賃貸の部屋探しをしていると、物件情報に「インターネット無料」「インターネット対応」と書かれていることがあります。

インターネットが使えるということは分かるものの、具体的にどういう意味なのか、新しくプロバイダーを契約する必要があるのか、疑問に思う人もいるかもしれません。

今回は、インターネット回線に詳しい株式会社Crepasの代表取締役・牧村和慶さんにお話を伺い、賃貸物件でインターネットを利用する方法や、インターネット完備・対応・無料のそれぞれの特徴について解説します。

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インターネットを利用するためには、インターネット回線とプロバイダーが必要になります。

 

また、賃貸物件でインターネットを利用する場合は、インターネットの回線を物件や部屋に通すか、もしくはポケット型Wi-Fiやホームルーターなどのモバイル回線を利用するという方法があります。

 

賃貸物件でインターネットを利用する主な方法は、以下の4つです。詳しく見ていきましょう。

 

光回線の特徴は、光ファイバーによる高速かつ安定したインターネット接続ができる点です。全国で開設できるため、一部の山間部を除いて賃貸物件でも導入できます。

 

近年は、最大通信速度が10ギガに対応するなど、通信技術が日々進化しているので、通信速度と安定したネット回線を重視したい人におすすめです。

 

メリット

  • 夜間など、混雑する時間帯でも安定して使える
  • 通信制限がなく、高画質な映像配信・オンラインゲームなどにも対応

デメリット

  • 導入する際に工事が必要なため、手間と時間、工事費用がかかる(繁忙期は申し込みから利用開始まで1ヶ月以上かかることも)
  • 賃貸物件の場合、導入には事業者の種類や工事可否を管理会社に確認する必要がある
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モバイル回線とは、無線通信によってインターネットに接続する回線のことです。

 

賃貸物件でよく使われるのが、工事不要で端末の電源を入れるだけでインターネットに接続できる「ホームルーター」や「ポケット型Wi-Fi」です。

 

すぐにインターネットを利用したい人や、回線工事ができない物件に住む人などにおすすめです。ポケット型Wi-Fiは持ち運びができるため、外出先でも利用できます。

 

メリット

  • 工事が不要で端末が届いたらすぐにインターネットに接続できる
  • 回線速度は事業者によって異なるが、4Gbps前後の下り(受信)速度も実現可能
  • 場所を選ばずインターネットに接続でき、コンパクトなサイズで操作しやすい(ポケット型Wi-Fi)
  • 光回線よりは料金が安いケースが多い

デメリット

  • 携帯電話基地局との無線通信を行うため、使用する場所によって速度の違いやつながりにくいことがある
  • 利用者が多い時間帯は通信速度に影響を及ぼすことがある
  • 事業者によっては、データ容量が制限されている場合がある
  • バッテリー残量と劣化に注意しながら使用する必要がある(ポケット型Wi-Fi)

 

ケーブルテレビ付きの賃貸物件では、ケーブルテレビの会社でインターネット契約ができるケースも。

 

管理会社や大家さんがインターネット環境として準備してくれていることが多く、手続きを簡略化してインターネットが使えます。

 

メリット

  • 管理会社や大家さんがケーブルテレビ設備を用意してくれている場合は、面倒な手続きなしで使うことができる
  • ケーブルテレビもセットで契約できる

デメリット

  • 通信速度は、光回線よりも遅い
  • 別途契約が必要だったり、プラン内容が選べないケースがある
  • 新規で導入しようとした場合は、地域や場所の問題で利用できないこともある

 

モバイル回線の一種ですが、テザリングは、スマートフォンをルーターにしてインターネットに接続する方法です。インターネット環境はあまり必要ないという人に向いています。

 

メリット

  • 面倒な手続きが不要で、別途端末を準備する必要などがない
  • スマートフォンと同じ通信速度で利用できる

デメリット

  • スマートフォンのバッテリーを消費するため、バッテリーの消耗と劣化に注意が必要
  • 契約プランによっては、通信量を気にしながら使う必要がある

 

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賃貸物件でインターネットに接続する方法は前述したとおりですが、物件情報に「インターネット完備」「インターネット対応」「インターネット無料」と書いてあった場合、その物件にはどのような特徴や違いがあるのでしょうか。

