賃貸物件で水道トラブルが起こったときには、まず被害の拡大を防ぐためにも、迅速に適切な対処をすることが大切です。そのうえで、もし修理が必要になったときには、誰が負担をすべきなのかが気になるポイントではないでしょうか。

今回は水道トラブルの費用負担に関するルールと、トラブルが起こったらすぐにすべきことを解説します。
賃貸物件を探す

賃貸物件の水道トラブル

 

水道トラブルの修理費用を誰が負担するのかは、修理が必要になった原因によって異なります。ここでは、考えられる3つのパターンについて詳しく見ていきましょう。

 

「水を出しっぱなしにして水漏れしてしまった」「水道管が凍結により破損した」など、入居者自身に故意・過失があった場合には、基本的に入居者が修繕費用を負担することになります。

 

経年劣化によって水道が壊れてしまった場合は、大家さんや管理会社が修繕費用を負担することになります。

 

ただし、水道が壊れたことを知りながら、連絡をせずに放置した結果、階下にまで浸水してしまったなどの場合は、一部入居者の負担になる可能性もあるため注意が必要です。

 

また、物件の賃貸借契約書に特約として「小修繕は自己負担」などと記載されている場合は、一部の修繕を入居者が負担することとなります。

 

小修繕とは、水道パッキンなどの小規模な修理のことであり、費用が安くて簡単なものについては、入居者自身が負担しなければならないケースもめずらしくありません。

 

天井から水漏れしている場合には、上の階に住んでいる人の不注意が原因の可能性もあり、その場合は階上の居住者が費用を負担します。ただ、建物内部の水道管に不具合がある場合には、大家さん(貸主)の責任になります。

 

このように、階上からの水漏れは、どこに責任の所在があるのかが分かりにくいので、自分で階上の入居者とやりとりをしようとすると、さらに大きなトラブルにつながってしまう恐れがあります。

 

そのため、決して自分では解決しようとせず、必ず大家さんや管理会社に連絡を入れましょう。その際、きちんと状況が伝わるように、水漏れが起こっている箇所を動画やカメラなどで撮影して、証拠を残しておくと安心です。

大家さんや管理会社に連絡をする

 

水道トラブルを発見したら、そのまま放置せず、すぐに対処することが大切です。ここでは、具体的に見ていきましょう。

 

水道トラブルを発見したら、まずは速やかに大家さんや管理会社に連絡を入れましょう。なぜなら、大家さんや管理会社から付き合いのある水道会社に依頼してもらったほうが、スムーズに進めやすいためです。

 

また、仮に自分で水道会社などへ依頼する場合、費用が極端に高額であれば、大家さんに負担してもらうのが難しいケースもあります。費用面のトラブルを避けるためにも、自分で何とかしようとするのではなく、まずは大家さんや管理会社に連絡をしましょう。

 

被害が広がるのを防ぐためには、水道会社が到着するまでに応急処置をしておくことも大切です。水漏れ箇所にタオルを巻いたり、水滴をバケツで受け止めたりして、壁や床へ水が伝わらないように注意しましょう。

 

また、床への影響が不安な場合は、ビニールシートを敷いておくのもひとつの方法です。

 

早朝や深夜などで大家さんと連絡が取れない場合には、入居時に「24時間対応のコールセンター」や「管理サービス会社」の利用を申し込んでいないか、契約書を確認してみましょう。

 

契約している場合には、コールセンターの電話番号も記載されているので、そちらに対応を相談することができます。

 

こうしたサービスに申し込んでおらず、どうしても大家さんや管理会社と連絡が取れない場合には、自分で水道会社に連絡をしなければならないケースもあります。また、大家さんと連絡が取れても、「自分で手配してください」と言われることもあります。

 

この場合は、費用のトラブルを避けるためにも、必ず故障した原因が証明できるような証拠書類を取っておくことが大切です。そのうえで、修理費用の領収書をなくさないように保管し、きちんと大家さんに説明ができるようにしておきましょう。

賃貸物件を探す

火災保険

 

前述のとおり、経年劣化による水道トラブルは大家さんの負担となる一方で、「通常の使用方法に反する使い方による損傷」「放置したことによる影響」など、入居者側に原因がある場合には原則として自己負担となります。

 

そのため、万が一に備えて、修理費用の目安や保険の仕組みも把握しておきましょう。

 

蛇口やシャワーの修理代は5,000円程度が目安であり、部品交換が必要なら数万円程度かかるケースもあります。ただ、水漏れを放置したことによって階下への影響があると、最悪の場合は数百万円程度になってしまうこともあります。

 

前述のように、水道トラブルの損害は、自分で手に負えなくなる程度まで拡大してしまうリスクもあります。そこで重要になるのが火災保険です。

 

ほとんどの賃貸物件では、賃貸借契約を結ぶ際に火災保険への加入が必須なので、まずは契約内容を確認してみましょう。

 

火災保険に「個人賠償責任保険」が付帯されていれば、階下の居住者に与えてしまった被害については、保険でカバーすることができます。また「借家人賠償責任保険」が付帯されていれば、借りている部屋に与えてしまった損害をカバーすることができます。

 

これらの保険は賃貸物件を借りる際に契約が推奨されるものなので、水道トラブルが起こっても決して慌てず、まずは契約内容をチェックしましょう。

相談できる窓口に連絡する

 

まれなケースではありますが「水道修繕を頼んでもすぐに手配してもらえない」「高額な費用を請求されてしまった」など、水道トラブルを原因として大家さんや管理会社とのトラブルに発展してしまうこともあります。

 

そのため、万が一のときに相談できる窓口も知っておくと安心です。

 

賃貸物件でトラブルが起こった場合には、まず自治体の消費生活相談窓口への相談を検討してみましょう。実際の名称は自治体ごとに異なるものの、「消費者センター」と名付けられていることが多いです。

 

消費者センターでは、消費生活全般において生じるトラブルや苦情の相談を受け付けているため、幅広い問題に対応してもらえるのが特徴です。大家さんとのトラブルについても、第三者の立場として専門的なアドバイスをもらえます。

 

国民生活センターは、生活に関する苦情や問合せ全般に関する相談窓口です。国と消費者センターを結ぶ役割を持った独立行政法人であり、こちらも消費者センターと同じような役割を持っています。

 

電話相談はもちろん、全国に窓口があるので、事前に予約をすれば直接相談に乗ってもらうこともできます。いずれも無料で利用できるので、トラブルが起こったときには無理に自分で解決しようとせず、こうした機関の利用を検討してみましょう。

賃貸物件を探す

水道トラブル

 

  • 水道トラブルの原因によって、誰が修繕費用を負担するかが変わる
  • 自分の過失による場合は自己負担しなければならないケースもあるため、保険の仕組みを把握しておく
  • 水道トラブルが起こったら、まずは大家さんや管理会社に連絡をする
  • 深夜などで連絡が取れない場合は、24時間対応のコールセンターに加入していないか契約書を確認する
  • 大家さんや管理会社に相談せず、自ら修理会社を手配するのは避ける
賃貸物件を探す

公開日: