駐車スペース・屋上庭園を設けた都市型3階建て！

私立桜が丘女子高等学校に入学した平沢唯はどのクラブに入ろうかと悩んでいたが、「軽い音楽」だから緩い活動だろうと思い込んで廃部になりかけていた軽音楽部に入部届を出した。
ところが、気が付けばバンド活動。ちょっと無理かもと思った彼女は退部しようとするのだけれども、先に入部していた田井中律・秋山澪・琴吹紬の演奏を聴いて思いとどまった。

彼女たちのまったりとした高校生活をエンジョイする姿が描かれ、劇中の音楽も素敵な作品。今回は、そんな唯の自宅を推理します。

都市型狭小住宅のような設計の、3階建て＋屋上庭園のある家

この建物は、間口の狭い都市型狭小地によくあるような間取りの軽量鉄骨造・三階建の物件です。

1階部分にはゆったり二台の車が駐車できるインナーガレージと書斎としてのマルチスペース。
2階にはLDKと広々としたバルコニー。無理に部屋を設けずにバルコニーにしたことによって台所も明るくリビングダイニングも近隣の家をまったく気にしなくて良いといった上手い設計ですね。

ただ、ちょっと気になったのが家具の配置。ダイニングセットとソファーセットは逆の方が導線的に良くないかしら？
また、3階の浴室も人目を気にせずに夜景とか星空が楽しめそうです。

技術の進化を感じる間取り！

実はこの間取りは、2-30年前だと構造的にあまりおすすめできないものでした。できたとしても後々不具合が出てしまうのではないか？といった不安が残ります。
住宅の新たな工法・性能が普及した現在、この住まいはそれらを可能にした一つであると言えると思います。それはどういうことかというと……

まずは1階部分。開口部が大きすぎての耐震上の問題でできなかったインナーガレージ。さらに玄関から廊下の先にある建具で仕切られていない書斎は当時の気密性では外気に影響されますね。

2階についてはこれも水漏れを考慮すると考えにくかったキッチンを配置。また、雨じまい・防水の観点からここまで大きなバルコニーは難しかったかと。

3階には荷重のかかる洗面・浴室があり、当時はRC造でしか見たことのなかった仕様です。ルーフバルコニーも同様の理由から、一般の戸建てではみることはほぼなかったかと思います。

それが工法の多様性・進化によって安心して設計することができるようになりました。

第2のリビング、ルーフバルコニー！

ところでそのルーフバルコニー（屋上）って何に使ってるの？調べてみました。
①洗濯を干す
②景色を眺める
③家庭菜園や花壇の天空庭
④バーバキューをする
⑤露天風呂など

東北新幹線が大宮駅を東京に向けて出発してしばらくするとルーフバルコニーを持つ建物が多く見受けられます。でも、よくよく見ると使っていない感じが。
どうして使わなくなっちゃったのか？たまたまルーフバルコニーを持っていて使っていない人に聞いてみました。
「最初はそこで犬を飼っていたんだけど死んじゃってね、そのあとは家庭菜園もやったんだけど飽きちゃって」
「洗濯物を干してたんだけど、乾燥機買ってからは使わなくなっちゃったわね。あはは、もったいないね」
「でも年に一回、花火大会の時だけは大いに使ってますわよ。おほほ」
……うーん、毎日フル活用というわけにはいかないみたい。こういう人も多いのかしら？

これから住宅の性能がさらに上がれば、この家のように個性的な住まいがもっともっと増えるでしょう。

LIFULL HOME’Sではその使い方の注意点が、マンション中心ではありますが掲載しています。
※参考ルーフバルコニー付きの物件の楽しみ方と注意点
実在する、100畳もあるバルコニーの記事も。
※参考【間取り女子のMADORI探訪②】100畳バルコニーの家であなたなら何をする？

【概要】
所在地：明確な場所の設定はないけれども、唯たちの通っている「私立桜が丘女子高等学校」は、滋賀県「豊郷町立豊郷小学校」がモデルと推察されています。
推定床面積：150.64m2
間取り：3LDK+インナーガレージ+書斎+塔屋付きルーフバルコニー
構造：軽量鉄骨造三階建
入居者：平沢父・母・唯・憂

最近では「セカンドリビング」として屋上庭園の活用をすすめる住宅メーカーも多い

間取り女子

※掲載の間取り図とパースはMEGASOFT 3Dマイホームデザイナーで作図しています