6.7倍」とされています。

 

つまり、フラット35利用者の多くが、年収の7倍近くにあたる購入金額を支払っているといえるのです。

 

さらにデータを見ていくと、首都圏や近畿圏といったエリアでは、そのほかの地域よりも全体的に年収倍率が高くなっています。

年収倍率のデータからは、年収に対してどのくらいの価格の住宅が購入されているのかを知ることができます。

 

しかし、この比率はあくまでも「購入金額」に基づく数字であり、「住宅ローン利用額」に関するものではありません。購入金額に「頭金」が含まれている場合、実際の住宅ローン利用額はさらに低くなります。

 

たとえば、上記の「フラット35利用者調査」では、どの融資区分においても平均で「1~2割の自己資金(頭金)」が用意されているといったデータが出ています。

 

そのため、単純に年収倍率で住宅ローン利用額を決めてしまうと、平均よりも借り過ぎとなってしまうのです。

住宅ローン

住宅ローンは長期にわたって返済を行うものであるため、さまざまなリスクを考慮しながら、安定性の高い計画を立てる必要があります。

 

ここでは、住宅ローンを利用する際の注意点について見ていきましょう。

借入限度額とは、金融機関の審査に通過する最大限度の利用額のことです。しかし、限度額はあくまでもひとつの目安であり、無理なく返済を続けていける金額を示しているわけではありません。

 

もし返済が滞ってしまえば、遅延損害金として利息が発生したり、最悪のケースでは住宅が差し押さえられてしまったりすることもあります。

 

住宅ローンを組む際には、安定して返済を続けられる「返済可能額」を考慮しておくことが何よりも大切なのです。

住宅ローンの返済計画の決め方としては「現在の家賃から月々の返済額を決める」といったケースが挙げられます。しかし、マイホームを購入する際には、住宅購入費以外にもコストがかかることを意識すべきです。

 

たとえば、住宅を保有し続ける際には、固定資産税や都市計画税などの各種税金がかかってしまいます。さらに、長期にわたって住み続けることを考えると、メンテナンスコストを意識しておくことも重要です。

 

また、子どもの進学や老後のための貯蓄といった、住宅以外のコストにも目を向ける必要があります。そうしたことから、単純に現在の家賃から判断するよりも、ゆとりのある返済額を設定することが大切なのです。

 

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住まいの窓口に資金計画を相談する 住宅ローンについて調べる

住宅ローンを調べる

安全な返済計画を立てる際には、「返済負担率」が重要な指標となります。ここでは返済負担率の計算方法や具体的な目安について解説していきます。

返済負担率とは、「年収に対する住宅ローン年間返済額の割合」を指す数字です。

 

たとえば、年収400万円で月々の返済額を10万円と設定した場合、返済負担率は「10万円×12ヶ月÷400万円=30%」となります。

 

返済負担率はローン審査の判断基準にもなっており、国土交通省の「令和元年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」では、90%近くの金融機関が重要項目として扱っていることが明らかになっています。

返済負担率は、金融機関ごとに審査基準が設けられているのが一般的です。たとえば、「年収400万円未満なら30%以下」「年収400万円以上なら35%以下」といったものが挙げられます。

 

ただ、先ほどの報告書によれば、50%以下を目安としている金融機関もあるなど、審査基準にはある程度の幅があります。そのため、返済負担率に関しても、単に審査の通過だけを考慮するのではなく、実際に支払っていける割合を判断することが重要です。

 

なお、一般的に、無理なく支払いを続けられる返済負担率は20~25とされています。20%程度に収めることができれば、リスクを最小限にとどめた状態で、安全に返済していける可能性が高いと判断することが可能です。

住宅ローンのシミュレーション

住宅ローンの借入額については、インターネット上のサービスを利用して、ある程度の目安を計算することができます。

 

ここでは、LIFULL HOME’Sの「住宅ローンシミュレーター」を使って、年収別に利用額の目安を計算してみましょう。


LIFULL HOME’S 住宅ローンシミュレーター

住宅ローンシミュレーターには、年収や月々の返済額から「購入可能額を調べる」場合と、年収や購入価格から「月々の返済額を調べる」といった2種類の使い方があります。今回は、年収別に購入可能額を調べていきましょう。

シミュレーターの使い方はとてもシンプルであり、あらかじめいくつかの条件を明確にしたうえで、順番に入力していくだけで購入金額の目安が自動的に計算されます。

 

「前年度の税込み世帯年収」「毎月返済可能な金額」「自己資金」「年齢」「返済期間」「金利プラン」の順に設定していきましょう。

今回は、具体例として以下の条件を設定し、年収ごとの利用可能額を計算してみましょう。

 

前提条件

  • 返済負担率25%
  • 自己資金なし
  • 年齢は35歳
  • 返済期間は25年、35年の2パターンで設定
  • 金利は固定金利1.5%

なお、返済負担率は、年間の返済額をもとに計算されるので、12分の1をかけて月額になおしてから入力します。

 

たとえば、年収300万円の人が返済負担率を25%に収めるためには、毎月の返済額は「300万円×25%(返済負担率)×1/12=6.25万円」となります。

返済負担率25%のシミュレーション

年収

毎月返済額

借入可能額(25年ローン)

借入可能額(35年ローン)

