家を買おうか!その前に…お金の常識講座 ④住宅ローンの賢い返し方 - 基礎編
「お金の常識講座」第4回となる今回は、住宅ローンの“返済”にスポットを当て、いかにトータルの総返済額を抑えることができるかを考察してみました。繰り上げ返済の考え方、住宅ローン控除など、総返済額を抑えるための基礎的な知識をお送りします。無料で住まいの窓口に相談する
繰り上げ返済を活用すべし
返済当初の額が安い元利均等返済
総返済額が少なくなる元金均等返済
それぞれ返済方法に特徴があります。元利均等返済は元金と利息の合計、つまり毎月の返済額が同じです。一方の元金均等返済は、元金部分の返済が均一で、そこに利息分をプラスして返済します。
元利均等返済は、返済当初の額が少ないため無理なく返済できますが、最初は利息の支払いが多くなり、最終的な返済額も多くなります。元金均等返済は、元金の減り具合が元利均等返済より大きいため、総返済額が少なくなりますが、返済当初の金額が大きくなるのがネックです。

元利均等返済
返済額が一定のため生活プランが立てやすい。ほとんどのプランで選択できる

元金均等返済
利用できるのはフラット35や財形融資など。選択できるプランが限定される

繰り上げ返済を活用しよう
住宅ローンの返済中に貯蓄ができた場合は、繰り上げ返済の検討をするのがよいでしょう。今は手数料がかからない金融機関もあるので、積極的に活用したいところです。活用する場合は、なるべく長い期間で借りて早い時期に期間短縮で返済するとお得になるケースが多いようです。
繰り上げ返済の金額は全て元金に充てられるため、その分の利息を支払わなくてよくなります。結果として総返済額を抑えることができます。繰り上げ返済には、返済期間は変えずに毎月の返済額を少なくする返済額軽減型もあるので覚えておきましょう。
繰り上げ返済で変わる総返済額
| 繰上返済 | 毎月返済額 | 総返済額 | 返済年数 |
|---|---|---|---|
| 無し | 8万7510 | 3675万4487 | 35年 |
| 3年後に500万円 期間短縮 | 8万7510 | 3471万6203 | 28年 4カ月 |
| 3年後に500万円 返済額軽減 | 8万7510 ↓ 7万1820 | 3573万0392 | 35年 |
※単位は円。3000万円を金利1.2%、35年ローンで借り入れ、元利均等返済で固定、ボーナス返済なし、3年後に500万円を繰り上げ返済した場合
返済期間短縮型

※元金の①の部分を返済すると、②の部分の利息がなくなる。繰り上げ返済が早いほど効果が大きい
住宅ローン控除も忘れずに
最大400万円が還付される
住宅ローン控除の申告は忘れずに!
住宅ローン控除は、住宅の新築・取得、リフォームなどのために住宅ローンを借りた人が確定申告を行うことで10年間にわたり年末のローン残高の1%が所得税から控除される制度。当初は2019年6月末まででしたが、税制改正関連法の成立によって2021年末まで継続されることになりました。一般住宅では最大で年間40万円、総額400万円が所得税から還付されるので、必ず申告しましょう!

住宅ローン控除の概要
| 借入金などの 年末残高の限度額 | 控除率 | 控除期間 | 最大 控除額 | |
|---|---|---|---|---|
| 一般住宅 | 4000万円 | 1% | 10年間 | 400万円 |
| 認定住宅 | 5000万円 | 1% | 10年間 | 500万円 |
※自ら居住する住宅であること、床面積が50m2以上であること、借入金の返済期間が10年以上、年収3000万円以下であることなど、住宅ローン控除の利用条件がある。認定住宅とは、一定の基準を満たし長期にわたって優良な状況を保てる住宅のこと
取材協力=塩澤祟さん / 取材・文=越智龍二 / イラスト=柏原全作
編集= LIFULL HOME'S 編集部
更新日: / 公開日:2018.09.06














