初めて住宅を購入した平均年齢は10年で変化した?

コロナ禍や金利上昇など、ここ数年で経済環境は大きく変化した。さらに晩婚・晩産化の影響で、住宅取得が後ろ倒しになっていくと予想できる。国土交通省が毎年7月に公表している「住宅市場動向調査」から、この10年間で物件購入時の世帯主の平均年齢が、どう変化したか見てみよう。

【関連リンク】
・【LIFULL HOME'S PRESS】何歳で住宅を初めて購入し、何歳で買い替えている?一次取得、二次取得の年齢を見る~住宅市場動向調査を読み解く(2015年 4月9日公開記事)
・【PDF】令和6年度 住宅市場動向調査報告書(国土交通省 住宅局)

まず、初めて住宅を購入した一次取得時の平均年齢から。物件の種別ごとに2014年度と2024年度を比較してみる。

●注文住宅取得世帯(※建て替えを除く)
2014年度…平均38.2歳
2024年度…平均40.3歳

●分譲一戸建て住宅取得世帯
2014年度…平均38.1歳
2024年度…平均37.3歳

●分譲マンション取得世帯
2014年度…平均38歳
2024年度…平均40.5歳

●中古一戸建て取得世帯
2014年度…平均41.2歳
2024年度…平均41.3歳

●中古マンション取得世帯
2014年度…平均42.6歳
2024年度…平均42歳

ここでは著しい差は見当たらないが、二次取得となる買い替えではどうか。

10年前より後ろ倒しになった買い替え年齢

以下が、二次取得時の世帯主の平均年齢となる。

●注文住宅取得世帯(※建て替えを除く)
2014年度…平均57.7歳
2024年度…平均60.2歳

●分譲一戸建て住宅取得世帯
2014年度…平均46.6歳
2024年…平均46.1歳

●分譲マンション取得世帯
2014年度…平均55.5歳
2024年度…平均57.9歳

●中古一戸建て取得世帯
2014年度…平均52.6歳
2024年度…平均55.9歳

●中古マンション取得世帯
2014年度…平均55.3歳
2024年度…平均57.1歳

こちらは明らかに取得年齢が上がっている。分譲一戸建て住宅以外は、おおむね2~3歳ほど後ろ倒しになった。住み替えはライフイベントの変化をきっかけに起きるものだ。厚生労働省の「人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、2024年の男性の平均初婚年齢は31.1歳で、32歳で第1子が生まれたとして、その子が大学卒業時には54歳となっている。第2子が2年後に誕生するとしたら57歳だ。晩婚・晩産化によって子どもの独立時が後ろにずれ込むことが、この結果につながっているのではないか。

2024年度 二次取得者の世帯主の年齢 出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書( 国土交通省 住宅局 )
2024年度 二次取得者の世帯主の年齢 出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書( 国土交通省 住宅局 )

住み替えには高齢者用設備が欠かせない

もう1つの要因として、長寿化がありそうだ。住宅設備が古くなるにつれ、メンテナンスの必要が出てくる。定年が近づき、リフォームするか、あるいは買い替えかを考えるタイミングともいえる。維持管理に手間がかかる一戸建て住宅から、マンションへの住み替えを選択する世帯も多いだろう。

「住宅市場動向調査」を見ると、高齢者のみ世帯が住んでいる割合では分譲マンションが48.8%に対し、一戸建て住宅は5.7%しかない。中古物件でもやはりマンションが48.4%だ。高齢者対応設備についても、「段差のない室内」「廊下などが車椅子で通行可能な幅」「浴室・トイレの暖房」は、マンションでの整備率が高い。また、最寄り駅までの距離も、マンションの方が住み替え前より短くなっており、高齢者が安心して暮らせる設備や立地を考慮すると、住み替えで一戸建てよりマンションを選択する世帯が今後も増えていきそうだ。

高齢者がいる世帯の内訳 出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書( 国土交通省 住宅局 )高齢者がいる世帯の内訳 出典:令和6年度住宅市場動向調査報告書( 国土交通省 住宅局 )

介護にかかる費用を考慮したうえで買い替えを

一次取得との大きな差は、購入資金の調達方法にも表れている。
一戸建て・マンション共に、一次取得における自己資金比率は2~3割台だが、二次取得では分譲マンションで78.3%、中古マンションで68.1%とかなり高い。取得資金としては、住み替え前の住宅の売却費用、預貯金や退職金などが含まれるが、ここで留意してほしいことがある。二次取得した住まいが必ずしも終の棲家にならないかもしれないことだ。

言うまでもないが、高齢になるにつれ自立生活が難しくなる。いくら設備を整えても自宅介護が難しくなれば、いずれは介護施設へと移ることになるだろう。介護費用は施設費や期間によって増減するが、1人500万円が目安とも言われる。都市部の介護施設を利用する場合は、それでは足りないケースも多い。いざそうなった時、二次取得した住まいを売却するのか、それとも別の方法を探るのか。いずれにしても、介護費用を加えた老後の生活費がどの程度必要になりそうか、リタイア前に計算しておきたい。それによって、住み替えにかけるお金も判断すべきだろう。

ホームズ君

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