HOME‘Sが行なった住宅ローン調査によると、審査に落ちた理由の1位は「年収が少なかったから」、2位が「勤続年数が短かったから」。そして3位が「自営業だったから」となっています。

今回紹介する体験談の主人公、Bさん(42歳女性)は大手物流会社に勤務する正社員。しかし、夫が開業して3年しかたっていない自営業だったことがネックで住宅ローンの審査に通らなかったという経験をしています。

2社の審査に落ちた後、3社目に審査の申し込みをしたネット銀行で借りることができました。どのようにして審査をクリアしたのか、聞いてみました!

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職業:大手物流会社の正社員
年収:約500万円(夫も約500万円)
家族構成:夫44歳(自営業)

 

【住宅ローン】
審査を依頼した金融機関:3社(都市銀行1社、信託銀行1社、ネット銀行1社)
借りることができた金融機関:ネット銀行
頭金:700万円
借入金額:5200万円
金利タイプ:全期間固定型(フラット35)
返済額(月):14万円
返済年数:35年

 

【購入した住まいについて】
エリア:東京都新宿区→東京都新宿区
立地:最寄り駅から徒歩3分
購入した物件:新築分譲マンション
間取り/専有面積:3LDK・70m2
物件の名義:Bさんと夫の共有名義
購入価格:5900万円
購入した時期:2014年12月

 

 

大手物流会社で事務職に従事するBさん。37歳のときに結婚し、夫と2人で東京都新宿区内の1LDKの賃貸マンションで暮らしていました。

 

最寄り駅から徒歩1分、買い物にも便利な場所にあったマンションでしたが、40m2と狭いうえに日当たりが悪く、冬は底冷えのする寒さだったといいます。

 

「なのに家賃は月14万円と高かったんです。周辺環境は気に入っていましたが、このマンションに住み続けるつもりはなく、いい物件があれば買って引っ越したいと思っていました」。

 

そんなある日、すぐ近くに新築分譲マンションが建つと知り、夫と一緒にモデルルームを見学。間取りがとても気に入り、3階南東にある3LDKを夫婦共有名義で購入することに決めました。それは2年前のことで当時Bさんは40歳、夫は42歳。

 

「年齢的にも今買わないと、住宅ローンを返していくのが難しくなるなと思ったんです」と話すBさん。購入価格5900万円に対して頭金500万円を用意し、残りの5400万円について住宅ローンを組もうと考えました。

銀行に断られてしまった

銀行に断られてしまった

Bさんは大手企業の勤続約20年の正社員なので、「住宅ローンの審査なんて簡単に通る」と考えていたのですが、夫自身は不安を感じていました。

 

というのも、夫は士業事務所を構える自営業。当時はまだ開業して3年めと業歴が浅く、「審査のうえでマイナスになるのでは」とひそかに懸念していたのだそうです。

 

都市銀行に審査を依頼。ところがBさんの楽観的な予想に反し、予審の書類審査で落ちてしまいました。その都市銀行を審査依頼先に選んだのには、こんな理由がありました。

 

「私が勤める会社の福利厚生で、提携する銀行で住宅ローンを組むと金利が安くなるという制度があって、その提携銀行のなかから選んだ都市銀行だったのです」。

 

さらにBさんはこう続けます。「だから審査に落ちるわけはないと思っていたのに通らなかった…。審査結果通知書には、『住宅ローン融資ができる対象に該当しません』などと書いてあって、銀行って冷たいところだと思いました」。

 

通知書には、通らなかった理由も書かれていて、「夫が業歴の浅い自営業者だったこと」と記されていました。

 

「自営業者だと直近5年の決算書の提出が必要だったのですが、当時、夫は開業3年目。それで開業して3年間の決算書を提出しましたが、開業初年度は顧客も少なく、収入がほとんどない状態でしたから不利ではありました。

 

でも、私の勤め先の福利厚生で提携している銀行だからなんとかなるかなと思っていたのに落ちてしまって…。審査対策を考えないとやばいかもと思い始めました」。

 

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都市銀行の審査に落ち、次に住宅ローン審査を申し込んだのは信託銀行。ここもまた、Bさんの勤務先の福利厚生で提携している銀行でした。

 

が、2社目の審査にも通りませんでした。1社目の都市銀行と同じく、夫が業歴の浅い自営業者であることが落ちた理由でしたが、加えてネックになったのは思いもよらぬ過去の出来事だったのです。

 

「その信託銀行からの審査結果通知書には審査に通せない理由として、夫にクレジットカードのキャッシング経験があったと書かれていました。夫に確認してみたら『キャッシングを利用したことはあるけど、そう高額ではないし、きちんと返済している』と。それなのに住宅ローン審査にマイナスの影響を与えるとは…。夫は『俺のせいで借りられないなんて』と落ち込んでいました」。

