壁付け、カウンター式、アイランド...キッチンには、さまざまなタイプのレイアウトがあります。そして、どのタイプにもメリット・デメリットがあるもの。キッチンのリノベーションをする前に、それぞれのタイプと特性を知り、あなたのライフスタイルにぴったりなキッチンを想定しておきましょう！
あなたにぴったりなキッチンはどのタイプ？
今回は、３つの代表的なキッチンタイプ「壁付け」「カウンター」「アイランド」の特徴と、メリット・デメリットをご紹介。
それぞれのキッチンリノベで成功するコツも、ぜひ参考にしてみてください。
おなじみの形、「壁付けキッチン」
文字通り、壁に接しているタイプのキッチンです。昭和のDKタイプの住宅のキッチンでは、特に主流だったタイプ。現在でも賃貸アパートなどを中心に、とてもポピュラーな形でもあります。
「和カフェスタイルのダイニングキッチン」 株式会社フレッシュハウス
壁付けキッチンのメリット
① リビング・ダイニングのスペースを広く取れる
キッチンのすぐ後ろにダイニングテーブルが置けるので、作業スペースが広く取れます。また、調理したものをすぐに配膳できるなど、動線が短いのも魅力です。
②カウンターを導入すれば、用途も広がる
壁付けキッチンの背面に別途カウンターを導入すれば、簡易カウンターキッチンの出来上がり。カウンターは、作業台にも、食事をするテーブルにもなり、とても便利です。
③ 変形の間取りでもレイアウトできる
狭小住宅や変形地に造られた家のキッチンでも、レイアウトがしやすいのが壁付けキッチン。スペースを生かせば、収納を増やすこともできます。
壁付けキッチンのデメリット
① 料理中はコミュニケーションが取りづらい
特に子育て世代は、子どもの様子を見ながら料理をしたいと思うもの。壁付けキッチンは、部屋に背を向けて料理をすることになるので、家族やゲストとコミュニケーションを取りづらいのが難点といえます。
②キッチンが丸見えになってしまう
リビング・ダイニングの中にキッチンがある場合、目隠しがない壁付けキッチンは調理場が丸見えに。散らかった印象を与えないために、気を配る必要がありそうです。
壁付けキッチンで成功するコツ！
①壁付けキッチン＋αで、使いやすさUP
メリットでも説明している通り、壁付けキッチンには背面にカウンターを取り入れることをおすすめしています。これは、作業効率が上がるだけでなく、キッチンの目隠しにもなります。カウンターを置くスペースはないけれど、目隠しはしたい......という人は、キッチンにスライド扉を付けたり、ちょっとしたパーテーションを用意しておくのもいいでしょう。
② 料理に集中したい人は、壁付けキッチンに！
コミュニケーションが取りづらいというデメリットも、裏を返せば、自分の世界に没頭できるということ。料理にしっかりと集中したい人には、壁付けキッチンの選択がおすすめです。
子育て世代には特におすすめ「カウンターキッチン」
カウンターキッチンとは、対面キッチンとも呼ばれ、キッチンからダイニングを見渡せるようにカウンターや作業台が設置されているタイプのキッチンです。キッチンとリビング・ダイニングを仕切る壁に窓を開けたタイプや、仕切りの壁がない完全なオープンスタイルのタイプなど、形はさまざまです。
「レトロ感あふれる戸建てリノベーション」 G-FLAT株式会社
カウンターキッチンのメリット
①リビング・ダイニングが見渡せて開放感がある
広々とした開放感が魅力です。ベランダからの風景や、テレビ番組などを見ながらの料理・作業も可能で、家で長く過ごす主婦には嬉しい空間です。
②コミュニケーションが取りやすい
リビング・ダイニングに対面している間取りなので、家族やゲストとコミュニケーションを取りやすく、一人でこもって料理をする孤独感もありません。最近はカウンターをうまく利用して、子どものリビング学習を手伝いながら家事をする、という人も多くなっています。
③配膳が楽にできる
できたての料理をすぐにカウンターに並べて、そのまま食べてもらったり、小料理屋さんのようにバイキング方式を楽しんだり。ダイニング直結のキッチンは、配膳も楽々です。
カウンターキッチンのデメリット
①スペースがないと造りづらい
壁付けキッチンと比べると、大きめになってしまうのがカウンターキッチン。相対的にリビング・ダイニングの面積が減ることになりますので、ある程度のスペースがなければ設置は難しくなります。
② カウンターの上が散らかりやすい
