「住宅ローンを借りるのなら、できるだけお得なものを…」とさまざまなリサーチを続けている方も多いと思います。

少し調べると必ず登場するのが「フラット35」というローンです。このフラット35は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する住宅ローンとなり、全期間において固定金利であることから金利変動を心配する必要がなく、返済プランを立てやすいため、多くの人々に選ばれています。

フラット35についてさらに調べていくと、「フラット35S」というタイプがあることと、そのタイプのローンを借りる条件のひとつとして「長期優良住宅であること」というものがあることがわかります。

今回はその長期優良住宅がどのような住宅なのか、フラット35Sの内容とともに見ていきたいと思います。

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「長期優良住宅」とは?

「長期優良住宅」とは?

 

長期優良住宅とは、文字どおり「長期間にわたり優良な住宅であり続ける建物」のことです。

 

日本では、これまでは「住宅をつくっては建て直す」といったことが一般的でした。しかし、これは人や環境にとって必ずしも良いこととはいえず、「良いものをつくって、きちんと手入れをして長く大切に使う」という社会を目指すべきではないかという考え方が生まれました。

 

この考え方に基づいて、2008年12月5日に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が成立しました。

 

長期優良住宅を増やすために、長期優良住宅の認定を受けた住宅には、住宅ローンの金利引き下げや補助金、税金の特例、地震保険料の割引など、さまざまな優遇が用意されています。

 

ただし、認定を受けるためにはいくつかの条件をクリアしなければなりません。

 

長期優良住宅として認可されるには、次の9つを満たす必要があります。細かな基準、具体的な数値などについては、国土交通省のホームページをご覧ください。

国土交通省「長期優良住宅のページ」

 

1.バリアフリー性

住宅に住む人にバリアフリーの環境が必要になった際、そのための改修に対応できる家であること。具体的には「バリアフリー設備のための十分な広さ」が必要。

 

2.可変性

住む人のライフスタイルの変化などに合わせ、間取りの変更などに対応できるようになっていること。

 

3.耐震性

「極めて稀に発生する地震」(数百年に1度程度)と定義される大きな地震に耐えうること。その後修繕すれば住み続けられるだけの損傷レベルに抑えられること。

 

4.省エネルギー性

断熱性能や省エネルギー性能が一定レベル確保されていること。

 

.居住環境

良好な景観を保つものであり、その地域に合った居住環境の維持や向上に配慮していること。

 

6.維持保全計画

構造上主要な部分や雨水の侵入する部分、給水と排水ための設備などについて、定期的な点検と補修が行われるように計画されていること。

 

7.維持管理・更新の容易性

建物そのものに比べて耐久年数が短い内装や設備などを維持・管理するための措置があること。

 

8.劣化対策

数世代にわたって建物を使用できるよう対策が講じられていること。(木造や鉄筋の場合など、建物の種類に応じて基準が制定)

 

9.住戸面積

住む人が暮らしやすい広さが確保されていること。一戸建ての場合は75m2以上となり、マンションなどの共同住宅の場合は55m2以上となる。(地域による差異あり)

 

長期優良住宅として認めてもらうためには、技術的な審査を依頼し、管轄となる行政庁に申請しなければなりません。

 

これらは建築主や分譲事業者、代行で施工事業者などが行い、着工までに認定を受けておく必要があります。

 

また、着工後に「申請どおりの建物ができたかどうか」の調査や、それに不足する場合には修繕や改良などが行われます。

 

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冒頭でも触れたように、全期間固定金利住宅ローン「フラット35」にはさらに、家を建てる家族や住宅のタイプに応じてメニューがあり、そのひとつが「フラット35S」です。

 

建てる家・購入する家が長期優良住宅である場合、フラット35の借入利息からさらに優遇された年利でローンを借りることができます。

 

それが「フラット35S」であり、2020年3月31日(火)までの申し込みまでが適用されます(期間を待たず、予算を越える見込みになると受け付けは終了します)。

 

なおフラット35Sは必ず長期優良住宅でなければならないわけではなく、基準のひとつです。基準は6つあり、そのうちのひとつが長期優良住宅になります。

 

フラット35の金利に加え、下記のようにさらに金利が引き下げられます。

金利引き下げプラン

金利が引き下げられる期間

年利

金利Aプラン

10年間

-0.25%

金利Bプラン

5年間

金利Aプラン、金利Bプランはそれぞれ住宅の条件が異なります。

 

【金利Aプランの条件】

省エネルギー性

・認定低炭素住宅
・一次エネルギー消費量等級5の住宅
・性能向上計画認定住宅

耐震性

耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅

バリアフリー性

高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同住宅の専有部分は等級3でも可)

耐久性・可変性

長期優良住宅

 

【金利Bプランの条件】

省エネルギー性

・断熱等性能等級4の住宅
・一次エネルギー消費量等級4以上の住宅

耐震性

・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
・免震建築物

バリアフリー性

高齢者等配慮対策等級3以上の住宅

耐久性・可変性

劣化対策等級3の住宅で、それに加えて、維持管理対策等級2以上の住宅(共同住宅などについては、一定以上の更新対策が必要になる)

詳しくは、フラット35Sのホームページにてご確認ください。

【フラット35】Sの技術基準の概要

長期優良住宅にするメリットはほかにもある

長期優良住宅にするメリットはほかにもある

フラット35Sでは、フラット35よりも一定期間、金利が有利になることを説明しましたが、長期優良住宅にすることでのメリットは金利、住宅ローン減税のほかにもあります。

 

免許登録税の軽減や不動産取得税の控除、固定資産税の減額などです。何より「家族が住みやすい家を目指す」という意味では、長期優良住宅の基準は非常に重要な指針になるものと考えられます。

 

長期優良住宅にするかどうか、検討してみてはいかがでしょうか。

 

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更新日: / 公開日:2019.08.02