賃貸物件を借りる場合でも、損害保険に加入する必要があります。なんとなく、管理会社に勧められた保険に加入している人も多いのが賃貸物件の損害保険です。
しかし、賃貸物件の損害保険は自分で選択して加入することもできますので、どのような保険に加入すべきなのか、どの程度の保証が必要なのかを知っておくことはとても重要です。
この記事では、賃貸物件を借りる際に必要な損害保険の種類と、手続きの流れについて解説していきたいと思います。
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賃貸物件で加入する火災保険の一般的な補償内容

賃貸物件居住時には、ほとんどの場合火災保険に加入することになりますが、住宅を自分で所有する場合のように、高額な保険を契約する必要はありません。
アパートやマンションが火災によって損害が発生した場合、過失がなければ建物への賠償義務はないためです。
賃貸物件を借りる場合に加入する保険は、自分の財産を守るためと原状回復の義務を果たすためのものとなります。
賃貸物件居住時に加入する火災保険の一般的な補償内容は、大きく分けて以下の3つです。
(1)借家人賠償責任保険(特約)
借りている物件に、火災や事故などにより損害が生じた場合、大家さんに対して損害賠償責任を負うことになります。
その際の補償をするのが借家人賠償責任保険で、保険金額は1,000〜2,000万円程度が一般的です。
単独で契約することはできないため、借家人賠償責任保険の特約がセットになった火災保険に加入することになります。
(2)家財保険
賃貸住宅における家財保険とは、火災によって消失した建物そのものを賠償するものではありません。火災によって、自分の家財が消失した場合に、自分の家財を補償してもらうための保険になります。
補償金額をいくらにするのかは、自分の家財の金額によって左右されますが、通常の一人暮らしであれば200万円もあれば十分で、「高価な家財はないから保険料を節約したい」という人は、最低限で問題ないでしょう。
(3)個人賠償責任保険(特約)
個人賠償責任保険とは、日常生活において、他人に損害を与えてしまった場合に、その賠償責任を補償するものです。直接的に賃貸物件には関係なく、一般的な賃貸物件の損害保険には付帯されていないため、必要であれば特約として加入します。
たとえば「子どもが他人の家のものを壊してしまった」「スマホを見ながら歩いていて、他人とぶつかりケガをさせてしまった」などの場合に補償をする保険です。
加入していれば何かと便利で安心ですが、必ずしも賃貸物件契約時に加入する必要はありません。
クレジットカードの会員特典に付帯されていることもあり、安価で個人賠償責任保険に加入できる場合は、そちらで加入しておけば問題ないでしょう。
加入までの流れ

賃貸物件契約時に損害保険に加入する場合には、どのような流れになるのでしょうか?
冒頭で述べたように、賃貸住宅の損害保険は自分で選ぶことも、大家さんや不動産会社経由で加入することもできます。それぞれの流れを確認しておきましょう。
・自分で選んで加入する場合
自分で損害保険に加入する場合には、まずは自分で保険会社を探すところから始めなければなりません。
いくつか保険会社を探したら、その後の契約手続きは以下のようになります。
1.保険会社に問い合わせを行い、プランの設計を行う
2.見積もりをもらう
3.契約条件を確認し、契約手続きを行う
4.保険料を支払い、保証がスタート
保険料は保険会社によって異なるので、複数社から見積もりを取って、比較したうえで保険を選んだ方がよいでしょう。
・大家さんや不動産会社を経由して加入する場合
不動産の賃貸借契約をする際に、保険申込書を渡されて、必要事項に記入・捺印し、その紙を契約書と一緒に大家さんや不動産会社に渡すだけです。
以後の保険会社との手続きは、すべて大家さんや不動産会社が行ってくれるので非常に簡単です。
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自分に合った保険選びのポイント

自分で損害保険を選択する場合、自分の財産状況に合わせた保険に加入するほうが保険料を節約することができます。
それぞれの保険選びのポイントを簡単にまとめてみました。
・家財保険は自分の家財に合わせて
火災保険のうち家財保険は、自分の家財のための保険なので、自分の家財に合わせた補償内容を選択するようにしましょう。
高価な家財や貴金属、ブランド品を多く保有しているという人は、高額の補償に入る必要があります。
場合によっては、大家さんや不動産会社が勧める保険では補償金額が足りないケースも考えられるので、自分の家財に見合った補償を受けられる保険を自分で探す必要が生じます。
反対に、特に高価な家財はないという人は、大家さんや不動産会社が勧める保険よりも補償金額の少ない保険を選択すれば、保険料を節約することができるでしょう。
・借家人賠償責任保険の補償はしっかりと
賃貸住宅に居住する人の損害保険で最も重要になるのが、借家人賠償責任保険です。
この保険の金額が少ないと、失火をした場合に原状回復義務を果たすことができずに、大きな自己負担が生じてしまう可能性があります。
賃貸借契約書を見ると、基本的に加入が義務付けられています。そのため、借家人賠償責任保険特約が付いた火災保険に加入する必要があります。
・個人賠償責任保険には必ずしも入る必要はない
個人賠償責任保険は、入居にかかわる保険ではないため、必ずしも加入する必要はありません。
ただし、他人に損害を与えてしまった場合には必要になることもあるので、加入しておくのもよいでしょう。
すでにクレジットカードなどでの個人賠償責任保険に加入している人は、二重で加入することになるため、賃貸借契約の際に加入する必要はありません。
クレジットカードの契約にいくらか上乗せすれば、高額の補償を得ることもできるため、比較して検討しましょう。
メリットを明確にしてから損害保険へ加入しよう
まず、自分に必要な補償内容を把握し、保険に加入するメリットを明確にしておきましょう。
保険を一から自分で選ぶことが苦手で、補償内容や保険料にも不満がない場合は、大家さんや不動産会社に任せたほうが安心です。
自分に合った保険に加入したいのであれば、さまざまな保険会社を調べて検討するのがよいでしょう。
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まとめ
- 賃貸住宅契約時に加入する火災保険の補償内容は主に3つ
- 家財保険は自分の家財に合わせて保険金額を設定する
- 借家人賠償責任保険は基本的に加入必須
- 個人賠償責任保険は、必ずしも賃貸借契約時に加入する必要はない
- 自分で最適な保険を探して加入することで、保険料を節約できる場合も多い
更新日: / 公開日:2019.02.05
