賃貸物件を借りる際、今後の生活に無理がなく、余裕をもって家賃を払い続けるためには、できるだけ家賃の安い物件を探すことが基本です。
しかし、どうしても気に入った物件が見つかったときには、「あと数千円安ければ借りられるのに…」と感じてしまう場面もあるでしょう。
今回は家賃の減額交渉について、交渉が成功する可能性や応じてもらえるコツを詳しく解説していきます。
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家賃交渉はそもそも行える?

賃貸物件の不動産情報には、賃料が明確に記載されているため、「家賃は固定されているもの」といったイメージを持っている人も多いでしょう。
しかし、家賃は決して一定ではなく、状況に応じて変動することもあるのです。ここでは、家賃交渉の可能性について見ていきましょう。
家賃の交渉は可能
家賃は物件のオーナーが、周りの家賃相場や過去の事例などに基づいて決めているものです。そのため、大家さんとの交渉次第では、家賃を下げてもらうことも決して不可能ではありません。
ただ、あくまでも「交渉が可能」なのであって、必ずしも減額の要求に応じてもらえるとは限りません。
最終的に認めてもらえるかは物件のオーナーの判断次第であり、入居状況や入居のタイミングなどによっても変化するのです。
家賃の減額交渉をするときに押さえるべきポイント

家賃の減額交渉は、ただ単にこちらの要求を伝えるだけでなく、やりとりをスムーズに進める工夫を凝らすことが大切です。
ここでは、家賃交渉をするうえで押さえておくべきポイントを見ていきましょう。
入居の意思をきちんと伝える
入居前の段階で交渉を行うのであれば、入居の意思をしっかりと伝えることが大切です。
大家さんにとっても、少し賃料を下げるだけで入居を決めてくれるのであれば、問題ないととらえてくれる場合もあるのです。
そのため、「〇〇円下げてもらえたら必ず入居する」など、具体的な金額をもとに交渉を進めていくといいでしょう。
無理な交渉や失礼な態度は禁物
交渉はあくまでもお願いベースで行い、誠実な態度を心がけることが重要です。交渉の時点でマナーに反する態度をとってしまうと、そもそも入居自体が断られてしまう可能性もあるので注意しましょう。
また、ほとんどの場合、家賃は似たような物件の賃料と比較しながら妥当な範囲内に設定されています。そのため、大家さんを困らせてしまうような無理な交渉は避けましょう。
交渉の具体的な金額は、物件や賃料にもよるものの、数千円程度が一般的です。
交渉がうまくいかない物件の特徴
空室の少ない人気物件などでは、入居希望者が多いため、減額交渉には応じてもらえない可能性が高くなります。
特に、築浅物件や駅からのアクセスがよい物件などは需要が多く、入居者の募集に困るケースはまれです。
交渉が難しい物件だと感じたら、無理をせずに条件を緩めて、ほかの物件を探すほうが懸命だといえます。
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家賃交渉はタイミングが大事

交渉は相手のあることなので、切り出すタイミングによっても結果が左右されます。交渉を成功させるためにはどのようなタイミングが適しているのか、具体的に見ていきましょう。
入居前に交渉する場合
家賃交渉を行うには、賃貸物件の需要が落ち着く5~9月頃が交渉をしやすいタイミングとなります。
なぜなら、5~9月の閑散期は、もっとも需要が高くなる1~3月まで半年近くも時期が空いてしまうためです。
その時点で空室となっている部屋があれば、大家さんとしては空いたままにしておくのがもったいないと感じられるでしょう。
そのため、家賃の値下げとセットで入居を約束することで、普段よりも交渉を進めやすくなるのです。
入居後に交渉する場合
すでに入居している物件の家賃を交渉する場合には、賃貸借契約の更新時が適しているといえます。
更新には「契約内容を見直す」といった意味合いもあるため、普段よりもスムーズに話を進めやすいのです。
ただ、すでに入居している場合は、滞納せずにきちんと家賃を払い続けていることが前提となります。
また、入居マナーをしっかりと守っており、大家さんから「引き続き住んでもらいたい」と思ってもらえていることも重要です。
そうした入居者であれば、貸し手側も新たに入居希望者を募るより安心と考え、交渉に応じてくれる可能性が高くなるのです。
周辺相場の把握が大切! 情報収集をあらかじめ行っておこう

