防音性を重視するなら鉄筋コンクリート造(RC造)が有利
賃貸物件の防音性は建物構造に大きく左右されます。木造や軽量鉄骨造は音が伝わりやすいのに対し、RC造やSRC造はコンクリートの質量で音を強力に遮断します。また、隣室との間にクローゼットや水回りがある間取りを選ぶことで生活音の伝搬を防げます。
詳しくは、「建物構造による防音性の違い(木造・鉄骨造・RC造)」をご覧ください。
壁叩きや手拍子反響テストで内見時に遮音性をチェック
内見時には壁を軽く叩いてコンコンと低い音がするか確かめるほか、部屋の中央で手拍子をして音の反響を確認します。サッシの密閉度や共用部掲示板の注意書きの有無も確かめることで、事前に音漏れや過去のトラブル履歴を推測できます。
詳しくは、「内見時に現地でできる4つの防音チェックテスト」をご覧ください。
壁から1cm離す家具配置と防音マットで音漏れを軽減
床の振動や重低音には防音マットや防振ゴムが有効です。隣室への音漏れ対策には、背の高い本棚などの家具を壁から約1cm離して設置し、空気層を作ると遮音効果が高まります。賃貸でははがせるテープを使用し原状回復リスクを回避しましょう。
詳しくは、「壁からの音漏れを防ぐ家具配置と吸音・遮音テクニック」をご覧ください。

賃貸物件で音漏れや騒音トラブルを防ぎたい方必見!
建物の構造による防音性の違いや内見時の具体的なチェック方法、防音マットや家具配置など賃貸でもできる効果的なDIY防音対策、トラブル時の対応まで詳しく解説します。
一人暮らしにぴったりな物件を探す鉄筋コンクリート造の物件を探す角部屋の物件を探す

音楽鑑賞やテレビ鑑賞、友人との会話など、自分の部屋で快適に過ごす時間は格別なものです。しかし、アパートやマンションなどの賃貸住宅では、生活音や音が外へ漏れることで近隣トラブルに発展してしまうケースが少なくありません。

 

「今の部屋は音が漏れやすい気がする」「防音性の高い賃貸物件へ引越したい」「自分でできる防音対策を知りたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、音の伝わり方の基本から、防音性が高い賃貸物件の見分け方、賃貸でも原状回復可能なDIY防音対策、トラブルが発生した際の正しい対処法までを分かりやすく解説します。

 

賃貸物件で適切な防音対策を行うためには、まず室内で発生する音がどのように隣室や階下へ伝わるのか、その仕組みを理解することが重要です。

 

 

建物内で発生する騒音は、音の伝わり方によって「空気伝搬音(くうきでんぱんおん)」と「固体伝搬音(こたいでんぱんおん)」の2種類に大別されます。

 

空気伝搬音とは、人の話し声や歌声、テレビの音、楽器の音などが空気を振動させて周囲に伝わる音のことです。壁の厚みや窓の気密性を高めることで遮音しやすい特徴があります。

 

一方、固体伝搬音とは、足音や物の落下音、ドアを開閉する音、スピーカーの重低音などが建物の床・壁・天井といった構造体を振動させて伝わる音のことです。建物の構造自体に振動が直接届くため、遠くの部屋まで響きやすく対策が難しめになります。

 

 

音の大きさは「dB(デシベル)」という単位で表されます。日常生活で発生する音の大きさの目安を把握しておくことで、自分の出している音がどの程度周囲に影響を与えるか推測できます。

 

環境省の「生活騒音パンフレット」によると、主な生活音の大きさの目安は以下の通りです。

 

音の種類・発生源音の大きさ(デシベル数値)日常の体感イメージ
日常会話・テレビ(中音量)約60dB普通に聞こえる音
掃除機の音・洗濯機約65〜70dBうるさいと感じる音
ステレオ(大音量)・目覚まし時計約70〜80dBかなりうるさい音
ピアノの演奏・犬の鳴き声約80〜90dB極めてうるさい音

 

参照元: 環境省『生活騒音パンフレット』

 

一般的に、集合住宅で快適に暮らすための望ましい室内騒音レベルは「昼間45dB以下、夜間35dB以下」とされています。そのため、60dB以上の音を出す際は、何らかの防音・遮音対策が必要となります。

 

防音性の高い賃貸物件を選ぶには、建物の構造と間取りの特徴を把握し、内見時に現地で気密性や透過音を確認することが最も確実です。

 

 

賃貸物件の防音性は、建物の構造(骨組みと壁・床の材質)によって大きく左右されます。

 

