臨時収入であるボーナス。もう使い道は決まっているでしょうか。

家族での旅行や子どもの習い事、貯蓄に回そうとお考えの方も多いと思いますが、住宅ローンの繰上返済に回すと生活をぐっと楽にできるかもしれません。

今回は、ボーナスを繰上返済に回した際のメリットとデメリット、繰上返済するのに適したタイミングなどお伝えします。のちのちお得になることも多いため、しっかり確認しておきましょう。
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住宅ローンは毎月返済していくものですが、その内訳には元金部分と利息部分とがあり、後者の利息部分の割合が少なくありません。

 

一方、繰上返済は先々の分を前倒しして返済する効果にプラスして、元金を大きく減らすことができるので、利息部分の返済額が減るというメリットがあります。

 

繰上返済には「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があり、それぞれ得られるメリットが異なります。

返済期間短縮型は、その名の通り返済期間を短縮する繰上返済のことを言います。老後にまで及ぶことの多い住宅ローンの返済を、早く完済して安心したいという方におすすめです。

 

繰上返済することで毎月の生活が楽になるということはありませんが、住宅ローンの利息減効果は、もう一つの返済額軽減型より高くなっています。

 

例えば、借入額3,000万円・借入期間35年・金利1%の住宅ローンを借りて、5年後に100万円繰上返済した場合、30年ある残りの借入期間を28年9ヶ月に減らすことができます。

 

総返済額は3,556万円から3,524万円に減らせ、その軽減額は32万円となります。

一方、返済額軽減型は、繰上返済することで毎月の返済額を軽減できるもので、毎月の住宅ローン返済の負担が大きいと感じている方におすすめです。

 

ただし、返済期間短縮型と比べると利息減効果は小さくなっています。

 

例えば、同じく借入額3,000万円・借入期間35年・金利1%の住宅ローンを、5年後に100万円繰上返済すると、毎月の返済額を84,685円から81,469円にすることができ、3,216円軽減することにとどまります。

 

また、総返済額は3,556万円から3,540万円になり、軽減額は15万7千円となります。同じ額の繰上返済でも返済期間短縮型と比べると、総返済額の軽減効果は半分以下であることが分かります。

ここでは、ボーナスを使って繰上返済するメリットとデメリットをお伝えします。

ボーナスを使った繰上返済のメリットには以下のようなものがあります。
・返済期間を短縮できる/返済額を軽減できる
・利息を減らすことができる
・インターネットを使えば手数料無料がほとんど

それぞれについて説明していきましょう。

 

返済期間を短縮できる/返済額を軽減できる

 

繰上返済には「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つがあり、それぞれ返済期間を短縮する効果と、返済額を軽減する効果が得られます。

 

返済期間短縮型を選ぶことで将来の安心につなげられ、また返済額軽減型を選ぶことで毎月の生活にゆとりをもたらすことができます。

 

利息を減らすことができる

 

繰上返済は元金部分と利息部分のうち、元金部分だけ返済することができるため、本来払うべきだった利息を軽減することができます。

 

インターネットを使えば手数料無料がほとんど

 

現在、多くの金融機関がインターネットを経由して繰上返済することで手数料を無料としています。

 

1回の効果は薄くとも、ボーナスの度に余裕資金を繰上返済していけば、どんどん利息を減らしていけます。

 

一方、ボーナスを使った繰上返済には以下のようなデメリットもあります。
・手元の現金が少なくなる
・住宅ローンはすべてのローンの中で最も金利が低い
・住宅ローン控除が少なくなるケースも

それぞれについて見ていきましょう。

 

手元の現金が少なくなる

 

手元の現金を繰上返済に充てることで住宅ローンの残債を減らすことができますが、当然のことながら繰上返済した分、手元の現金は少なくなってしまいます。

 

子どもの教育資金や事故にあってしまった時などの緊急費用として、ある程度は手元に現金を残しておく方がよいでしょう。

 

住宅ローンはすべてのローンの中で最も金利が低い

 

住宅ローンは基本的にすべてのローンの中で最も金利の低い商品です。

 

例えば、自動車が欲しい場合、手元にお金があれば現金一括購入で買えたものを自動車ローンを組んで購入するのであれば本末転倒です。

 

とはいえ、自動車ローンは金利が高くても借入期間が少ない分、利息の総支払額は小さくなるため、一概に損をしているとも言い切れません。

 

どちらがよいか、しっかり検討して資金計画を立てていくとよいでしょう。

 

住宅ローン控除が少なくなるケースも

 

住宅ローンには、一定の条件を満たすと、新築および買取再販の住宅は最初の13年間(中古住宅は10年間)、年末借入残高の0.7%分の控除を受けられるという住宅ローン控除があります。

 

年末借入残高の0.7%なので、繰上返済をして残高が減ると控除額も減ってしまいます。2022年2月現在、住宅ローンは低金利で、0.7%を切っているものも少なくありません。 

 

その金利から0.7%の控除を受けられると考えると、13年間(中古住宅は10年間)は繰上返済をしない方がお得になるケースが多いでしょう。

 

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ローンには金利がかかるため、繰上返済は基本的にできるだけ早いタイミングで実行した方がお得になります。

 

しかし、実際には毎月のお給料やボーナスなどの臨時収入から繰上返済していくことになるため、その中でいつ繰上返済すればお得かを把握しておくと賢く返済を進められます。

 

ここでは、年単位でいつ繰上返済した方がよいのか、また1年の間でいつ繰上返済した方がよいのかについてお伝えします。

ローンは基本的に、できるだけ早いタイミングで繰上返済した方が効果は高いです。

 

どの程度違うのかをわかりやすくするため、5年後、10年後、15年後、20年後にそれぞれ100万円繰上返済した時の借入期間短縮効果と返済額、総返済額の軽減額を見てみましょう。

 

(借入額3,000万円、借入期間35年、金利1%)

 

期間短縮型

返済額軽減型

期間短縮効果

総返済額軽減額

毎月返済額

総返済額軽減額

5年後

15ヶ月

¥323,597

¥81,469

¥157,760

10年後

15ヶ月

¥275,080

¥80,917

¥130,400

15年後

14ヶ月

¥209,547

¥80,086

¥103,760

20年後

13ヶ月

¥148,528

¥78,700

¥77,300

 

期間短縮型では、年数が経つごとに期間短縮効果が弱く、総返済額軽減額が小さくなります。返済額軽減型では、毎月返済額の軽減幅は大きくなっているものの、総返済額軽減額は小さくなっています。

 

ただし、住宅ローン控除が10年間あるため、これとは別に当初10年間は年末残高の1%分の控除を受けられます。

 

そのため10年間は繰上返済せず、ボーナスを繰上返済に充てたい場合は10年間貯めておき、11年目に繰上返済するとよいでしょう。

 

住宅ローン控除の期間が終了する11年目以降に関しては、できるだけ早いタイミングでの繰越返済がお得になります。

前述のとおり、住宅ローン控除の関係で、金利が低ければ最初の10年間は繰上返済しない方がお得ですが、それでも繰上返済したい時は少し工夫しましょう。

 

住宅ローンの年末残高を減らさないために、夏のボーナスは年末まで貯めておき、年が明けた1月に冬のボーナスと一緒に繰上返済するのがおすすめです。

・繰上返済には期間短縮型と返済額軽減型があり、期間短縮型の方がお得
・繰上返済では手持ちの現金をなくさないようにすることが大切
・繰上返済はできるだけ早いタイミングで行った方がお得
・ただし、住宅ローン控除を受けている間は繰上返済しない方がよい

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更新日: / 公開日:2018.09.07