家賃が相場と比べて明らかに安く設定されている場合には、それ以上交渉をしても認められる可能性は低いといえます。
そのため、家賃の減額交渉を行うには、周辺の相場を把握したうえで、根拠となる材料を用意しておくと安心です。
周辺相場の調べ方
エリアごとの家賃相場は、インターネット上のサービスを通じて手軽に調べられます。LIFULL HOME’S「家賃相場」では、気になる駅や市区町村ごとに、平均の家賃を調べることができます。
また、間取りや築年数、階数、設備といった条件も家賃を左右するポイントです。できるだけ条件が似ている物件を見つけて、比較をしながら交渉の可能性を考えていくことが大切です。
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住み替えを検討するのもひとつの方法

これまでにも見てきたとおり、家賃交渉は必ずしも応じてもらえるものではなく、失敗してしまう可能性もあります。
そのため、無理に家賃の交渉をしようとするよりも、より賃料の安い物件を見つけるほうが効率的なケースもあるのです。
また、すでに住んでいる物件の家賃交渉を考えたときも、住み替えを検討するほうがいい場合は少なくありません。
ここでは、家賃の安い物件を見つけるコツや、住み替えを行った際のコストの変化について詳しく見ていきましょう。
家賃の安い物件を見つけるコツ
家賃が安い物件の特徴としては、以下のポイントが挙げられます。
ポイント
- ユニットバスや洗濯機置き場が室外
- 特殊な間取り
- 駅から10分以上歩く
- 築年数が古い
- 最寄り駅の利便性が低い
- 周辺環境の利便性が低い
- 線路沿いなどで騒音が気になりやすい
こうした特徴のうち、生活スタイルに合わせて、どのポイントなら妥協できるのかを検討してみましょう。
たとえば、自転車や自家用車などでの移動が多い人にとっては、少し駅からの距離を遠くしてもそれほど不便に感じられないこともあります。
また、築年数が古くても、リノベーションによって内装がきれいになっている場合があるため、一度内見をしてみるのもひとつです。
住み替えを行った場合と住み続けた場合の費用の違い
これまで住んでいた物件の家賃が高いと感じられた場合には、新しい物件に引越すのも選択肢のひとつです。
しかし、賃貸物件を借りる際には初期費用がかかるため、かえって損をしてしまうのではないか気になる面もあるでしょう。
実際のところ、どちらのほうがお得になるのかは、具体的に計算をしてみないと分からないところもあります。ここでは、具体的な事例を基に、費用の違いをシミュレーションしてみましょう。
まず、今回は以下のような事情を抱えていることを想定します。
- 家賃9万円の物件に入居中
- 家賃が少し高いと感じている
- 更新の時期が近づき、このまま住み続けるか迷っている
- 似たような条件で、より家賃の安い物件を以下の2件見つけている
物件A | 物件B |
|---|---|
・家賃8万円 ・敷金と礼金はなし ・仲介手数料は半額 ・初期費用の合計は家賃2.5ヶ月分 ・初期費用を抑えられる点がメリット | ・家賃7万円 ・敷金と礼金、仲介手数料は1ヶ月ずつ ・初期費用の合計は家賃5ヶ月分 ・家賃がもっとも安い点がメリット |
この場合、どの選択肢がもっともお得になるのでしょうか。
「今の物件に住み続ける」「物件Aに引越す」「物件Bに引越す」の3つのパターンについて、それぞれ2年間住んだ場合の費用を比較してみましょう。
費用の項目 | 家賃9万円の物件に入居継続 | 物件A(家賃8万円)に住み替え | 物件B(家賃7万円)に住み替え |
|---|---|---|---|
家賃(2年分) | 9×24ヶ月=216万円 | 8×24ヶ月=192万円 | 7×24ヶ月=168万円 |
更新料(1ヶ月分) | 9万円 | - | - |
初期費用 | - | 8×2.5ヶ月=20万円 | 7×5ヶ月=35万円 |
引越し費用 | - | 5万円 | 5万円 |
諸費用※ | - | 3万円 | 3万円 |
総額 | 225万円 | 220万円 | 211万円 |
※家具・家電の廃棄、買い替えを行った場合
このケースでは、2年分のコストがもっとも安くなるのは、家賃を抑えられる物件Bとなりました。
入居を続けた場合に対して、家賃が2万円も安く抑えられたことで、初期費用分を大きくカバーできているのです。
このように、費用を比較するときには、トータルコストに目を向けて計算することが大切になります。
家賃の減額交渉は不可能ではないものの無理は禁物
- 家賃は固定されているわけではないため、減額交渉を行うことは可能
- 家賃交渉を行う際には、タイミングや伝え方が大切
- 条件が似ている物件や周辺相場と比較しながら交渉の可能性を探ることが重要
- 無理に交渉を行うよりも、家賃の安い物件を探すほうがいい場合もある
- 入居中の物件の減額交渉は、住み替えと比較して検討する
更新日: / 公開日:2021.05.12










