定年を迎えてからは、これまでと大きく生活環境が変化するため、事前の人生設計がとても大切となります。特に収入状況が変化するため、資金面で何かと不安を感じてしまう人もいるでしょう。今回は安心できる老後のプランを立てるうえで、どのような点に目を向けておくべきか、お金まわりや住宅の捉え方について解説していきます。
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定年後の暮らし方プラン

 

仕事をしているときには、引退後の生活を具体的に思い描くのは難しいものです。まずは、定年後のプランを立てるうえで、どのような点に意識を向けておくべきか見ておきましょう。

 

定年後の暮らしに不安を抱えないためには、お金の面だけでなく健康や生きがいといった面も考えることが大切だといえます。そこで、目を向けておきたいひとつのポイントとなるのが「健康寿命」です。

 

健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことであり、高齢化がすすむ日本では年々延びています。厚生労働省のデータによれば、2013年の時点で男性71.19年、女性74.21年となっており、それぞれ平均寿命よりも9~12年ほど短いといったデータが出ています。

 

しかし、健康寿命の増加割合は平均寿命よりも高く、その差はこの先ますます縮まっていくと考えられているのです。健康でいられる期間が長くなることを踏まえると、趣味や人付き合いといった仕事以外の生きがいに目を向ける意識が大切となるでしょう。

仕事を引退してからは、それまでよりも年収が少なくなるのが一般的であるため、出費を小さく抑えることが必要となります。子どもの教育費や住宅ローンなどの支払いが終わっていても、それまでの生活レベルを維持するのが難しいケースは少なくありません。

 

そのため、老後の生活に備えて、仕事を続けられる年齢から少しずつ支出を減らす意識を持っておくことが大切となります。とはいえ、生活水準を変えるまでにはそれなりに時間がかかり、周囲の協力が必要となる面もあります。

 

家族や専門家などに相談しながら、ていねいに資金計画を立てていきましょう。

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老後にかかる費用

 

安定した老後を過ごすうえでは、資金面での具体的な計画を立てておくことが大切です。ここでは、総務省統計局の家計調査(2019年度)を基に、2つのケースを例に挙げて、老後にかかる費用を詳しく見ていきましょう。

 

家計調査では、平均的な60歳以上の単身無職世帯の場合、全体の消費支出は1ヶ月当たり「13万9,739円」とされています。主な内訳は、「食費25.7%」「住居費9.2%」「水道・光熱費9.3%」「教養・娯楽費11.8%」などであり、このデータを基に計算すると住居費には約1万3,000円程度しか使われていないことが分かります。ただしこれは持ち家の人が多いためです。賃貸の場合は家賃相場などを確認し、賃料を確保したほうがよさそうです。

 

一方、収入に関しては、9割以上が年金や公的保険などの「社会保障給付」で賄われており、実質的には平均で2万7,090円不足していることが明らかにされているのです。データはあくまで平均にすぎないものの、定年までの貯蓄が重要であることは確かだといえます。

家計調査では、夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯の場合、平均的な消費支出は1ヶ月当たり「23万9,947円」とされています。主な内訳は「食費27.7%」「住居費5.7%」「水道・光熱費8.3%」「教養・娯楽費10.3%」などであり、住居費は1万4,000円程度と計算できます。

 

収入については、単身世帯と同様に9割以上が社会保障給付であり、収支面では実質的に月々3万3,269円の赤字です。夫婦世帯の場合は、単身世帯より通信費なども多く必要となるため、より事前の積み立てが大きな意味を持ちます。

これまでに見てきた金額は、あくまでも生活に最低限必要なものにすぎません。ゆとりのある生活を送るためには、さらに多くの資金を必要とします。

 

たとえば、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(令和元年度)」によれば、旅行や趣味などを楽しむために必要だと考えられている上乗せ額は、平均で「14万円」とされています。そのため、ゆとりのある生活を送るためには、さらに豊かな資金が必要となるのです。

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老後資金を作る方法

 

これまでに見てきたとおり、老後に必要な資金を社会保障給付だけで賄うのは難しい面があり、それまでの貯蓄などが重要な役割を持っています。ここでは、老後資金をつくる方法について見ていきましょう。

