アパートやマンションなどの賃貸物件に住んでいれば、貸主に対して毎月「家賃」を支払わなければなりません。ところが、大きな出費が重なるなど想定外の事態で、どうしても支払えなくなってしまう場合もないとは限りません。

では、万が一家賃を滞納したらどうなってしまうのでしょうか。また、家賃を支払えない場合の有効な対処法はあるのでしょうか。家賃を滞納した場合に起こることと、その対処法をご紹介します。
賃貸物件を探す

通常の賃貸借契約の場合、家賃は毎月決められた期日までに支払わなければなりません。毎月請求書が送付されてくるわけではないため、自分自身で忘れずに支払う必要があります。

 

しかし、事情があってどうしても支払いが厳しくなり滞納してしまった時は、管理会社から以下のような連絡を受けることになります。

 

督促の連絡が入る

家賃の支払いが確認できないと、管理会社から電話もしくは書面にて家賃を支払うよう督促されます。管理会社によっては、家賃を滞納してもしばらく様子を見ていて督促をしてこないケースもありますが、だからと言って支払いが遅れていいわけではありません。

 

督促される際の注意点としては、すぐに支払うことが難しい場合でも必ず応対することです。督促電話に出るのは億劫かもしれませんが、無視し続けていると、連帯保証人にまで連絡が入ってしまう可能性があります。

 

家賃督促の電話は、本人の「安否確認」も兼ねている側面もあるため、電話があったら必ず出て、いつなら支払えるのかを伝えることがとても大切です。くれぐれも無視はしないようにしましょう。

延滞損害金を請求される

家賃の支払いを滞納した場合は、賃貸借契約書に記載のある「延滞損害金」を請求される可能性があります。利率については、賃貸借契約書に記載がなければ年5%もしくは6%、もしも記載がある場合は、最高で年14.6%まで請求される可能性があります。

 

数日遅れるくらいであれば数百円程度ですが、延滞期間が長くなるとどんどん膨らんでしまいますので、できる限り早めに支払う努力が必要です。

督促状の送付代を請求される

管理会社からの督促に応じないまま1ヶ月程度が経過すると、内容証明郵便で督促状が送られてくることがあります。この督促にかかる郵送代などについては、賃貸借契約書上で実費や一定金額を借主側に請求すると記載されていることがあります。

 

内容証明郵便は通常の切手代に加えて、書留料、内容証明料、配達証明料などで1回の送付が1,000円以上となるため、できる限り督促状を送られる前に家賃を支払った方がよいでしょう。

 

家賃を滞納してしまったら、「退去させられる」のではないかと心配になることと思います。
確かに、長期間にわたって家賃を滞納すれば、貸主から明渡しを求められる可能性があるのは確かです。

 

ただ、明渡し請求の裁判でこれが認められる要因としては、まず「3ヶ月以上の滞納状態」が必要とされ、さらに裁判中はそのまま居住することになるので、少し支払いが遅れた程度で即刻裁判になったり、退去したりしなければならないわけではありません。

無断で部屋の鍵を交換されたら

家賃を滞納すると、貸主の判断で連絡なく部屋の鍵を交換されてしまうケースがあるようです。しかしこのような行為は、たとえ賃貸借契約書に記載されていたとしても、法的には認められません。

 

裁判で正式な明渡しが認められるまでは、いくら貸主といえども、勝手に部屋の鍵を交換して借主を締め出すことはできません。万が一、鍵を交換されて部屋に入れなくなってしまった場合は、すぐにでも弁護士に相談することをおすすめします。

 

 

賃貸物件を探す

家賃を滞納すると貸主に多大な迷惑がかかりますから、できる限り期日までに支払うよう調整する必要がありますが、どうしても支払えない場合はどのように対処すればよいのでしょうか。

連帯保証人に相談する

契約者本人が家賃を滞納した際、貸主から書面で滞納解消の催促がいきます。もし、それでも滞納解消にならない場合、連帯保証人にはすぐに家賃を立て替えて支払う責任が生じます。その点も踏まえて、まずは滞納してしまう前に、連帯保証人と対策を考えることが大切。連帯保証人からお金を借りることができれば、それによって家賃滞納を避けることができるのでベストです。

大家さんもしくは管理会社に連絡する

家賃を滞納しそうな時は、つい「相手から請求されるまで黙っておけばいい」と考えてしまいがちで、あえてこちらから大家さんや管理会社に連絡したくはないところです。

 

ただ、大家さんの中には家賃収入を頼りに生活をしていたり、アパートやマンションのローン返済に充当していたりするケースもあるため、予告なくいきなり滞納されると非常に困ります。何より、誠意が感じられません。

 

やむを得ず遅れてしまう状況であれば、せめて誠意だけでも見せましょう。できる限り早く支払う旨を伝え、謝罪しておくことが大切です。

 

 

月末は各種支払いが重なるため、ほかの支払いが多い月は、どうしても家賃の支払いが苦しくなってしまうこともあるでしょう。

 

ただ、家賃は住居という生活の基盤に関わる重要な支出です。本来は、どんな支払いよりも最優先で支払うべきものが「家賃」だということを忘れてはいけません。

 

家賃滞納は大家さんに多大な迷惑をかけますので、やりくりには十分に注意しましょう。

 

 

まとめ
・家賃を滞納すると、連帯保証人などに督促の連絡がくる。場合によっては延滞損害金も請求される
・家賃を3ヶ月以上滞納すると、裁判で明渡しが認められる可能性がある
・どうしても家賃が遅れてしまう場合は、連帯保証人に相談をし、必ず大家さんや管理会社に事前に連絡する

 

賃貸物件を探す

更新日: / 公開日:2018.09.06