 

インターネット完備の物件とは、インターネットの回線工事がすでに済んでいて、入居後すぐにインターネットを利用できる物件のことです。

 

部屋にLANの設備が用意されているなど、インターネット回線にかかる手間が少なく、初期費用がかからない点がメリットです。比較的築浅の物件に多い傾向があります。

 

インターネット完備物件は、すでにプロバイダーが決まっていることがほとんどなため、回線速度が予想していたよりも遅いなど、期待通りでないこともあるのでご注意ください。

 

インターネット対応物件とは、NTTなどの光ファイバー回線や、ケーブルテレビ回線などがついていて、利用者自身がプロバイダーと契約し、インターネットを利用する物件のことです。

 

自分で手続きや準備をする必要がありますが、インターネット回線設備は整っているので、自分の好きなインターネット事業者と契約ができます。

 

導入可能な回線の種類や工事費用については、管理会社や大家さんに確認する必要があるでしょう。

 

インターネット無料物件では、インターネット完備物件と同じように、すでに管理会社または大家さんによって、インターネット回線工事やプロバイダー契約が済んでいるケースがほとんどです。

 

インターネット回線が無料で利用できる点がメリットですが、賃料に回線使用料が上乗せされるなど、賃料が相場よりも少し割高になっている可能性があります。

 

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自分でインターネット環境を準備する場合、どのような流れで手続きをしたらいいのでしょうか。賃貸物件でインターネットを利用する際の流れについて紹介します。

 

まずは、工事不要の場合の手続きの流れを見ていきましょう。

1 契約事業者が指定されているか確認
2 指定されている場合は指示通りに契約
 指定されていない場合は利用可能な事業者を確認したうえで、利用者自身が契約
3 接続方法を確認(通常、部屋までLANの接続口だけ用意されていることが多いので、無線LANを使いたい場合は、無線LANルーターなどを別途事業者からのレンタルまたは自身で購入して接続)
4 利用開始

インターネット対応物件やケーブルテレビなどの場合は、上記の流れになります。

 

ホームルーターやポケット型Wi-Fiは、自分で選んだ事業者と契約を交わし、自宅に届いたら電源をオンにして、端末につなげるだけですぐに利用できます。

 

次に、インターネット回線の工事が必要な場合の流れについても見ていきましょう。

1 物件のインターネット環境を確認
2 工事が可能な物件かどうか、管理会社や大家さんに確認する
3 契約事業者が指定されているか確認
4 指定されている場合は指示通りに契約
 指定されていない場合は利用可能な事業者を確認したうえで利用者が契約
5 工事日の調整・工事日決定
6 回線工事後、利用開始

賃貸物件の場合、部屋にネット環境を導入できるか、契約手続きのみで利用できるかなど、物件のインターネット環境を事前に確認することが重要です。

 

インターネットが使えない物件はほとんどありませんが、事業者が指定されている場合でその事業者とは契約したくない場合などは、ほかの物件を検討するか、もしくは工事不要のホームルーターやポケット型Wi-Fiを検討することになるでしょう。

 

物件の設備によっては、電柱から直接ケーブルを引き込むケースもあります。工事内容を確認したうえで接続に問題ないか、工事をすることがそもそも可能かどうか、管理会社や大家さんに確認する必要があるでしょう。

 

自分でインターネットの契約をする場合、集合住宅の規模にかかわらず、あらかじめ事業者側に住所と賃貸物件名を伝えて本当に使えるか確認することも重要です。

 

同じ物件で使っている人がいる場合は、開設工事が不要または初期費用が最小限で済む場合もあります。

 

インターネット非対応の物件には、インターネット回線が通っていません。その場合、光回線は導入できませんので、ホームルーターやポケット型Wi-Fiを利用するのが一般的です。

 

接続する場所によって通信の安定性が変わることもあるため、部屋の中でも窓際や高い場所にルーターを置くなど、電波強度を高く保つための工夫をする必要があるでしょう。

 

インターネット非対応物件でも、管理会社や大家さんに相談すれば、インターネット回線工事ができる可能性もあります。

 

ただし、地域や物件の状況によっては回線工事自体ができないケースもあるため、注意が必要です。

 