 

銀行2社の審査に落ち、Bさん夫婦が頼ったのは購入予定の物件を仲介した不動産会社の担当者Cさんでした。

 

次なる審査申し込み先としてCさんが提案したのはネット銀行のD銀行。「審査基準がゆるいのでおすすめです」と、Cさんはいうのです。

 

「D銀行の名前は知っていたけど、使ったことは一度もありません。でも、審査が通るのならどこでもいいと思ったので、D銀行に審査を申し込むことにしました」。

 

D銀行の審査対策として、Cさんの助言で見直したのは頭金の額。当初頭金500万円で考えていたのを貯金から工面して700万円に増額し、残りの5200万円について住宅ローンを組む計画に変更しました。

 

また、夫の仕事状況について話を聞いてくれたCさん。開業初年度の収入は少なかったものの、2年目からは顧客が増え続け、取引先企業の顧問料の形で定期収入が増えていると知り、こんな斬新なアドバイスをしてくれたのです。

 

「D銀行の審査に通るために、少しでも年収を増やす努力をしましょう」と。それに対してBさん夫婦は「今からなにができるの?」と思ったそうですが、Cさんの話を聞いているうちに頑張ってみようと思うようになったといいます。

 

では、Cさんの考えた「年収を増やす努力」とはどんなことだったのでしょう?

 

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年収を増やすためのある秘策

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まずCさんが提案したのは、D銀行へ審査を申し込むまで3ヶ月ほど間をおくこと。

 

「私たちが2社の審査に落ちたのは2014年の秋口頃。Cさんからの助言で、D銀行への審査申し込みの時期をその年の暮れに設定したんです」とBさんはふり返ります。

 

秋口から年末にかけての時期は、Bさんの夫の繁忙期でもあり、イレギュラーの仕事の依頼が舞い込みやすい時期でもありました。そこに目をつけたCさん。

 

「その3ヶ月の間、前年よりたくさんの仕事を受注できれば、2014年の見込み年収額を増やせるじゃないですか。その数字をD銀行への審査申し込み書類に書くことができれば、審査にプラスになると思います」と、Cさんは説明してくれたのでした。

 

このようなCさんの提案は、自分の裁量で仕事量をコントロールできる自営業者には有効といえるでしょう。そうして約3ヶ月間、Bさんの夫は休日返上で仕事をこなしました。

 

「定期的な仕事に加え、仕事の依頼はすべて受けていました。ふだんならお断りするような仕事も受けたし、営業して仕事を取ってきたり」とBさん。

 

Bさん自身も毎日残業をし、残業代で手取り収入を上げる努力をしました。その結果、3ヶ月で夫婦合わせて数十万円の年収アップに成功したというから驚きます。

 

そうして臨んだD銀行の住宅ローン審査。夫婦合わせて1000万円を超える年収で、D銀行に申告しました。また、Cさんのアドバイスで、Bさんの夫が開く士業事務所のホームページのURLを審査申込書類に書き入れたといいます。

 

「自営業の場合、どんな仕事をしているのかを銀行に示し、理解してもらうことが大切だとCさんに言われたんです。夫の事務所のホームページには仕事の内容や実績がまとめられているし、まめに更新しているので、最近の仕事状況を知ってもらえるツールになると考えました」。

 

審査対策を立てた甲斐があって、D銀行の審査に通ることができました。頭金で700万円を入れ、住宅ローンを組んだのは5200万円。金利タイプは全期間固定型で、フラット35。返済期間は35年で月々の返済額は14万円という設定でした。

 

3社の住宅ローン審査を経験し、Bさんが痛感したのは、自営業がいかに不安定と思われているのかということ。

 

「自営業の方が住宅ローン審査をクリアするには、頭金をたくさん入れるとか、毎年順調に黒字を出していることが必須だと感じました。特に都市銀行は自営業に厳しいという印象をもったので、私たちが借りているネット銀行など、審査がきびしくない銀行を探してチャレンジするのがいいと思います」と話します。

 

念願のマンションを購入して2年が経過した今、返済計画の見直しは考えているのでしょうか?

 

「月14万円ずつコツコツ返していくと、返し終えるときは、私も夫も75歳以上の後期高齢者。できるだけ早く完済したいので、これまでに5回、一部繰上返済をしました。一部繰上返済については、D銀行は手数料無料で、返済額1万円から受け付けてもらえるんです。私の定年の60歳までには返し終えたい」と、Bさんは目標を話してくれました。

 

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更新日: / 公開日:2016.11.14