フルローンは審査や返済額で不利
頭金なしのフルローンは、借入額が増えるため審査が厳しくなります。また、金利が高くなる場合があり、利息負担が増え総返済額が大きくなる可能性があります。諸費用も別途用意するのが一般的で、計画的な資金準備が重要です。
詳しくは、「フルローンを組むことをお勧めできない理由」をご覧ください。
頭金の相場は物件価格の1〜2割
住宅金融支援機構の調査によると、住宅購入者の多くは頭金を用意しています。その額は物件価格の7~17%ほどが平均です。金額にすると、住宅の種類によりますが200万~750万円ほどが目安となります。
詳しくは、「通常はどの程度の頭金を用意しているのか」をご覧ください。
頭金は贈与や貯金で準備
頭金がすぐに用意できない場合、親や祖父母に資金援助を相談する方法があります。住宅購入資金の贈与には非課税制度も利用できます。また、まずは目標額を決めて貯金を始めるなど、身の丈に合った計画を立てることが大切です。
詳しくは、「フルローンを組まない場合はどうするか」をご覧ください。

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「貯金がなくて頭金は用意できないが、住宅を購入したい」。そのような方は住宅購入をあきらめなければならないのでしょうか?

 

結論として、あきらめる必要はありませんが、頭金なしで購入するのにはリスクがあります。

 

住宅ローンを組む際には、かつては頭金が物件価格の2割以上は必要といわれていましたが、今では頭金ゼロでも住宅ローンが組める、いわゆるフルローンというものが提供されています。

 

しかしながら住宅を購入する際には、頭金を用意するほうが安心です。リスクを踏まえたうえで、どの程度の頭金を用意するのか、いつ購入すべきかなどを検討しましょう。

 

そもそも頭金とは、物件価格のうち、購入時に現金で支払う額のことをいいます。

 

かつては購入価格の7~8割までしかローンを組めない時代もあったのですが、ネット銀行が台頭し、既存の銀行とのサービス競争が激しくなった結果、フルローンを組める銀行も出てきました。

 

また住宅を購入する際には、物件価格だけでなく融資手数料や登記費用、印紙税といった諸費用がかかります。

 

この諸費用は基本的に自己資金で用意するものとされてきましたが、最近では諸費用、リフォーム費用、さらには引越し費用まで、物件価格に加えて融資してくれる住宅ローンを提供する金融機関も出てきています。

 

自己資金なしでも家が購入できるなら、すぐにでも買いたいと思われるかもしれませんが、実際には頭金なしでフルローンを組むことはお勧めできません。その理由について、次で詳しく説明していきます。

 

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金融機関によっては住宅ローンをフルで組めますが、それをお勧めできないのには、いくつか理由があります。

住宅ローンの審査に通りにくくなる

 

頭金なしの場合、住宅ローンの審査は頭金ありの場合と比べて厳しくなります。

 

ローン完済までは家や土地に金融機関の抵当権が設定され、融資先に万が一のことがあってローンが支払えなくなってしまうと、金融機関はその物件を売却します。

 

そういった場合、物件の売却価格が住宅ローンの残高よりも安くなってしまうリスクが高まるため、住宅ローンの審査に通りにくくなるのです。

利息負担が増え、総返済額が大きくなる

利息負担が増え、総返済額が大きくなる

 

頭金なしで住宅ローンを組むと、借りる金額が大きくなるので、当然支払う利息額も増えます。また金融機関によっては、頭金の割合に応じて金利が異なる場合があります。

 

たとえばフラット35の場合は、融資率によって金利が変わります。融資率とは、建設費や購入価格に対して借入金の占める割合を指しています。

 

この融資率が9割以下の場合と、9割を超える場合で異なる金利が設定されています。

 

2021年10月現在では、借入期間が21年以上35年以下のフラット35では、取扱金融機関が提供する金利のうち、最も多い金利が下記のようになっています。

  • 融資率9割以下の場合 年1.300%

  • 融資率9割超の場合  年1.560%

    (2021年10月現在)

融資率が9割を超える場合は、融資率が9割以下である場合の金利に年0.26%の金利を上乗せされます。

 

わずかな差のように思えるかもしれませんが、住宅ローンは融資額が大きく返済期間も長いので、この差は見逃せません。

基本的に諸費用は自己資金が必要

基本的に諸費用は自己資金が必要

 

諸費用とは、前でも説明したような内容の費用ですが、その金額は新築住宅の場合は物件価格の3~8%といわれています。

 

その金額を含めて住宅ローンを組むと、確かに自己資金は少なくて済むのですが、金融機関側からすると延滞リスクが高まるため、金利が上がる場合があります。

 

従って、諸費用は自己資金として用意しておくほうがお勧めです。

そもそも頭金がゼロの状態で毎月返し続けることができるのか

 

フルローンの金額を返済していくとなると、毎月の返済額がかなり大きくなります。そもそも頭金がゼロということは、これまでお金を貯められていないということです。

 

返せなくなるリスクを踏まえて、想定している月々の返済額が現在の収入に対して適切なのかどうかを吟味しましょう。

 

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では、通常はどの程度の頭金を用意するとよいのでしょうか?

