住まいの購入を考えて、物件を調べたり、情報を見るほどに悩みが増える人は多いのではないでしょうか? 今回は、一戸建ての売却とマンションの購入を同時に進めて、家族の希望通りの住まいを手に入れたAさんに話を聞きました。一般的にネガティブなイメージのある北向きの部屋を購入したAさんですが、部屋の住み心地はどうなのでしょうか?
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家族構成:両親と息子の家族3人暮らし(話を聞いたのは息子さん)
エリア:神奈川県川崎市
最寄駅の駅徒歩:5分
物件種別:マンション
築年数:40年
方角:
購入金額:3,000万円
住宅ローン:ローン無し・一括購入
世帯年収:300〜400万円

 

Aさん(32歳)の購入物件プロフィール

Aさん(32歳)の購入物件プロフィール

もともと、川崎市宮崎台エリアの3階建て一戸建てで両親と暮らしていたAさん。住宅街にある一戸建ては、昼夜問わず音が気になる住まいだったそうです。

 

「真夜中に列をなしてバイクが通る音がしたり、立て続けに近所で工事が始まったこともあって、ずっと工事の音が気になっていました。隣の家とほぼ密接している一戸建てだったので、お風呂で歌っている声も聞こえてくるんです。あー、今日はB’zを歌っているなとか、曲名までわかる(笑)。こういう音の問題がずっと気になっていたところに、両親が高齢になって1階から3階までの上り下りが厳しくなってきました。バリアフリー化の見積もりを取ったけれどかなり高くて、だったらマンションへ住み替えたほうが良いと考え始めました」

 

その一戸建ては、駅から遠く、急な坂道だったそうです。Aさんは、両親が移動しやすい駅までの道が平坦で駅徒歩5分以内、エレベーターが付いているマンションを条件に宮崎台エリアで物件探しを始め、同時に一戸建ての売却について調べ始めました。

 

 

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「まずはインターネットで物件探しを始めました。駅近で物件まで平坦な道という条件は決まっていたから、あとは同じエリアで一戸建ての売却相場を見て、だいたい3,000万円くらいかなという感じで検索していきました」

 

「ただ、検索サイトも、載っている写真も、おしゃれすぎて全てが良い物件に見えてきて。気になった物件はお気に入り登録をしたのですが、結局全物件が『お気に入り』になってしまい、お気に入り登録の意味がなくなりました。20〜30物件くらいまで絞りこんだのですが、そこからどうしていいか分からず、結局、ポストに入っていた物件のチラシを見てその不動産会社に電話をしました」

 

「その後、マンション購入をした友達から、不動産会社は2社以上を比較したほうがいいとアドバイスを受けて、地元と大手の不動産会社で話を聞きました。地元の不動産会社は、売却のコツなどを丁寧に教えてくれて親切だったので、その会社に売却・購入を依頼したかったのですが、情報を持っている物件数が少ないように感じて、結局、大手の不動産会社に依頼することに決めました」

 

物件の売却と購入を同時に進める場合、売却先を決めて売却金額が分かってから、そのお金を元手に購入する物件を決めるのが理想的です。しかし、Aさんは先に購入物件が決まったそうです。

 

ネットで物件探し

ネットで物件探し

大手不動産会社に売却と購入を依頼することにしたAさんは、5物件を紹介されて内見に行ったそうです。

 

駅から近いことと道が平坦であることが第一条件で、あとは一戸建てで音問題に悩んでいた時期だったので、最上階か、真上に人が住んでいるかどうかにこだわって内見しました。今の物件に決めたのは、内見した時に同じマンションの住人と話ができて、マンション内のルールが定められていて、それがきちんと守られていると聞いたことが大きいです。6階建ての5階なので最上階ではないのですが、ちょうど上の部屋に人が住んでいなかったのも良かったし、駅からは緩やかな坂道ですが、駅から歩いて5分だし、エレベーターがあるので両親も楽に移動できます。内見の日にゴミ捨て場に行ったら、日参の管理人のおばちゃんが明るく挨拶をしてくれて、この人が管理してくれるなら良いなと思って決めました」

 

一般的には、広さ・間取り・方角・耐震など様々な条件で物件を探しますが、Aさんは駅近でフラットな道、という明確な条件があったため、それ以外のことはあまり気にしなかったそうです。

 

「築年数が40年と古いのですが、中身を見たら古さは感じなかったのと、購入前に耐震診断がされていてその資料を見せてもらって問題ないと思ったので気にしませんでした。広さも方角も気にせずに決めて、気が付いたら北向き物件だった、という感じです」

 

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広さや方角を気にせずに物件を決めたAさん。実際に住んでみて、不便を感じることはないのでしょうか?