 

老後資金のひとつとして考えられるのは退職金です。厚生労働省から発表された2018年の「就労条件総合調査」によれば、定年退職金の平均額は高校卒の現場職で1,159万円、高校卒の管理・技術職で1,618万円、大学卒で1,983万円とされています。

 

しかし、仮に退職金1,500万円で老後の20年を過ごすとすると、1ヶ月当たりに使える金額は「1,500万円÷240ヶ月=6.25万円」です。そのため、人によっては退職金だけでは資金が不足してしまうケースも少なくありません。

 

退職金以外の資産形成には、さまざまな方法があります。たとえば、定期預金などの預貯金、毎月の給与から積み立てる財形貯蓄、確定拠出年金(iDeCo)などが挙げられます。

 

また、ほかにも個人の投資家を対象としたNISA(少額投資非課税制度)など、さまざまなタイプの方法が存在するのです。どのタイプが適しているかは人によって異なるので、それぞれの金利や商品制度、税金などの計算方法を確かめながら、比較検討することが大切です。

 

リバースモーゲージとは、自宅を担保にして生活資金を借り入れる方法のことです。持ち家に住み続けながら利用できるのが魅力であり、利用者が亡くなった後にその物件を売却して、借入金を返済する仕組みがとられています。

 

また、利用者が亡くなった後にも、配偶者であれば契約を引き継げるケースがあるなど、夫婦でも利用しやすいサービスが取り扱われている点も魅力です。リバースモーゲージは、民間の金融機関とともに都道府県の社会福祉協議会も取り扱っており、それぞれ借入金の用途や利用限度額、対象となる物件などに違いがあります。

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老後の暮らし

 

定年後は世帯の高齢化や子どもの独立などにより、住居に求める条件が大きく変化するタイミングでもあります。ここでは、老後に住まいを移す際に、目を向けておくべきポイントを見ていきましょう。

 

シニア世代が住宅を購入する際には、一戸建てよりもマンションのほうが適しているといえます。その理由としては、主に以下の4点が挙げられます。

 

  • バリアフリーに対応しているところが多い
  • メンテナンスの負担が軽減される
  • セキュリティ面の安心感が強い
  • 利便性が良い立地にあることが多い

マンションは一戸建てと異なり、ワンフロアに必要な設備がそろっている点が魅力です。段差が少ないため、高齢になってからも快適に過ごしやすいのです。

 

また、マンションの大きな特徴は、維持管理の負担が軽減されるところにあります。管理費や修繕積立金などがかかるものの、庭や共用設備のメンテナンスは管理会社が行ってくれるため、一戸建てよりも作業負担が小さいのです。

 

さらに、住宅街に多い一戸建てと比べて、マンションは利便性の高い立地につくられることが多いといえます。駅や商業施設までの距離が近い物件であれば、自家用車を手放しても十分に快適な生活を送れるなどのメリットが生まれます。

 

オートロックやモニター付きインターホンなど、セキュリティ設備が整えられているところも多いため、シニア世代には一戸建て以上に住みやすいと感じられる場面が多いでしょう。

これまでに住んでいた一戸建てを手放し、マンションへと拠点を移す際には、生活資金とのバランスに目を向けることが重要です。生活費や医療費・介護費用などを細かく把握しながら資金計画を立てましょう。

 

住み替えを行う場合には、住んでいた自宅の売却・贈与、新たな住まいの購入・賃貸のどちらを選ぶかによって、資金面に大きな違いが生まれます。考えるべきポイントが多いため、一人で悩みを抱えず、必要に応じてファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談を持ちかけてみるといいでしょう。

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定年後の暮らし

 

  • 収入の減少に備えて、家計の縮小を意識しておく
  • 最低限必要な生活費とゆとりのある生活を送るためのコストを考えると、社会保障給付だけでは不足してしまう
  • 老後資金をつくる方法には、退職金や資金積み立て、リバースモーゲージなどがある
  • 老後に住み替えを行うなら一戸建てよりもマンションがおすすめ
  • 売買のどちらも考える必要があるため、状況に応じて専門家に相談することが大切
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更新日: / 公開日:2021.02.15