 

住宅金融支援機構の調査の結果(2020年度 フラット35利用者調査)を参照して、平均的な頭金の金額を見ていきましょう。

 

手持金

融資金

その他資金(親、勤務先など)

注文住宅

619.0万円

(17.5%)

2,822.8万円

(79.9%)

92.0万円

(2.6%)

土地付注文住宅

440.5万円

(10.0%)

3,765.5万円

(85.6%)

191.3万円

(4.4%)

建売住宅

247.3万円

(7.1%)

3,032.8万円

(86.8%)

215,1万円

(6.2%)

マンション

758.1万円

(16.7%)

3,606.5万円

(79.3%)

180.5万円

(4.0%)

中古戸建

198.7万円

(8.0%)

2,144.5万円

(86.5%)

137.0万円

(5.5%)

中古マンション

343.4万円

(11.6%)

2,479.5万円

(83.4%)

148.5万円

(5.0%)

出典:「住宅金融支援機構「2020年度 フラット35利用者調査」

 

上記の結果から、融資区分にもよりますが、一般的には頭金(手持金)を200万~750万円ほど、物件価格の7~17%ほど用意するのが平均的といえるでしょう。

 

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フルローンを組まない場合

親や祖父母に資金援助の相談をする

 

自己資金が用意できるめどが立たない場合、父母や祖父母など直系尊属に資金援助を頼むという手段が考えられます。

 

通常、直系尊属からであっても一定の金額を超える贈与には贈与税がかかります。しかし住宅の購入、新築、増改築などのために贈与を受ける場合、一定の限度額までは非課税となる制度があるのです。

 

2020年4月1日から2021年12月31日までに契約した物件の場合、消費税が10%の物件の非課税限度額は、一般住宅で1,000万円、省エネ基準を満たす住宅で1,500万円です。

 

この非課税の制度を利用して、親や祖父母に援助を頼むという選択肢もあるでしょう。

地道に貯金から始める

地道に貯金から始める

 

そもそも貯金がない時点での住宅購入が、ライフスタイルに適していないという可能性もあります。まずは物件価格の1割など、目標を決めて貯金するところから始めましょう。

 

身の丈に合った物件を選ぶには、最初にシミュレーションで購入可能な物件価格を把握することが大切です。簡易的に毎月の返済額などが計算できるサービスもありますので、うまく利用していきましょう。

 

住宅ローン審査シミュレーション

 

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住宅ローンをフルローンで組むと、さまざまなリスクがあることを見てきました。

 

頭金なしでも組めることは組めますが、長い返済期間にかかる金利のことなどを考えると、少しでも頭金を用意しておいたほうが得策です。

 

自分のこれからのライフイベントなどもよく考えて、返済計画を立てるようにしてください。

 

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Q.1 貯金がまったくないのですが、本当に家は買えますか?

A.1 はい、頭金なしの「フルローン」で住宅を購入することは可能です。ただし、審査が厳しくなったり返済の負担が重くなったりするリスクがあるため、利用は慎重に検討しましょう。

Q.2 頭金なしの「フルローン」の具体的なデメリットは何ですか?

A.2 主なデメリットは、以下の4点です。

  1. 審査が厳しくなる:借入額が多いため、金融機関の審査が厳しくなる傾向があります。
  2. 総返済額が増える:金利が高めに設定される場合があり、返済総額が大きくなります。
  3. 諸費用は現金で必要:基本的に、登記費用などの諸費用は自己資金で用意しなくてはなりません。
  4. 返済への不安:貯蓄習慣がないまま高額なローンを組むと、返済が苦しくなる可能性があります。

Q.3 「諸費用」とは何ですか?ローンで借りられますか?

A.3 住宅ローンの手数料や登記費用、税金などをまとめた費用で、新築の場合、物件価格の3~8%が目安です。諸費用をローンに含められる金融機関もありますが、金利が高くなることがあるため、自己資金で用意するのがおすすめです。

Q.4 家を買う人は、平均でどれくらい頭金を用意しているのですか?

A.4 2020年度の調査によると、物件価格の7~17%(金額で約200万~750万円)を頭金として用意するのが平均的です。住宅の種類によって金額は異なります。

Q.5 頭金が用意できない場合、どうすればいいですか?

A.5 主に2つの方法があります。1つは、親や祖父母に資金援助を相談する方法です。住宅購入資金の贈与には非課税制度が利用できます。もう1つは、まず目標額を決めて、計画的に貯金を始めることです。

Q.6 親からの資金援助に、税金はかかりますか?

A.6 住宅購入のための資金援助であれば、一定額まで贈与税がかからない特例制度を利用できます。記事執筆時点(2021年)では、省エネ住宅なら最大1,500万円、一般住宅なら最大1,000万円までが非課税対象です。

Q.7 家の購入を考え始めたら、まず何から始めればいいですか?

A.7 まずは、ご自身の収入から「毎月いくらまで返済できるか」を把握することが第一歩です。Webサイトのローンシミュレーションなどを活用して購入可能な物件価格の目安を知り、具体的な目標を立てて貯金を始めるのがおすすめです。

更新日: / 公開日:2019.07.01