  • 木造(W造): 通気性が良く建築コストを抑えられますが、柱や壁の密度が低いため防音性能は最も低くなります。隣室の会話や足音が聞こえやすい構造です。
  • 軽量鉄骨造(S造): 鋼材の厚みが3.2mm未満の鉄骨構造です。木造より耐震性は高いものの、遮音性能自体は木造と同程度〜わずかに良いレベルにとどまります。
  • 重量鉄骨造(S造): 鋼材の厚みが6.0mm以上の構造です。ヘチマ状のALCパネル(軽量気泡コンクリート)などが外壁や床に使われることが多く、軽量鉄骨造よりも一定の遮音性が期待できます。
  • 鉄筋コンクリート造(RC造): 柱や梁だけでなく、壁や床にも厚いコンクリートが打ち込まれています。コンクリートの質量によって音を強力に遮断するため、極めて高い防音性能を発揮します。
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造): 鉄骨の周りに鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造で、マンションや高層建築で採用されます。RC造と同等以上の非常に高い遮音性を備えています。

 

音漏れを最小限に防ぎたい場合は、鉄筋コンクリート造(RC造)または鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の物件を選ぶのが最も推奨されます。

 

鉄筋コンクリート造の物件を探す

 

 

同じ建物構造であっても、部屋の間取りや配置によって音の伝わりやすさは大きく異なります。

 

注目すべきは「隣室との境界壁に何があるか」です。境界壁にクローゼットや押入れなどの収納、または浴室・トイレ・洗面所などの水回りが配置されている間取りは、居室同士が直接接しないため、生活音が隣へ届きにくくなります。

 

また、両隣に部屋がある「中部屋」よりも、接する隣室が片側のみとなる「角部屋」や「最上階」を選ぶことで、音トラブルのリスクを半減させることができます。

 

角部屋の物件を探す 最上階の物件を探す

 

 

内見時には、現地で以下の4つの簡単なテストを行うことで、部屋の実際の防音性や過去の環境を確認できます。

 

  1. 壁をノックするように叩く: 壁を軽く叩いた際、「コンコン」と重量感のある低い音がする場合は密度が高いコンクリート壁です。一方、「ペチペチ」「ポコポコ」と軽くて響く高い音がする場合は、石こうボードなどの薄い壁材が使われている可能性があります。
  2. 部屋の中央で手拍子をする: 部屋の中央でパンと手を叩き、音が跳ね返ってくるか確認します。音が室内で反響せずスーッと逃げていく感覚がある場合、壁や窓から外部へ音が漏れている可能性があります。
  3. 窓のサッシと開閉感を確認する: 窓を開けた状態と閉めた状態で外の騒音(道路の自動車音など)を聴き比べます。しっかり遮音されるか、隙間風やサッシのズレがないか確かめましょう。二重サッシや複層ガラスが採用されている物件は非常に高い遮音性があります。
  4. 共用部分の掲示板をチェックする: エントランスやエレベーター脇の掲示板に「夜間の騒音に関するお願い」「足音への注意喚起」といったビラが貼られていないか確認します。注意書きがある場合、その物件で過去に音トラブルが発生した履歴があると推測できます。

 

防音性を重視した部屋探し

音漏れを気にせず快適に過ごしたい方は、防音性に優れた構造のお部屋選びが大切です。鉄筋コンクリート造や角部屋など、希望条件に合わせて検索してみましょう。

鉄筋コンクリート造の物件を探す

 

木造物件や防音性に不安がある部屋に住んでいる場合でも、室内に防音グッズや工夫を取り入れることで音漏れを大幅に低減できます。

 

 

階下への音漏れは、足音や物の落下音、スピーカーからの重低音振動が原因となる「固体伝搬音」が中心です。

 

まず、テレビやオーディオスピーカー、サブウーファーなどは床に直接置かず、防振ゴムやオーディオボードの上に設置します。これだけでも床へ伝わる振動を大幅にブロックできます。

 

さらに、フローリングの床には「防音タイルカーペット」や「厚手のジョイントマット」を敷き詰めましょう。特に裏地に高密度なポリエステルやコルクが使用された防音専用ラグは、足音や重低音の振動を和らげる高い効果があります。

 

 

隣室への音漏れを防ぐには、家具の配置方法と「遮音+吸音」の組み合わせが効果的です。

 

隣室と接している境界壁には、背の高い本棚や大型の洋服タンスを配置しましょう。この際、家具を「壁から約1cm離して設置する」のが重要なポイントです。壁と家具の間にわずかな空気層ができることで、音が直接壁に伝わるのを防ぐクッションの役割を果たします。

 

また、本格的に壁防音を行いたい場合は、「遮音シート(音を遮るシート)」と「吸音材(ウレタンフォームや高密度フェルト)」を二重に組み合わせる方法が推奨されます。音源側に吸音材を、壁側に遮音シートを配置することで音の反射と透過の両方を抑えられます。

 

 

音は空気の通り道である「わずかな隙間」から最も多く漏れ出します。

 

窓からの音漏れには、生地が重く高密度に織られた「防音カーテン(遮音カーテン)」が有効です。窓枠全体を覆うように少し大きめのサイズを選ぶことで効果が高まります。

 

さらに、サッシの隙間やドアの下部には、ホームセンターなどで購入できる「防音用隙間テープ(気密パッキン)」を貼り付けましょう。隙間を塞ぐことで空気伝搬音の出入りを防ぐことができます。