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部屋を借りた後でインターネット環境について後悔することがないように、事前に意識したいポイントを紹介します。

 

実際に暮らしてみないと、本当にインターネット環境が問題ないのか知ることは難しいかもしれません。あらかじめ、入居先の部屋で理想とする通信速度が実現できるかどうかリサーチすることが大切です。

 

電波を使うホームルーターやポケット型Wi-Fiの場合は、周辺地域に電波を遮るような遮蔽物があると、通信が不安定になることがあります。

 

光回線も地域差があるため、同じエリアで希望する光回線を使っている人の口コミなどを確認しておきましょう。「なかなか通信速度が上がらない」「インターネット接続が不安定」といった口コミがある場合は、注意が必要です。

 

光回線の場合は工事が必要になることが多く、新規開設となると工事費がかかります。

 

多くの場合、契約してから最初の2~3年は、月額料金の中に分割された工事費が含まれている点に注意しなくてはいけません。そのため、期間内に引越しをしてしまうと、工事費の残りを一括で払う必要があります。

 

一方、ホームルーターやポケット型Wi-Fiは契約期間の縛りがない事業者が多く、工事不要で使えます。

 

ただし、端末代は分割払いとなっていることが多いため、契約期間内での途中解約は、残債の一括払いが必要になるケースがほとんどです。引越しを検討していて、まだ契約期間内の場合は、途中解約による違約金や残債の一括支払いに注意が必要です。

 

逆に、インターネット契約がこれからという場合は、入居日や居住期間に合わせてインターネットの種類を選ぶといいでしょう。

 

回線工事をする場合、繁忙期は開通まで1~2ヶ月程度時間がかかるため、入居後に契約をすると1ヶ月以上インターネットが使えない可能性があります。

 

モバイル回線の場合はレンタルも可能なため、上手に組み合わせながらインターネット環境を整えるのがおすすめです。

 

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インターネット契約の際の初期費用で注意したいのが、工事費です。

 

新規で工事を行う場合は工事費がかかりますが、プロバイダーによっては工事費無料だったり月額料金に含まれたりと、料金設定が異なります。契約内容やキャンペーン内容については、よく比較するようにしましょう。

 

同じ光回線でも、プロバイダーによっては独自キャンペーンを展開しているケースもあるため、よりお得に使うにはどのプロバイダーの月額料金やキャッシュバックを使うか、比較してみましょう。

 

料金はもちろんですが、サポートサービスや機能面など、総合的に判断することが重要です。

 

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最後に、賃貸物件でも利用できる楽天モバイルの2つのサービスを紹介します。

 

楽天ひかりは、光コラボレーションサービスの光回線です。NTTフレッツ光の回線を利用し、全国各地で安定的に高速回線が利用できます。

 

フレッツの光コラボレーションのため、賃貸物件でも比較的導入は簡単です。また、IPv6通信にも対応しているため、高速で安定したインターネット接続が可能です。

 

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Rakuten Turboは、楽天モバイル回線が使えるホームルーターです。

 

ほかのホームルーターと比較しても、月額料金の安さが大きな特徴となっています。ホームルーターなので工事不要で端末が届いたらすぐに利用でき、通信量制限を気にすることなく使えます。

 

Rakuten Turboは楽天モバイルの無線通信となるため、地域や場所、時間帯で通信速度にばらつきが出る可能性があります。より安定して高速回線を使いたいという方には、楽天ひかりがおすすめです。

 

楽天ひかりもRakuten Turboも、支払うたびに楽天ポイントが貯まります。楽天市場などのネットショッピングを利用されている人はぜひ検討してみてください。

 

※キャンペーン期間やキャンペーン内容の詳細については、HPをご確認ください。

 

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賃貸物件でインターネットを利用する際は、光回線やモバイル回線、ケーブルテレビなど、さまざまな接続方法があります。

 

物件によってインターネット環境が異なるため、部屋を借りる前に物件情報をよく確認することが大切です。

 

事業者によって月額料金やサポート内容、契約期間の設定が異なるため、よくシミュレーションしたうえで自分に合ったインターネット回線を選びましょう。

 

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更新日: / 公開日:2024.12.13