調理道具や家電、食器などに加え、郵便物や子どものプリント類がたくさん置かれて、ゴチャゴチャ...。カウンターという置き場があるからこそ、つい、いろいろな物を置いてしまう人も多いでしょう。ゲストからも目につきやすいカウンターは、整理上手でありたいもの。片付けが苦手という人には、不向きかもしれません。
③料理のにおいがリビング・ダイニング全体に広がりやすい
独立型のキッチンと比べて、料理のにおいや音などが広がりやすくなります。また、リビング側への油はね・水はねも気になるポイントです。
カウンターキッチンで成功するコツ！
① コンロの設置方法を工夫する
カウンターキッチンのレイアウトで一般的なのは、「I型」と呼ばれるもので、シンクやコンロが一列に並んだタイプ。リビングに向かってコンロを設置することで、油はねなどが気になることもあるでしょう。コンロ前にフードを設置する、または、コンロを壁側にし、シンクをカウンターに持ってくるL字型やコの字型のレイアウトにするという方法もあります。施工会社と相談し、動線も考えたうえでタイプを決めましょう。
② キッチンカウンターをテーブルとしても使えるようにする
カウンターを調理場だけでなく、テーブルとしても活用できるように造れば、配膳もしやすく、リビング・ダイニングも広々。家族とのコミュニケーションもグンとしやすくなります。水や油はねなどが気になる場合は、キッチン側の床を下げてカウンターの高さを低くする、プレートを取り付けるなど、施工会社と相談してみましょう。
憧れキッチンNo.1！「アイランドキッチン」
アイランドキッチンとは、キッチンを壁面から離し、独立した場所に島（アイランド）のように設置するキッチンのこと。料理教室など、広さが十分あるキッチンでよく見かけるタイプです。
アイランドキッチンのメリット
①広いキッチンの象徴！リッチなイメージ
まるで映画やドラマに出てくるように、おしゃれな印象のアイランドキッチン。すっきりと片付いたカウンター、磨き上げられた水洗などは、まさに女性の憧れです。
②開放感があり、デザイン性も高いインテリア
独立したカウンターはデザイン性が高く、インテリアとしての完成度も高い。キッチン回りもゆったりと広く、視界も開けて、のびのびと作業ができるのが魅力です。
③ 何人かで作業ができ、コミュニケーションが取りやすい
回遊することができるので、料理教室やサロンなどでも取り入れられることが多いのがこのタイプ。複数人でキッチンに立っても、独立式やカウンター式のように行き止まりになることがないため、共同作業も楽々。ゲストと一緒に料理を楽しみながらパーティーをすることも可能です。
アイランドキッチンのデメリット
①いつも整理をしておく必要がある
四方から丸見えになるアイランドキッチンは、散らかっていると、その家全体が片付いていない印象になってしまいます。油・水はねにも気を配る必要があり、台の上はもちろん、全体的に化粧パネルも磨くなど、毎日の丁寧なケアが必要。その独立した構造から、収納が少ないのも特徴なので、壁側の収納とのバランスも考えておかなければなりません。
②幼い子どもがいる場合は、要注意
アイランドキッチンは、足下に死角ができやすくなります。また、ガードなども付けられないため、幼い子どもを育てている人は、注意が必要です。
③ 価格が高い
その自立した構造から、一般的なキッチンより多くの部材を使い、４面全部に化粧パネルも張られているため、概して高価。そして、アイランドキッチンを設置するには、キッチンのスペースに広さが必要。リビング・ダイニングとのバランスを考えると、住居の床面積全体にゆとりがないと不向きといえます。
アイランドキッチンで成功するためのコツ！
① 動線を考えて、通路の幅に余裕を持つ
アイランドキッチンでは、複数人で作業ができる動線スペースを確保する必要があります。通路にも幅がある、ゆとりのキッチンスペースは、7畳以上を目安に考えておきましょう。
②背面収納のあるタイプを選び、収納力を確保
前述したように、キッチン自体には収納スペースが少ないのがアイランド型の難点。ここをカバーするためにも、壁側の背面収納はしっかりと確保しておきましょう。背面収納にはカウンターも用意しておけば、作業スペースやディスプレイスペースにもなり、より使い勝手が良くなります。
③ 油はね・水はねの対策は万全に
オープンゆえに、キッチン周辺が汚れやすいのもアイランドキッチンの特徴。油煙やにおいをしっかり排出する換気扇や、y調理中の油はねを防ぐ耐火ガラスのパーテーションなど、掃除を事前に楽にする対策を、施工会社と確認しておきましょう。
