壁紙は部屋の雰囲気を左右する重要な要素。個性的な壁紙を取り入れた物件が見られるようになったのに加え、近頃は自分で貼れるシール壁紙や簡単に剥がせる壁紙用の糊なども販売されており、必要な工具もWebサイトで手軽に購入できるようになりました。従来は職人さんにお願いするしかなかった壁紙の施工をDIYするチャレンジャーも見かけます。
以前より簡単に替えることができ身近になった壁紙。いざ替えようと決めたとき、どのように選んだらいいのでしょうか。壁紙の選び方をご紹介します。
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壁紙を張ろうとする女性

 

壁紙(またはクロス)の種類は多く、どんな壁紙を選ぶかで部屋の雰囲気は大きく変わります。なぜなら、壁紙は「ゴールデンゾーン」と呼ばれる最も目に入りやすい高さにあるので、面積以上に脳に与える影響が大きいからです。壁紙の色やデザインでその部屋のイメージが一変するといっても過言ではありません。

 

最近では1面だけ違った壁紙を貼る「アクセントウォール」も人気で、大胆な柄を選んで個性的なインテリアを楽しむ人も多くなっています。アクセントウォールはかつての床の間のような役割があり、趣味や好みを表現するのに最適な手段とも言えるでしょう。一方、種類が多すぎて選べないという人も多く、リフォームや新築時に専門家に相談するケースもしばしばあります。

壁紙をDIYで張るカップル

壁紙を選ぶうえでのポイントとなるのは、素材、色、そして面積です。それぞれ順に解説します。

まず素材ですが、日本で圧倒的に多いのは「ビニル壁紙」です。ビニル素材の壁紙は扱いやすく安価であり、横幅が日本の住宅に最適な約91cmのため、広く普及しています。プリント技術の進化によりビニルとは思えない質感のものもあり、さらに魅力的な素材になったと言えます。市場に出回っている「ビニル壁紙」はほとんどが国産のもの。リーズナブルに、また、機能を優先して選びたい人にぴったりの素材です。

 

一方、デザイン力、表現力に優れているのは「紙壁紙」です。しかし横幅が約52cmとビニル壁紙の約半分であり、ほとんどのものが10m巻きになっているので、柄のリピートなどの問題から無駄も多く、高価な材料になってしまいます。施工性(職人さんが1日に貼れる量)も、横幅が狭いこと、オープンタイム(壁紙に糊を安定させる時間)が必要なことなどの点でビニル素材に劣りますが、それをカバーできるほどの素晴らしさが「紙壁紙」にはあり、アクセントウォールに最も向いている壁紙とも言えます。デザインやイメージにこだわりのある人は、紙製の壁紙を使ってみるのもいいでしょう。

 

「紙壁紙」は輸入がほとんどで、ときには派手だと感じる場合もありますが、その豊かなデザインや柄はほかの素材を一歩リードしています。壁1面だけであれば、費用負担も軽く済みます。

 

また、かつての応接間には定番だった「織物壁紙」と呼ばれる布製の壁紙があります。折り曲げるとシワになってしまうなど施工性は劣りますが、それでも、日本の古い名建築に使われているように、ほかにはない重厚感と存在感が秀逸です。特別な空間に使ってみるのもいいでしょう。

 

DIYしやすいのは「不織布壁紙」です。厚手のため貼り直すのが容易なのがその理由です。紙壁紙ほどではありませんが美しいデザインのものもたくさんあります。防炎規制のある場合にも対応できることが多い素材です。こちらも多くは輸入品です。

 

それ以外の素材も数多くあります。「無機質壁紙」といって、細かい石のようなものが表面に塗布されている壁紙や、細い紙のテープやひもが表面に施されている壁紙もあります。表面に珪藻土や墨が入っている壁紙などもあり、用途やこだわりによってベストな1枚を選ぶのがよいでしょう。

壁紙の色は年々豊富になり、現在では複数のメーカーを探せばほとんどの色が見つかるでしょう。以前はどちらかというとツヤのあるものが多かったですが、最近の傾向としてはマットな仕上がりのものが好まれます。どんな色がベストなのかは、用途とこだわりによって異なるでしょう。

 

一般的に「無難」な色は、寺社建築を思い浮かべてもらうと分かりやすいかもしれません。かつての日本建築はヒノキやしっくいなど、ベージュやホワイト系でまとめられていました。したがって「無難」というより、ベージュやホワイト系の色が日本人になじみのある色、安心感を覚える色という認識が正解かもしれません。「メインの大空間をベージュやホワイト系の壁紙で」と考える人が多いのも納得です。だからといってすべての部屋をそれらの色でまとめるのではなく、プライベートな空間や趣味性の高いパブリックスペースにはアクセントクロスを用いて、アクセントクロスの中で使った1色をほかの3面で使うなど、個性的にインテリアを楽しみたいものです。

 

参考までに色彩心理学では、勉強部屋や作業をする部屋には寒色系がふさわしく、食事をしたり会話を楽しんだりする部屋には暖色系がよいとされています。

アクセントウォールを採用するときは、大胆な色や柄の壁紙は面積をしぼって使うと、ほかの無地の壁紙もアクセントウォールもお互いが引き立つでしょう。また天井をどうすればいいかとの質問を時々受けますが、アクセントウォール以外の3面に使った無地を使うのが一番まとまります。天井にさらに違う壁紙を使う人も見受けられますが、壁紙の種類を多くすると野暮ったくなる場合がありますので注意が必要です。

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機能を追加した壁紙も多く出ています。表面が強化された壁紙は猫の爪とぎなどのペット対応に最適です。また汚れが落ちやすい壁紙も便利です。それ以外にも調湿効果やマイナスイオン効果がある壁紙、消臭や防臭対策に役立つ壁紙などもおすすめです。ほかにも黒板の代わりになるものや、プロジェクターのスクリーンになる壁紙もあります。特別な機能を希望する場合は少し調べてみると、しっくりくるものが見つかるのではないでしょうか。

たくさんの種類の壁紙が存在するので、自分のお気に入りがきっと見つかるはずです。

 

壁紙を決定する際は、可能な範囲で大きいサイズのサンプルを取り寄せ、実際に使う予定の壁にテープなどで貼りつけ、眺めて決めることをおすすめします。それができない場合でも、柄の大きい壁紙はできるだけ大きなサイズのサンプルで確認してみてください。

あなたのインテリアライフがますます豊かになりますことを心より祈っています。

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