2016年4月から、電力の全面的な自由化がはじまりました。これまでは地域の電力会社によって独占的な電気の供給が行われていたため、私たち消費者は電気の購入先を選ぶことができませんでした。
電力自由化によってさまざまな企業が電気を小売できることになり、多彩な電力会社の中から、生活スタイルに合った契約プランを消費者が自由に選ぶことが可能になりましたが、2016年8月までだと切り替え率は約2%ということです。改めて今回、電力自由化の経緯や切り替えのメリットなどについてお届けします。
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電力自由化の経緯
まずは2000年に大規模な工場やデパートといった大口の需要を対象として、高圧電力の小売が自由化されました。
その後も法の改正を重ね自由化の範囲は段階的に広げられ、2016年には一般家庭向けの低圧電力も対象となることで、全面的な電力自由化が実現したのです。

2016年、家庭向けの電力自由化が実現しました
新電力にはさまざまな業種の会社が参入
電力自由化にともなう新規参入企業(PPS:特定規模電気事業者)が供給する電気を「新電力」と呼びます。
新電力には多種多様な業種からの参入があり、自社に発電設備を持つ会社のほか、発電を行わずに他社の余剰電力を買い取って小売する会社など、業態はさまざまです。
また、従来の電力会社も地域の垣根を超えて新電力事業に取り組んでいます。
たとえば東京電力の場合、これまでは首都圏の1都7県に電気の供給を行ってきましたが、電力自由化後には小売事業を「東京電力エナジーパートナー」として分社化し、対象エリアを中部エリアや関西エリアにも拡大しています。
新電力会社の多くでは、従来の電力会社でもっとも多く契約されている「従量電灯」に比べ、電気料金が数パーセント割安になるプランを提供しています。

新電力の多くは、従来の電気代よりも安いプランです
物件を探す新電力に関する疑問を解消しよう。新電力も電気の品質は変わらない?
新電力に切り替えても、電気を各家庭に送り届ける「送電」の設備は従来の電力会社のものが使用されます。そのため電気の品質はこれまでと変わりません。
また、新電力には「バックアップ契約(最終保障約款)」が定められており、どこからも電気の供給が受けられない事態が起きないように補償されています。
この補償により、何らかのトラブルで新電力会社の発電量が不足した場合には、従来の電力会社によって一時的に電力の融通が行われます。そのため、新電力に切り替えたからといって特定の会社の電気のみが止まることはありません。
同様に、万が一契約した新電力会社が倒産してしまった場合も、従来の電力会社からの供給が行われるので、ある日突然、電気が来なくなってしまうこともありません。

新電力にしても、突然電気が止まることはありません!
新電力への切り替えは簡単
新電力への切り替えは、各社のウェブサイトや電話などで申込みが可能です。また、家電量販店やスーパー店頭での契約が可能な新電力も登場しています。
契約申込み後には、従来のアナログ電気メーターを「スマートメーター」に交換します。交換工事は20分ほどの簡単なもので、設置条件が特殊な場合などを除き費用は基本的に無料です。メーターの交換工事が済めば新電力への切り替えは完了です。従来の電力会社との解約手続きは新電力会社が行ってくれます。
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マンションでも新電力にできる?
マンションやアパートなどの集合住宅でも、新電力へ切り替えることが可能です。ただし、お住まいの建物が「高圧一括受電」を行っていないことが条件となります。
高圧一括受電契約とは、建物で使用する電気を管理組合などが一括にまとめて電力会社と契約することです。「電気のまとめ買い」により電気料金が割安になるため、差額分は共有部の修繕や回収、各世帯への還元などの形で活用されています。
そのため、高圧一括受電を行っている建物では世帯ごとに電力会社の変更はできません。契約形態が分からない場合には、管理組合に問合わせてみましょう。

マンションで新電力に切り替える場合は条件の確認を
賃貸住宅でも新電力にできる?
賃貸住宅にお住まいの場合も、電気の契約名義が本人であれば新電力への切り替えが可能です。電気のメーターは電力会社の持ち物のため、家主への許可なく交換を行っても法的には問題ありません。とはいえ、トラブルを防ぐためにはひと声掛けておくのが無難でしょう。
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必ずしも安くなるとは限らない
新電力の多くが、毎月の電気使用量が多いほど料金が割安になるプラン設定を行っています。そのため、ひとり暮らしで在宅時間が短い世帯などでは、新電力に切り替えてもあまり割安にならないケースも多いでしょう。電気を多く使用するファミリー世帯では、新電力に切り替えることで料金の値下がりが期待できます。毎月の電気使用量が300kWhを超えるかどうかを目安とするとよいでしょう。
また、オール電化などすでに大きな値引きのあるプランを契約している場合は、新電力に切り替えると、かえって電気料金が高くなってしまうこともあるので注意が必要です。

毎月の電力使用量が多いほど安くなる可能性が。現在の電気使用量を確認してみましょう
電気代以外のメリットにも注目しよう
新電力会社の多くが、電気料金の安さ以外にも独自の特典やサービスの提供に力を入れて差別化を図っているのも特長です。たとえば大手石油系の新電力会社ではガソリン代が安くなるサービス、スーパーやコンビニエンスストアでは電気料金に応じたポイント還元やクーポンの配布サービスなどを提供しています。
また、電気を作る方法に注目してみるのもよいでしょう。水力や風力といった再生可能エネルギーによる発電に力を入れている電力会社もあります。

再生可能エネルギーを選ぶのも方法のひとつです
物件を探す違約金が設定されていることも
新電力のプランのなかには、携帯電話のように2年単位の契約が値引きの条件となっているものもあります。使い続けるのであれば問題はありませんが、契約期間の途中で解約すると違約金が発生する場合もあるので、契約内容をきちんと確認しておきましょう。
物件を探す更新日: / 公開日:2016.08.22









