マンスリーマンションは、1ヶ月単位の短期入居を想定したマンションのことであり、通常の賃貸物件とは仕組みや費用などに大きな違いがあります。

今回はマンスリーマンションの基本的な仕組みや特徴、利用に適しているケース、契約の流れについて見ていきましょう。
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契約書

 

まず、マンスリーマンションと通常の賃貸物件との違いについて詳しく解説します。

 

通常の賃貸物件の場合、契約期間は2年とされるのが一般的であり、その後も入居を続ける場合は契約の更新手続きを行います。

 

一方、マンスリーマンションでは最短1ヶ月の短期契約を結び、期間が満了したら退去の手続きを行うこととなります。

 

このように、契約期間が短いことと、あらかじめ入居期間を決めておく点がマンスリーマンションの大きな特徴です。その後も居住を続けたい場合には、更新ではなく再契約という形で、改めて借り直す必要があります。

 

なお、契約期間が1週間単位のものは「ウィークリーマンション」「短期賃貸マンション」などと呼ばれ、マンスリーマンションよりもさらに短期のサイクルで利用することができます。

 

マンスリーマンションでは、期間が満了したら自動的に退去となる「定期借家契約」を結びます。

 

一方、通常の賃貸物件では「普通借家契約」を結ぶのが一般的であり、「正当な理由がない限り、貸主(大家さん)側から契約の更新を拒絶できない」など、借主の立場が保護されている点が特徴です。

 

また、マンスリーマンションでは、入居前に契約期間分の家賃をまとめて前払いする仕組みが採用されています。

 

こうした理由から、入居審査については通常の賃貸物件のほうが厳しくなり、安定した家賃の支払い能力などが細かくチェックされることとなります。

 

マンスリーマンションは、生活に必要な家具・家電などが備え付けられており、また、ガス開栓などのライフラインの開通手続きも必要ないため、入居後すぐに新生活をスタートすることができます。

 

そのため、急な出張や単身赴任など、事前の準備が難しい場合でも利用しやすいのが大きな利点です。

マンスリーマンションイメージ

 

マンスリーマンションが利用されるのは、主に以下のようなケースです。

  • 出張などのビジネス利用
  • 自宅リフォーム中の仮住まい
  • 受験、就職活動を控えた学生
  • 一人暮らしのお試し
  • 趣味の作業スペース

出張や単身赴任などのビジネス利用以外にも、リフォーム中の仮住まいや受験・就職活動の拠点など、滞在日数の目安が決まっているケースで利用されることが多いといえます。

 

また、それ以外にも一人暮らしのお試し期間や、趣味の作業スペースとして利用する人もいます。

 

マンスリーマンションの入居手続きでは、ほとんどのケースで利用目的を確認されるので、あらかじめ明確にしておくことが大切です。

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電子レンジ

 

マンスリーマンションには、短期滞在を目的とした人にとって、さまざまなメリットがあります。ここでは、主なメリットを見ていきましょう。

 

先ほども触れましたが、マンスリーマンションの大きな特徴は、生活に必要な家具・家電があらかじめ備え付けられている点にあります。

 

物件によっても異なるものの、ベッドやソファ、カーテン、照明器具、テーブル、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジなどは基本設備として整えられているので、新しく買いそろえる必要はありません。

 

また、備え付けのもの以外に、オプションでレンタルできる用品をそろえているところもあります。アイロンや空気清浄機などは、新たに購入するよりもレンタルのほうが安く済むこともあるため、事前に確認しておくといいでしょう。

 

マンスリーマンションでは、水道・電気・ガスといったライフラインの開通手続きを運営会社が行ってくれます。

 

また、インターネット回線が完備されている物件も増えているので、その場合は自分で手続きをする必要がありません。

 

後ほど詳しく紹介しますが、マンスリーマンションでは、通常の賃貸物件のように敷金や礼金がかかりません。そのため、入居費用を抑えられるのもメリットのひとつです。

多くのマンスリーマンションは、連帯保証人を立てたり保証会社を利用したりしなくても借りることができます。通常の賃貸物件のように、家賃は基本的に前払いであり、滞納の心配はありません。

 