300万円

6.3万円

1,575万円

2,058万円

400万円

8.3万円

2,075万円

2,711万円

500万円

10.4万円

2,600万円

3,397万円

600万円

12.5万円

3,125万円

4,083万円

700万円

14.6万円

3,651万円

4,768万円

800万円

16.7万円

4,176万円

5,454万円

あくまでもひとつの例ではあるものの、返済負担率を25%に設定した場合、25年ローンでは年収のおよそ5倍、35年ローンでは年収の6~7倍がひとつの目安だといえます。

 

ただ、実際に利用するうえでは金利の変動などのリスクにも目を向ける必要があるため注意しておきましょう。

 

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住まいの窓口に資金計画を相談する 住宅ローンについて調べる

住宅ローン

マイホームを購入する際には、住宅ローンの利用額とともに、購入のタイミングも慎重に見極めることが大切です。ここでは、住宅を購入するタイミングについて、ポイントを見ていきましょう。

住宅を購入するにあたって、まず意識しておきたいのは社会・経済情勢に関するポイントです。具体的には、不動産全体の価格がどのように動いているのかが重要なチェックポイントとなります。

 

「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」では、半年ごとの地価の動きを調べることができます。

 

新型コロナウイルスのまん延や五輪延期の影響など、不動産の価格はさまざまな社会・経済情勢の影響を受けるため、こまめに土地の価格を確かめておくことが大切です。

 

また、不動産の価格だけではなく、住宅ローンの金利も常に変動するものです。住宅ローンは高額になるため、ちょっとした金利の違いが総支払額に大きな影響を与えます。

 

そのため、金利がどのように推移しているかを確かめることも重要なポイントとなるのです。

住宅の購入において、ひとつの分岐点となるのが「頭金の有無」です。

 

かつては一定割合の頭金を用意しておかなければ住宅ローンを組むことができなかったものの、金利が低下している現在では、頭金なしのフルローンで購入されるケースも増えています。

 

頭金をためずに不動産を取得するメリットは「低金利のうちに購入すれば負担が軽くなる」可能性がある点にあります。

 

頭金をためている間に金利が上がるリスクを考えると、金利が低い時点で購入したほうが、結果的にお得と考える人も少なくありません。

 

ただ、頭金を用意しないことには、いくつかのデメリットもあります。たとえば、住宅ローンの種類によっては、頭金の割合次第で金利が高くなってしまうものもあるのです。

 

また、住宅ローンで借りる金額が多ければ、当然利息も増えてしまいます。利息分を考えると、焦って低金利のうちに購入しようとするよりも、頭金をためてからのほうが総支払額は安くなるケースも多いです。

 

そのため、購入のタイミングを決める際には、頭金の有無によるメリット・デメリットにも目を向けたうえで判断しましょう。

住宅ローンを試算する

  • 住宅購入における年収倍率の全国平均は約7倍だが、1~2割の頭金が含まれている点に注意が必要
  • 限度額いっぱいまで借りるとさまざまなリスクが発生してしまう
  • 返済負担率をもとに利用額を決めることが大切
  • 利用可能額は年収や返済負担率のほかに、返済期間や金利なども重要な判断基準となる
  • 社会情勢や自己資金の割合から購入のタイミングを判断することが大切
住まいの窓口に資金計画を相談する 注文住宅の価格・相場講座 住宅ローンについて調べる

Q.1:「住宅ローンは年収の7倍まで借りられる」と聞きますが、本当ですか?

A.1:「年収の7倍」は、多くの人が購入した住宅価格の目安であり、頭金を含んだ金額です。実際にローンで借りる金額とは違うため注意しましょう。購入価格の1~2割を頭金として用意するケースが多く、それを踏まえると実際の借入額は年収の5~6倍程度になることが一般的です。

Q.2:銀行の審査で提示された「借入限度額」まで借りても大丈夫でしょうか?

A.2:金融機関が示す「借入限度額」は、あくまで審査に通る上限額であり、「無理なく返済できる額」とは異なります。限度額いっぱいで借りると、固定資産税や将来のメンテナンス費、教育費といったローン以外の出費に対応できなくなる恐れがあるため、余裕を持った金額を設定することが大切です。

Q.3:自分にとって無理のない借入額は、どうやって決めればいいですか?

A.3:「返済負担率」を目安に考えるのがおすすめです。返済負担率とは、年収に占める年間のローン返済額の割合のことです。金融機関の審査では30~35%が上限とされることが多いですが、安心して返済を続けるなら「20~25%以内」に収めるのが理想とされています。

Q.4:今の家賃と同じくらいの毎月返済額なら、問題なく返済できますか?

A.4:家賃と同じ感覚で返済額を決めるのは注意が必要です。マイホームを持つと、ローン返済に加えて、毎年かかる固定資産税や、将来の修繕・リフォームのためのメンテナンス費用も準備しなくてはなりません。これらの費用も考え、現在の家賃より少し余裕のある返済額に設定しましょう。

Q.5:具体的に、年収500万円の人はいくらくらい借りられますか?

A.5:記事内のシミュレーション(返済負担率25%・金利1.5%・返済期間35年)では、年収500万円の場合、借入額の目安は3,397万円です。ただし、毎月の返済希望額や金利、返済期間、頭金の額などによって借入可能額は大きく変わるため、あくまで一例として参考にしてください。

Q.6:頭金を貯めるより、金利が低い今のうちに買った方がお得ですか?

A.6:一概にどちらが得とは言えません。低金利のうちに購入すれば利息を抑えられますが、頭金がないと借入額が増え、かえって利息負担が重くなることもあります。逆に、頭金をためている間に金利が上がる可能性も考慮し、不動産価格の動向も見ながら慎重に判断することが重要です。

更新日: / 公開日:2021.03.11