 

 

賃貸物件でDIY防音対策を行う際は、退去時の「原状回復」を意識した施工を行うことが不可欠です。

 

壁に防音シートや吸音材を貼り付ける際、強力な両面テープやボンドを直接壁紙に使用してしまうと、剥がす際にクロスが破損して張り替え費用が発生してしまいます。壁紙保護用の「はがせるマスキングテープ」を下地に貼り、その上から強力テープを重ねる工夫を行いましょう。

 

また、クッションフロアなどの床材の上に防振ゴムを長期間直接置くと、ゴムの成分が可塑剤と反応して床が変色(色移り)してしまうリスクがあります。ゴムの下にフェルトやシートを挟み、床に直接触れないよう配慮してください。

 

一人暮らしにぴったりな物件を探す

 

音に対する感覚には個人差があるため、どれほど気を配って対策していてもトラブルが発生してしまうことがあります。万が一の際の適切な対応ステップを押さえておきましょう。

 

 

近隣からの騒音に悩まされた場合、あるいは相手から苦情を言われた場合であっても、当事者同士で直接部屋を訪ねて交渉することは原則避けてください。

 

感情的な対立を生みやすく、最悪の場合、言動や口論からさらなるトラブルへ発展するおそれがあります。まずは物件を管理している「管理会社」や「大家さん」に連絡し、間に入ってもらうのが鉄則です。管理会社から建物全体へのチラシ配布や、個別への注意喚起を行ってもらいましょう。

 

 

管理会社へ相談する際や今後の対応に備えて、客観的な事実を記録しておくことが重要です。

 

「何年月日の何時何分頃に、どのような種類の音(ドスンという足音、大音量の音楽など)が、どのくらいの時間続いたか」をメモ帳やスマートフォンに記録しておきましょう。客観的な記録があることで、管理会社も具体的で適切な対応を取りやすくなります。

 

相手側からの改善要求を受けた場合は、受け入れられる部分は素直に対応し、集合住宅でお互いに譲り合って生活する姿勢を持つことが大切です。

 

賃貸物件で音漏れや騒音トラブルを防ぎ、快適に過ごすためのポイントをまとめます。

 

  • 音には話し声などの「空気伝搬音」と、振動が伝わる「固体伝搬音」の2種類がある
  • 建物構造の防音性は「木造<軽量鉄骨造<重量鉄骨造<RC造・SRC造」の順で高くなる
  • 内見時には壁叩き音、手拍子の反響、サッシの密閉度、共用部掲示板の4点をチェックする
  • 室内の防音DIYでは床に防音マットを敷く、壁から1cm離して家具を置くなどの工夫が効果的
  • DIYを行う際ははがせるテープを使用し、壁紙破損や床の色移りによる原状回復トラブルを防ぐ
  • トラブル時は直接の交渉を避け、管理会社や大家さんを介して客観的データとともに相談する

 

静かで快適なお部屋探し

構造や間取り、周辺環境にこだわって、自分にぴったりの賃貸物件を見つけましょう。豊富な物件情報から簡単に絞り込み検索が可能です。

賃貸物件を探す

 

Q.1 木造アパートでも市販の防音シートや吸音材で十分な防音効果は得られますか?

 

A.1 市販の防音シートや吸音材を壁に貼ることで、会話音などの空気伝搬音はある程度和らげることができます。しかし、木造特有の骨組みを伝わる足音や重低音などの固体伝搬音を完全に遮断するのは困難です。床への厚手防音マット敷きや音量の配慮と組み合わせて対策を行う必要があります。

 

Q.2 内見時に壁をコンコンと叩くだけで実際の防音性能は見極められますか?

 

A.2 壁叩きは壁材がコンクリートか薄い石こうボードかを判断する簡易的な目安になりますが、それだけで完璧には見極められません。部屋の中央での手拍子の反響、窓サッシの気密性、共用部の注意書き掲示の有無、さらには昼夜の周囲環境も含めて総合的に確認することが大切です。

 

Q.3 賃貸住宅でスピーカーを使ったり音楽を聴いたりする際、注意すべき時間帯はいつですか?

 

A.3 一般的に、朝7時頃から夜21時〜22時頃までが一般的な生活音が許容されやすい時間帯とされています。夜22時以降から早朝にかけては、音量を絞るかヘッドホンやイヤホンを使用するのが集合住宅での標準的なマナーです。

 

Q.4 上階や隣からの騒音に悩まされた場合、まずどこへ相談すればいいですか?

 

A.4 当事者同士で直接相手の部屋へ注意しに行くのは避け、まずは物件の管理会社や大家さんへ連絡してください。「発生日時・音の種類・頻度」を客観的にメモした上で相談すると、全体への注意喚起や当事者へのヒアリングなどの対応をスムーズに行ってもらえます。

更新日: / 公開日:2020.04.06