また、定期借家契約であることから、契約の更新にまつわるトラブルがないため、基本的には入居者のみの手続きで契約を結ぶことが可能です。

 

ただ、物件や入居者の属性によっては連帯保証人を求められることもあり、物件の運営会社によってもルールが異なるので、事前にチェックしておくことが大切です。

 

入居の手続きだけを考えれば、ホテルのほうが手間はかからず、初期費用もかかりません。しかし、長期間ホテルに滞在するのと比べれば、費用はマンスリーマンションのほうがリーズナブルです。

 

たとえば、東京都心部で平均的なグレードのビジネスホテルを利用するとなると、一泊当たり7,000円~1万円程度が必要です。

 

このため、ホテルに1ヶ月間滞在すれば、単純計算して20万円以上の出費となってしまいますが、マンスリーマンションなら諸費用を含めても10万円台で十分に物件を探せます。

マンスリーマンションの費用の仕組み

 

ここでは、マンスリーマンションに1ヶ月滞在する場合を例として、その費用や賃料について詳しく見ていきましょう。

 

初期費用については、通常の賃貸物件と異なり、敷金や礼金、仲介手数料がかかりません。

 

基本的には契約締結時に支払う全期間分の家賃と契約期間に応じた清掃料金のみです。なお、損害保険料などはあらかじめ賃料に含まれていることが多いようです。

 

そのため、通常の賃貸物件では初期費用が「家賃の4~6ヶ月分」程度となるのに対し、マンスリーマンションでは首都圏でも10万円台に収まるケースがほとんどです。

 

マンスリーマンションの水道光熱費は定額制であり、日額あるいは月額で料金が決められています。

 

利用料金については、あらかじめ賃料に組み込まれていることが多く、規定量を超えてしまった場合には、別途で追加料金を払うのが一般的です。

 

また、物件によってはインターネット使用料が月額制となっていたり、モバイルルーターの貸し出しが有料で行われていたりと、インフラに関する仕組みはさまざまです。

 

事前に仕組みと料金設定をチェックしておくとよいでしょう。

 

賃料は、通常の賃貸物件と比べて割高であり、金額が1.5~2倍程度となるのが一般的です。ただ、短期滞在であれば、入居時の費用を抑えられる分だけお得になることが多いといえます。

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マンスリーマンションの契約方法

 

最後に、マンスリーマンションの契約方法について、入居までの流れと契約延長・途中解約の仕組みを紹介します。

 

マンスリーマンションを契約するまでの流れは以下のとおりです。

流れ

  1. 物件を探す
  2. 空室状況を確認して予約
  3. 申し込み手続きを行う
  4. 利用料金を支払う
  5. 鍵の受け渡し・入居

マンスリーマンションの申し込み手続きは、多くの場合インターネット上で行うことができます。

 

専用ページやメールを通じて申込者の名前や住所、連絡先などを入力し、身分証明書のコピーを提出すると、そのまま簡易な審査が行われます。

 

審査を通過した後は、契約書を取り交わし、利用料金を振り込みやクレジットカード決済などで支払えば、鍵の受け渡し・入居へと進みます。

 

なお、鍵の受け取りについては、カードキーの郵送、鍵ではなく扉を解錠するための暗証番号の通知など、物件によっても仕組みが異なります。

 

契約期間中に解約できるかどうかは、契約内容によっても異なります。ただ、途中解約が可能であっても、違約金が発生してしまうケースが多いため、前払いした賃料を全額返金してもらえる可能性は低いといえます。

 

反対に、期間を延長したいときには、新たに契約を結び直すのが一般的です。再契約時には、前回利用時の基本料金やレンタル品の使用料金が変更されている場合もあるので、注意しましょう。

  • マンスリーマンションは1ヶ月単位の短期間で借りられるマンションを指す
  • 契約期間分の賃料と清掃費などの諸費用をまとめて前払いするのが一般的
  • 賃料は通常の賃貸物件より割高であるものの、入居時の費用が抑えられる分、短期滞在ならお得
  • 長期間滞在するならホテルよりもお得な場合も
  • 費用の仕組みや途中解約、契約延長のルールは物件ごとに異なるため、事前に確認しておく
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