 

「広さは気になりませんが、天井が低くて部屋の開口部の建具に頭がぶつかるので、いつも建具をくぐって出入りしていて不便です。開口部の高さを上げられないか工務店に聞いたのですが、大規模工事になると聞いて断念しました。

 

「北向きなので、日が当たらず冬は寒くて暗いです。冬は1日中暖房と電気を付けていますが、一戸建ての時は床暖房で電気代が高かったので、今のほうが光熱費が安くて、北向きのデメリットを感じません。あと、冬はカーテンが濡れるくらい窓に結露があるので、毎朝窓を拭いてカビが生えないように気をつけています」

 

「住んでから不便を感じているのは、ベランダの目の前の敷地で大規模な工事が始まったことです。2020年まで続く工事で、洗濯物を干してもホコリとニオイが気になって、工事が始まる前に1時間くらい外に干して会社に行く前に取り込んでしまうので、南向きでも北向きでも関係ない(笑)」

 

「一般的に南向きが良いと言われるのは知っていましたが、気にしたのは『北まくらは縁起が悪い』という迷信くらいで、北まくらで寝ないように気をつけています。平日は家を出るのが早朝の5時なので、部屋に太陽の光が入るか入らないかは気にならないし、休みの日は起きるのが午後という怠け者でして(笑)、それから友達の家に遊びに行ったりするので、日当たりを気にすることはありません。それよりも、北向きが理由で物件価格が少し安くなっていたので、僕にとっては北向きはメリットに感じました」

 

土地の形状・方角もポイント

土地の形状・方角もポイント

もともと、一戸建てを売却して物件購入を考えていたAさんは、ローンを組まずに購入することを前提に物件探しをしたそうです。

 

「僕の周りに、ローンで苦しんでいる友達が多いんです。良い家を買ったけれど、ローンを払うのに四苦八苦して生活が楽しくなさそうなのを見ていて、ローンは組みたくないと思っていました。僕は、両親の生活に不便がなく、細々と長く暮らせる家が良いと思っていたので、資産価値は考えず、一戸建てを売却したお金で購入とリフォームができる物件にすると決めていました」

 

購入する物件を先に決めたため、売却を急ぐ必要があったAさん。タイムリミットのある購入と売却の同時進行は、大変だったそうです。

 

「本当は、2社以上の不動産会社に売却の相談をしたかったのですが、マンションの購入契約が迫っていて時間が取れず、結局、マンションを購入した不動産会社に売却も依頼しました。自分の家に、多くの人が内見に来るのがけっこうストレスだったし、内見の対応とメディアに載せる写真撮影のために家具を移動させたり、立会いの作業で土日はすべて潰れていました。最終的に希望売却価格より少し値引きをして売却したのですが、マンションの購入金額プラスリフォーム代金をまかなえる金額で売れたので良かったです。あと、売却と購入の契約書がすごい量で、見慣れない文章を読むのに疲れ果てていました」

 

キッチン・お風呂・トイレのリフォームをして、費用は約500万円だったそうです。

 

前の住人がDIY好きだったみたいで、壁に本棚が設置されていたり、キッチンがフローリングではなく白いタイルが貼られていました。おしゃれでラッキーと思ってそのまま使っています。水回りは、水漏れが怖かったのと、お風呂がバランス釜で僕の体が入らなかったので(笑)、リフォームしました」

 

 

新築よりも自由度が高い!中古マンション

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一戸建てからマンションに引越したAさん。一戸建てにはないマンション暮らしのメリットを実感しているそうです。

 

「戸建てだと収集日にしかゴミが出せないけれど、マンションは毎日ゴミを出せるのがとても良いです。いろんな勧誘も、直接玄関をノックされることがなくて、チラシが入っているだけで済むというのもマンションに住んで初めて知りました。『知らない誰かが、直接、家に来ない』というのは、こんなにストレスが減るのだなと感じています。戸建ては一般道に近いので、外からの目線が気になっていましたが、今は5階で目の前に建物も無いので、人の目線を気にすることなく生活できます」

 

「あと、一戸建ての時はほとんど近所付き合いが無かったのですが、マンションだと廊下で挨拶をするのが普通だし、洗車や集会の時に顔見知りになって、近所のスーパーの情報を交換したりしています。両親にとっても、顔見知りが近所にいるのは良いことだと感じています。マンションの集会を面倒だという人もいますが、僕は知り合いが増えるのでわりと楽しくやっているし、防災訓練も積極的に参加しています」

 

一見ネガティブな条件に思われる北向きの部屋ですが、既成概念にとらわれずに家族の希望を優先させた住まいで楽しいマンション暮らしを送るAさん。最後に、これから物件を売却・購入をする人へアドバイスをしてもらいました。

 

「『売る』と『買う』を一緒にやるのは本当に大変です。想像している以上だと思います。僕がアドバイスできることは、売ることから計画を立ててプロジェクトのように進めると良いと思います。迷ったり、待ったりする時間が多くて、どうしてもスケジュールがきつくなってくるから、余裕をもったスケジューリングをおすすめします

 

 

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更新日: / 公開日:2018.02.20