訪れてみると驚きがいっぱい!世界中から見学者がやってくる、“カラダを使う住宅”
“家”というと、毎日なんとなくそこから出かけて、帰ってきて、のんびりくつろぐ場所……そんなイメージがあるのではないでしょうか。ところが、家にいるだけで楽しくなってしまう場所があるんです。
建築作品と芸術作品が凝縮され、カラフルで、おもしろい工夫がたくさん施された住宅――今回は、東京三鷹市にある、「三鷹天命反転住宅 In Memory of Helen Keller」の見学に行ってきました。

三鷹天命反転住宅
集合住宅「三鷹天命反転住宅」を訪れる
JR中央線 武蔵境駅から車やバスで10分ほど。住宅街に突然見えてくるのが、このカラフルな建物。芸術家・建築家である荒川修作とマドリン・ギンズにより、2005年に完成された集合住宅「三鷹天命反転住宅」です。
内外装に14色の鮮やかな色が施された9戸のうち、5戸は賃貸住宅として一般の方が住んでおり、2戸がショートステイとして利用可能、2戸が事務所になっています。
日本だけでなく、世界中から注目されていているこの住宅。週末に不定期で開催される見学会には、国内外からたくさんの人が訪れるのだそう(2013年のゴールデンウィークには、計400人の方が来訪!)。今回は、見学会でも利用されるお部屋(3LDK)に、お邪魔しました。

エレベーターもカラフル!

廊下を歩いて行くときも、カラフルな色合いに、わくわく気分が高まります。

いざ、ドアを開けると、個性的な室内が。取材チーム一同、「うわ~!」と大歓声!
武蔵境駅の物件を探す 街の情報を見るでこぼこ床のヒミツ
真ん中に、掘りごたつのように床が下がったキッチンが。そして、キッチンを囲むようにリビング・スペースがあり、その外にそれぞれの部屋があります。高まる気持ちを抑えながら、靴を脱いで上がり、歩きはじめてみると……床が砂の地面のようにでこぼこしていることに気づきます。
「このでこぼこには2種類あって、大きいものが大人の足の土踏まず、小さいものが子どもの足の土踏まずのサイズなんです。ぐるぐると歩いていると、ちょうどいい場所に足を置くように歩いていることに気付くはずですよ」と、三鷹天命反転住宅の支配人・松田剛佳さん。
実際にぐるぐると歩いてみると……本当だ。いつの間にか歩きやすい大き目のでこぼこを踏んでいる。自分のカラダの方が、この建物に合わせようとしているのです。「ふだんはあまり感じないものですが、実は周りの環境から、いかに自分が影響を受けているかということを、実感いただけるのではないでしょうか」

床がでこぼこしているのが、わかりますか?
ひときわ明るく、個性を放っているのが、この球体になった部屋
「あ~~!」と中で声を出してみると、音が反響します。どの場所に立ち、どのような声を出すかによって、聞こえてくる音が変わってきておもしろい! 「ここで一人で本を読んでみたい」「子どもと遊んだら楽しそう」と、自分だったらどんな使い方をしたいかと、勝手に夢が膨らんでいきます。
「内装にもたくさんの色を使っていて、色彩を勉強している方からは『とても不思議な組み合わせですね』とよく言われます。どこを見ても、目に入る色が6色以上になるように計算されているんですよ。たくさんの色を使うことで、『○○色の家』という固定イメージを植え付けず、色を“色”と見せずに、人の五感に刺激を与えるような工夫をしているのです」

球体の部屋

座るとなんとも落ち着く雰囲気を感じます

畳の部屋と洋間

天井に紐を結ぶとハンモックに。横になってみました。時間を忘れて、ず~っとこのまま過ごしてみたい…。ゆらゆら揺れて気持ちいいです
武蔵境駅の物件を探す 街の情報を見るトイレは外を見ながら開放的に?今までのイメージが覆される発見があちこちに
もうひとつ驚きなのが「トイレ」の場所。シャワーブースの奥にあるのですが…。

円形のシャワーブース。洗面所や乾燥機付き洗濯機もあります
円形のシャワーブース。
手前にカーテンがあって隠すことも可能。青系の色に囲まれて気持ちよさそう。
そして、これがシャワーブースの後ろの奥にあるトイレ!
このまま外を見ながら開放的な感じでもOK、ブラインドをおろしてもOK。

シャワーブースの後ろの奥にあるトイレ
天井も芸術作品!
ちなみに、室内には収納棚のようなものはほとんどなく、天井にいくつもあるフックから、思い思いのままに吊り下げるのです。
※2013年10月11日の情報です。最新の情報は訪れる前にご確認ください。
>>運動不足さん注目! 「三鷹天命反転住宅」でカラダを使う休日-2

天井のあちこちに、フックを掛けられる突起があります。
武蔵境駅の物件を探す 街の情報を見る更新日: / 公開日:2013.10.11










