住宅ローンと聞くと、自宅を担保に入れないといけないと思っている方が多いのではないでしょうか。しかし金融機関によっては、無担保の住宅ローンを提供しているところもあります。
ここでは無担保住宅ローンの商品性、その利用法やメリット、デメリットを解説していきます。

「住宅ローン」は、一般的に購入する住宅を担保として抵当権を設定した有担保ローンのことを指します。

一方、「無担保住宅ローン」とは、住宅などの担保を設定せずに借りられるローンのことをいいます。自宅を担保に入れないので、万が一返済が滞っても自宅を差し押さえられることがなく有利と思う方もいるかもしれません。しかし無担保住宅ローンには無担保ゆえの欠点もあります。

メリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。

住宅ローンイメージ

無担保住宅ローンの第1のメリットは、自宅に担保が設定されないことにあります。
一般の住宅ローンの場合、返済が滞ると抵当権が行使されて、担保である自宅の所有権を失う危険があります。ただし無担保ローンでも、返済が滞ると金融機関から返済を迫られるため、最終的には自宅を売却せざるを得ないこともあります。

第2のメリットとして、無担保住宅ローンは一般の住宅ローンに比べて審査期間が短いことが挙げられます。
一般の住宅ローンは、借りる人の職歴や年収、金融取引の動向といった借主の属性などの審査に加えて、担保となる物件の審査もあります。一方、無担保住宅ローンは、借主の属性などの審査のみであり、その分審査が早くなります。

また無担保住宅ローンは、抵当権の設定がないので、登記のための司法書士費用や登録免許税などが不要となります。また一般の住宅ローンでは保証料や融資事務手数料が借入金額の2%ほど必要なところも多いのですが、無担保住宅ローンは保証料や融資事務手数料が不要なところが多いので、費用面では安く借りることができるのもメリットです。

無担保住宅ローンのデメリットとして、借入額の上限が低いことが挙げられます。
一般の住宅ローンであれば、担保となる住宅の価値に応じて最高1億円程度まで借り入れることができますが、無担保住宅ローンの場合、取扱金融機関により異なりますが、上限が1,000万円から2,000万円ほどと、低くなっています。

また、返済期間が短くなってしまうのが2つ目のデメリットです。
一般の住宅ローンは最長35年まで借り入れできるところが多いですが、無担保住宅ローンは、金融機関によりますが、10年から20年と短いところが多くなっています。

無担保住宅ローンは借り入れする方の信用のみでお金を貸すため、金融機関にとってもリスクが高く、貸し出す際の金利が高くなることもデメリットの1つです。一般の住宅ローンでは、基準金利より低くする優遇金利が適用される場合が多いですが、無担保住宅ローンの場合は、優遇の幅が小さかったり、金融機関によっては基準金利に上乗せしたりする場合もあります。

では、無担保住宅ローンはどのように活用したらよいのでしょうか? 

 

無担保住宅ローンは、有担保の住宅ローンに比べ、資金使途の範囲が広くなっている点が特徴です。たとえば、一般の住宅ローンが借りられないような古い物件でも使うことができますし、セカンドハウスや別荘の購入などにも使うことができます。またリフォーム資金に活用できたり、現在の住宅ローンの借り換えにも使うことができたりします。ただし資金使途については金融機関により異なりますので、事前に確認が必要です。

ローンの計算

1. 無担保住宅ローンでの借り入れ

〈借入金額1,000万円、インターネットでの契約例(三菱UFJ銀行)〉

  一般の住宅ローン ネットDEリフォームローン
借入期間 15年 15年
金利(年・変動) 0.625% 2.875%
毎月返済額 5万8,215円 6万8,458円
毎月の差 +1万243円
総返済額  1,047万8,700円 1,232万2,440円
手数料・保証料 30万2,820円 0円
トータル  1,078万1,520円 1,232万2,440円
トータルの差額 +154万0920円

出典:三菱UFJ銀行「ネットDEリフォームローン
※2020年3月現在。金利は変動なしと仮定して試算

 

単純に比較をした場合には、無担保住宅ローンは一般の住宅ローンより割高なことがうかがえます。しかし手数料や保証料を見た場合には、金融機関にもよりますが、無担保住宅ローンのほうが低いので、初期費用を抑えたいときには検討してもよいでしょう。

2. 無担保住宅ローンでの借り換えの例

次に、借り換えの例を考えてみましょう。

たとえば2005年にフラット35を借り入れて15年経過し、残りが20年あるとします。15年前は金利が高く、当時の最高の借入金利は4.05%もありました。借入金額を1,500万円とすると、2020年の残高は1,097万0688円になっています。便宜上、1,000万円を借り換えする場合をみてみます。

 

〈フラット35からの借り換え例(イオン銀行)〉

  フラット35 無担保住宅借換ローン
年限 残り20年 借入期間20年
金利(年) 4.05%(固定) 2.87%(変動)
毎月返済額 6万6,866円 5万4,811円
毎月の返済額の差額 ▲1万2,055円

出典:イオン銀行「無担保住宅借換ローン
※2020年3月現在。金利は変動なしと仮定して試算

このように高い金利の借り入れの場合には、無担保住宅ローンで借り換えをすると毎月の返済額を下げられるうえに、自宅の担保をはずすことができます。保証料などの負担もないので、通常の借り換えに比べて有利になることもあります。

無担保住宅ローンについて解説してきました。無担保住宅ローンは一般の住宅ローンと比べると、「借入金額が少ない」「借入期間が短い」などの制限があります。一方で、資金使途の範囲が広いため、一般の住宅ローンでは対応できないような使い方もできます。無担保住宅ローンの利点を生かして賢く利用してください。

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