防音マンションの種類とは？

 

防音マンションとは、建物の構造や設備によって防音性を高め、楽器などの演奏ができるマンションを指します。防音マンションにはいくつかの種類があり、それぞれの防音性能には違いがあります。

 

ここではまず、防音マンションの主なタイプについて見ていきましょう。

 

一般的な楽器可の防音物件

賃貸物件で楽器の演奏をしたい場合は、「楽器可」となっている物件を探す必要があります。楽器の演奏が認められていない物件では、騒音によって大きなトラブルに発展してしまう可能性があるため、お部屋探しの際には必ずチェックしましょう。

 

しかし、楽器可となっていても、実際には専用の防音対策設備が整っていない場合もあります。本格的な防音対策が行われていなければ、大きな音によってクレームを受けてしまう可能性があるため注意が必要です。

 

また、楽器可となっていても、実際には演奏可能な時間が決められていたり、楽器の種類に制限が設けられていたりするケースもあります。具体的には「23時以降は演奏禁止」や「楽器はギター・ピアノのみ」といった条件など。楽器可物件を見つけた際は、事前に細かな条件を確かめておくことが大切です。

 

防音性能の高い24時間楽器演奏可能物件

数はそれほど多くないものの、防音マンションのなかには24時間楽器の演奏が可能となっている物件もあります。こうした物件では、専用の防音設備が整えられていることも多く、楽器演奏の自由度が高いです。

 

ただし、防音設備にコストがかっている点や、一般の賃貸物件と比べて需要が限られている点から、家賃は高額になりやすい傾向にあります。頻繁に楽器を演奏しない人にとってはデメリットに感じることもあるでしょう。

共用の防音室がある物件

楽器の演奏が認められている物件には、各部屋に防音設備を整える代わりに、共用で使える防音室を設けているところもあります。こうした物件では、防音対策を施した防音室でのみ楽器の演奏が可能です。

 

物件数はそれほど多くないものの、自分の部屋で演奏することにこだわりがない場合は、検討してみるとよいでしょう。

 

楽器可（相談）物件

楽器相談可の賃貸物件には注意が必要

 

賃貸物件のなかには、楽器の演奏に関して要相談となっている物件もあります。こうした「楽器相談可」の物件は、楽器可の物件と比べて特に注意しておかなければならないポイントがあるのです。

 

楽器相談可物件の特徴

楽器相談可物件とは、特別な防音対策を施していないものの、楽器演奏による近隣へのリスクが少ないと判断し、大家さんの厚意によって楽器の演奏が許可されている物件などを指します。

 

たとえば、木造より防音性の高い鉄筋コンクリート造（RC造）で建築されている物件や、ほかの住居と離れている一戸建て物件において、立地や設備の面からなかなか入居者が見つからないといった場合に、入居者の幅を広げる工夫として楽器に関する条件を緩めているケースなどが見られます。

 

また、楽器可物件と同じく、演奏時間や演奏できる楽器に制限があることがほとんどです。

楽器相談可の物件での注意点

楽器相談可の物件は防音性能の高い物件と比べて数は多いですが、利用するうえではさまざまな面に目を向けておく必要があります。

 

まず、楽器演奏が許されているとはいえ、音が部屋の外に漏れている可能性は高いです。さらに、ほかの入居者が楽器を演奏しないケースも多々見られます。そのため、決められたルールを守りながら常識の範囲内で演奏を楽しむことが求められます。近隣への影響を考え、演奏する時間帯や音量などには特に配慮しましょう。

 

自分が好きな時間にのびのびと演奏を楽しみたい人は、24時間楽器演奏可能な物件を選ぶほうが無難だといえます。

楽器可（相談）物件

防音マンションの賃貸を探す際のポイント

 

防音マンションは一般の賃貸物件と比べると物件数が少なく、条件に合った部屋を見つけるのが難しいこともあります。また、音の感じ方は人によって異なるため、実際の防音性能については物件によって差が生まれるのも事実です。

 

ここでは、防音マンションの物件を見つける際のポイントについて解説していきます。

 

防音マンションが多いエリアを見つける

音大や音楽関係の専門学校付近には、需要の高さから防音マンションの賃貸物件が集中している傾向にあります。学生向けに比較的安価な家賃に設定されているところもあるため、こうしたエリアから物件探しを行うのも有効です。

 

また、外部からの騒音が気になりやすいエリアの物件は、外からの音に対する防音対策がなされている物件が多いです。高速道路や線路の近く、飛行場のそばなどでは、二重窓などが採用された防音マンションが点在していることも多いため、候補の一つとして検討してみましょう。

全国の楽器可物件から探す

LIFULL HOME’Sのポータルサイトでは、楽器可（相談）物件の特集を行っています。2020年11月10日現在で、1万7,708件の物件を取り扱っており、手軽に理想的な物件を見つけることが可能です。

 

サイトでは楽器に関する条件を固定したままで、間取りや家賃といったそのほかの条件も設定できるため、賃料の相場を確かめるのにも便利です。

 

内見の際にチェックしたいこと

実際の防音性能については、物件のつくりや配置によっても変化します。そのため、内見の際に自分でも確かめてみることが大切です。

 

手軽な方法としては、部屋の真ん中で手を叩いてみるといったものが挙げられます。音の響きがしっかりと返ってこない場合には、室内の音が外部へ抜けてしまっている可能性があるため、防音性があまり高くないと判断できます。

 

また、防音を考えるうえで意外に見落としてしまいがちなのが窓の遮音性です。可能であれば複数人で内見に行き、ほかの人に外へ出てもらって確かめてみましょう。

楽器可（相談）物件

静かな環境で生活したい人にも防音マンションはおすすめ

 

防音性の高い物件は、楽器を演奏する人以外にもメリットがあります。

 

たとえば、音に敏感な人や静かな環境で暮らしたい人、また過去に騒音トラブルに巻き込まれてしまった人などは、防音マンションを選ぶことで音へのストレスを軽減させることができます。内見のタイミングで騒音のもととなる施設などがないか確認しておけば、さらに心地よい暮らしをすることができるでしょう。

 

また、過去に騒音トラブルがないか不動産会社に確認しておくことも大切です。不動産会社であれば重要事項として把握しているケースも多いため、トラブルを避けるポイントになります。

楽器可（相談）物件

防音マンションの特徴と注意点を押さえて理想的な物件を見つけよう！

 

防音マンションを選ぶポイントをまとめます。

• 防音マンションにはさまざまな種類があり、防音性能にも違いがある
• 24時間楽器演奏可能となっていれば、一定以上の防音効果が期待できる
• 楽器相談可の物件は、防音対策がとられていないケースもあるため注意が必要
• 防音マンションは音楽学校の近くや騒音が気になりやすいエリアに多い
• 騒音を気にせず静かに生活したい人にもおすすめ

楽器可（相談）物件