賃貸物件には、さまざまな選択肢があります。アパートやマンションなどの集合住宅だけでなく、一戸建てにも視野を広げてみることで、理想の物件に出合える確率は高くなるでしょう。
今回は、賃貸一戸建てを借りるときの注意点や、物件選びのポイントなどを紹介します。
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賃貸一戸建てにおける5つの注意点

賃貸一戸建てを探す際には、アパートやマンションにはない注意点を意識しておく必要があります。ここでは、主な注意点を5つに分けて見ていきましょう。
1. 物件数が少ない
賃貸一戸建ては、アパートやマンションと比べると物件数が極端に少なくなります。
例として、LIFULL HOME’Sに掲載されている全国の物件数をリサーチすると、以下のような結果になりました。
・賃貸物件全体:153万881件 ・そのうちの一戸建て物件:3万2,261件 ・一戸建て物件の割合:約2.1% ※ 2023年9月20日時点 |
また、エリアによっても割合は異なり、住宅が密集している東京23区における賃貸一戸建ての割合は「約1.0%(2,043件/19万4,653件)」でした。
このように、賃貸一戸建ては全体数が少ないため、すべての希望条件に合う物件を見つけるのは難しい面もあります。立地や築年数といった条件は、ある程度柔軟性を持たせておくといいでしょう。
2. 管理体制や防犯面で懸念のある物件がある
マンションの場合、オートロックや防犯カメラ、管理人常駐といったセキュリティに優れた物件も多くあります。
一方、賃貸一戸建てはオーナー個人が管理を行うケースも多く、セキュリティに関する設備はどうしても手薄になってしまう面があります。
3. 定期借家の物件も多い
「定期借家」とは、契約期間が満了したら、退去もしくは再契約をしなければならない物件のことです。
一般的な物件のように更新ができないため、借りる際には期間が満了するタイミングで引越しをしなければならないことを理解しておく必要があります。
賃貸一戸建ての場合、「オーナーが海外出張の間だけ貸し出したい」などの理由から、定期借家契約が用いられているケースも多いです。
特に、好条件の割に家賃が安い物件は、定期借家である可能性が高いため、物件情報を確認する段階でチェックしておくといいでしょう。
なお、定期借家の場合、貸主(または不動産会社などの代理人)には、賃貸借契約時に必ずその旨を説明しなければならないという義務があります。
4. 近隣住民との付き合いが濃くなりやすい
一戸建てが立つエリアは、周囲にも一戸建てが多く集まっていることから、近所付き合いが濃密になりやすいのも特徴です。
マンションなどの集合住宅と比べて、「挨拶回りの件数が多くなりやすい」「自治会や町内会への参加が必須」「ゴミ当番を任せられる」といったことも増える傾向にあります。
これらのルールは地域によって異なるため、借りるエリアの事情を不動産会社の担当者などに確認しておくといいでしょう。
5. 自然災害の影響を受けやすい
高さのあるマンションと比べ、一戸建ては浸水の被害を受けやすい傾向があります。物件を決める前に、ハザードマップに目を通し、災害リスクの有無や度合いをチェックしておくことも大切です。
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賃貸一戸建てのメリット

続いて、賃貸一戸建てのメリットも詳しく見ていきましょう。
騒音が気にならない
上下階や隣戸への騒音を気にせずに過ごせるのは、一戸建ての大きなメリットといえます。特に子育て世帯にとっては、騒ぎ声や足音などの影響を気にせずに済むため、過ごしやすいと感じられる場合が多いでしょう。
駐車場代がかからない
敷地内に駐車スペースがある賃貸一戸建ての場合は、駐車場代が家賃に含まれているケースが多いです。また、ガレージになっていれば雨風から車を守れますし、車・バイクのメンテナンスも簡単に行えるでしょう。
庭付き物件もある
賃貸一戸建てのなかには、庭付きの物件もあります。ガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、子どものプレイスペースにしたりと幅広い活用方法があります。また、庭があることで周囲との距離が保たれる点も利点です。
ペット可の物件が多い
賃貸一戸建ては騒音トラブルに発展しにくいなどの理由から、ペットの飼育が許可されている物件も多いです。
また、ほかに入居者がいる集合住宅と違い、賃貸一戸建てはオーナー個人の判断である程度のルールを決められるため、もともとペット不可の場合でも交渉次第で認めてもらえるケースもあります。
賃貸一戸建てが向いている人

これまでの注意点やメリットを踏まえると、賃貸の一戸建てが向いているのは次のような人といえます。
・子育て世帯 ・生活時間帯が不規則な人 ・ペットと一緒に住みたい人 ・ガレージが欲しい人 ・ガーデニングや家庭菜園を楽しみたい人 |
小さな子どもがいる世帯にとって、多少の騒音は気にせずに過ごせる一戸建ては、集合住宅以上に住みやすいと感じられる可能性が高いです。
家の中で走ったり騒いだりしてもご近所迷惑になりにくい点は、子育て世帯にとってうれしいポイントといえるでしょう。
また、自室から出る騒音だけでなく、ほかの住戸から出る騒音の影響を受けにくいのも特徴です。そのため、夜勤が多く日中に睡眠をとる人など、生活時間帯が不規則な人にも向いているといえます。
さらに、一戸建ては比較的居住ルールが緩やかであることから、ペットと暮らしたい人にも向いています。
特に大型の動物を飼育したい場合は、集合住宅だと断られてしまう可能性が高いため、最初から一戸建てを含めて物件探しをするのもおすすめです。
ほかには、車やバイクに関する趣味を持っている人やガーデニングを楽しみたい人など、屋外スペースを活用したい人にも向いています。
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賃貸一戸建てで必要な初期費用

賃貸物件を借りる際には、礼金や敷金などの初期費用がかかります。ここでは、初期費用の内訳と金額の目安について見ていきましょう。
初期費用の目安は「家賃4~6ヶ月分」であり、具体的には次のような項目があります。
費用項目 | 費用の目安 | 内容 |
敷金 | 家賃0~2ヶ月分 | 家賃の滞納や部屋の損傷などに備えて預けておく保証金。退去時には原状回復費用を差し引いた金額が返金される |
礼金 | 家賃0~2ヶ月分 | 大家さんへの謝礼金 |
前家賃 | 家賃1ヶ月分 | 契約月の翌月分の家賃。入居時期や契約方法によっては発生しないこともある |
日割り家賃 | 家賃の日割り計算金額 | 入居月分の家賃。入居日に応じて1ヶ月分の家賃が日割り計算される |
仲介手数料 | 家賃の0.5~1ヶ月分+消費税 | 不動産仲介会社に対して支払う報酬。法律によって上限が決められている |
火災保険料 | 1万~2万円(保険期間2年) | 家財や建物を守るための保険であり、ほとんどのケースで加入は必須 |
鍵の交換代 | 1万~2万円 | 鍵のタイプによって費用は異なる |
保証会社利用料 | 家賃の約30%~70% | 保証会社を利用する場合にかかる費用 |
引越し代 | 単身者:2万~4万円 ファミリー:4万~10万円 | 荷物の量やシーズンによって費用が異なる |
初期費用については、アパート・マンションと一戸建てでそれほど大きな違いはありません。多くの項目は家賃に基づいて計算されるため、家賃が高ければ高いほど、初期費用も高額になるといえます。
賃貸一戸建てを探すときのポイント

前述のように、賃貸一戸建ては物件数が少ないため、探すのに苦労をすることもあります。賃貸一戸建ての物件探しで意識したいポイントを紹介します。
大手の不動産情報ポータルサイトを利用する
インターネットで物件を探す場合には、物件の掲載数が多い大手の不動産情報ポータルサイトを利用するのがおすすめです。
LIFULL HOME’Sでは、物件種別で「一戸建て」を選択するだけで、簡単に賃貸一戸建てだけに絞り込んで探せるので便利です。
複数の不動産会社を利用する
不動産会社に赴いて物件探しをするのであれば、複数の会社に相談をするのがおすすめです。
さまざまな視点の情報を得られるため、自分に合った賃貸一戸建ての特徴をつかみやすくなります。気に入った物件が見つからないときには、ほかの不動産会社に切り替えてみることも検討しましょう。
内見をして問題がないかをチェックする
一戸建ての賃貸物件では、不動産経営の経験が少ないオーナーが貸主となっているケースも多いです。たとえば、急な転勤などで住んでいた自宅を貸し出すケースなどでは、管理が不十分なままの可能性も考えられます。
そのため、賃貸借契約を結ぶ前には必ず内見を行い、状態をチェックしてから借りるかどうかを判断することが大切です。また、管理のルールや自分で手入れをする範囲なども、あらかじめ明確にしておくことでトラブルを防げます。
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記事のおさらい
賃貸一戸建てを探すときの注意点は?
賃貸一戸建ては物件数が少ないため、条件の設定には工夫が必要です。場合によっては立地や築年数などを妥協する必要もあるでしょう。また、近隣との付き合いが増えやすい点やセキュリティ面に不安がある点など、集合住宅にはない注意点を意識することも大切です。
賃貸一戸建てのメリットは?
一戸建ては騒音が気になりにくいため、特に子育て世帯には住みやすいと感じられるでしょう。また、庭やガレージのついた物件であれば、ガーデニングや車・バイクのメンテナンスなど、幅広い用途で活用することができます。
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